自分を生きるための〈性〉のこと: 性と生殖に関する健康と権利(SRHR)編
- 少年写真新聞社 (2023年7月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (120ページ)
- / ISBN・EAN: 9784879817778
作品紹介・あらすじ
思春期は、からだも心も、そして自分自身を取り巻く環境も変化していく年代です。そのような年代で〈性〉について学ぶことは、自分のからだのこと、自分の人生を自ら選び取るために必要なこと。 本書では、教育の国際基準である「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」に基づき、「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」に関わる内容を解説していきます。「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」とは、性と生殖に関わるすべての自由が守られ、からだも心も、社会的にも良好な状態(健康)で生きるための、すべての人に関わる理念です。 自分の生き方を自由に、自分で納得して決めていくために、ぜひこの本を活用してください。
感想・レビュー・書評
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独身未婚中年男性の自分が読んでみました。
非常によい本だと思いました。若い子(男女ともに)に読んで欲しいです。
自分も10代で読みたかった、かな?
いや、これに似たような性教育は、中学の時担任の先生がしてくれました。
「自分もしくはパートナーが「妊娠をした」場合、育てることは可能でしょうか?」(p75)とあり、私の中学時代の担任がそう言ったかは覚えていませんが、当時の自分は、性行為は子どもが出来る怖ろしい行為であるという認識が形成され、子どもが産める(特に経済的に子どもが育てられるだけの収入が得られる)ようになるまで、なるべくしないようにしよう、と、心底思いました。
そして、私はついに、子育てできるだけの収入は、人生で得ることができないことが見込まれることになり、また、子どもを育てるだけの精神的余裕がある大人には慣れなかったので、子どもを産む資格がないという意味で、私は性行為とは縁遠い人生となりました。
「ヒトが性的欲求をかなえるためには、親密な関係を育むのに必要なコミュニケーション能力のトレーニングが、どうやら必要なのです」(p63)というのもまさにその通り。もっと言ってしまえば、そんなコミュ力おばけ(な男)しか、もはや性行為は許されないと言っても過言ではないでしょう。
昔の日本は、結婚しないと一人前でないという同調圧力があるので結婚しました(結果、それで幸せだったのかはかなり問題があったのかもしれません)。最近はそういう同調圧力も減りましたが、こと男性にしてみれば、上記状況をかんがみると、結婚できない男性は、女性とのコミュニケーション能力が劣る、ということを「未婚」であることによって否が応でも示し続けるハメに一生陥る、ということなのかもしれません(私自身はコミュ障なので仕方なかったかなと、その自覚があります)。
男にとっては、妻子がいるということは最高の自己肯定になるわけです(『BLの教科書』をご参照ください)。私は、私のことを認めてくれる女性や実子には残念ながら、自力では巡り逢うことはできなかったので、そのことはおそらく死ぬまで後悔し続けるに違いありません。ですが、身勝手な男性によって泣かされる女性が減るのであれば、やはり今の日本はいい時代になったと思います。
(そもそも、私の場合は女性が好きかどうかも本心ではかなり怪しいのですが)
どの性の人たちにとっても、生きやすい日本社会であることを願うばかりです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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