山びとの記: 木の国果無山脈 (宇江敏勝の本 2-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880083087

作品紹介・あらすじ

祖父から三代にわたる炭焼きをはじめ、熊野の山々を遍歴する山びとの労働と生活。その変貌と陰翳が昭和の紀伊半島に刻まれてきた。奥深い山小屋から生まれた稀有な山の自叙伝。

感想・レビュー・書評

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  •  先日、NHK‐Eテレでインタビューを受けておられた。本書にも出てくる、炭焼窯跡も訪ねておられた。小柄で柔和なおじさんといった風情の宇江さんだが、炭焼きとして生きておられたと経歴に驚く。山域を転々と移動する炭焼きの生活にも驚くが、それを体現し、記録し続ける著者に畏敬の念を抱く。著者は、私の父親と同世代だが、父母の世代、祖父母の世代の生活の、なんと遠いことか。
     果無山脈のあたりをサイクリングで訪れる時、私が生まれた頃の山の生活が、自転車のサドルの上から見えるだろうか。あるいは、山の坂道で自転車を押し歩きながら、炭焼窯の煙が感じられるだろうか。

  • 炭焼きという職業について理解できた。
    八島太郎の「からすたろう」は炭焼きの子どもの話だが、いろいろ腑に落ちた。
    炭焼きは炭になる木の近くに小屋を構え、そこの木を炭にしてしまうと、木を求めて棲家も変える。
    著者は炭焼きの子として生まれ、後には植林を生業として、果無山脈、十津川に関わっていく。
    不安定な職業環境だ。

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