社会学 第五版

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  • Amazon.co.jp ・本 (1024ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880593500

感想・レビュー・書評

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  • 社会学の定番中の定番テキスト。寝る前に少しづつ読み進める。
    1000ページ超だけあって扱う範囲が広く、各テーマの記述も充実している。
    通読するのは難しいが、ぱらぱらめくるだけでも未知の論点に出会えて面白い。
    原著は15年前のものだし、事例も英米が中心なので、もう少し新しくて日本の状況に詳しいテキストも読んでみたいところ。

  • 【書誌情報】
    原題:Sociology: A Brief but Critical Introduction, 5th edition(Macmillan)
    著者:Anthony Giddens(1938-)
    訳者:松尾精文、西岡八郎、藤井達也、小幡正敏、立松隆介、内田健
    出版社:而立書房
    出版日:2009.3.25
    版型:A5判 上製
    頁数:1024頁 
    定価:3960円(税込)
    ISBN:978-4-88059-350-0 C3036
    NDC:361 社会学

    私たちは絶望感に身を委ねるほかないのだろうか。間違いなくそうではない。仮に社会学が私たちに呈示できるものが何かひとつあるとすれば、それは人間が社会制度の創造者であることへの強い自覚である。未来への展望を拓くための視座。
    [http://jiritsushobo.co.jp/shakai01.html]


    【目次】
    1 社会学とは何か?
      社会学の視座
      社会学的思考の展開
      社会学は私たちの生活でどのように役立つのか
      まとめ 

    2 グローバル化と、変動する世界
      社会類型
      社会変動
      グローバル化
      結び――グローバルな統治の必要性
      まとめ 

    3 社会学の問いを発し、その問いに答える
      社会学の問い
      原因と結果の解明
      調査研究方法
      現実世界における調査研究――方法、問題、落とし穴
      まとめ 

    4 社会学における理論的思考
      マックス・ウェーバー ――『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
      四つの理論上の争点
      近年の社会学理論
      今日の四人の社会学者
      結び
      まとめ 

    5 社会的相互行為と日常生活
      日常生活の研究
      非言語コミュニケーション
      相互行為の社会的規則性
      相互行為における顔、身体、発話
      時空間における相互行為
      結び――接近強迫観念?
      まとめ 

    6 社会化、ライフコース、加齢
      文化、社会、子どもの社会化
      ジェンダーの社会化
      ライフコースを貫く社会化
      加齢
      まとめ 

    7 家族と親密な関係性
      基本的な概念
      歴史のなかの家族
      英国における家族と親密な関係性
      家族と親密な関係性をめぐる理論的視座
      結び――家族の価値をめぐる論争
      まとめ 

    8 健康、病気、障害
      身体の社会学
      健康と疾病の社会学
      医療をめぐる社会学的視座
      健康の社会的基盤
      障害の社会学
      まとめ 

    9 社会成層と階級
      成層システム
      階級と社会成層をめぐる理論
      階級の測定
      今日の欧米における社会階級区分
      社会移動
      結び――階級の重要性
      まとめ 

    10 貧困、社会的排除、福祉
      貧困
      社会的排除
      福祉国家
      結び――変動する世界における貧困と福祉
      まとめ 

    11 グローバルな不平等
      グローバルな経済的不平等
      富裕国と貧困国での生活
      貧困国は裕福になれるのだろうか
      世界の人口成長
      まとめ 

    12 セクシュアリティとジェンダー
      人間のセクシュアリティ
      性的志向
      ジェンダー
      ジェンダーの不平等をめぐる視座
      結び――ジェンダーとグローバル化
      まとめ 

    13 人種、エスニシティ、移民
      鍵となる概念
      偏見と差別
      エスニシティの融和と対立
      英国における移民とエスニシティの多様性
      転入移民と、ヨーロッパ大陸におけるエスニシティ関係
      グローバルな移民
      結び
      まとめ 

    14 現代社会における宗教
      社会学の理論と考え方
      現実世界の宗教
      世俗化と宗教復興
      まとめ 

    15 メディア
      伝統的メディアと新たなメディア
      メディアについての理論的視座
      バイアスとメディア――グラスゴー大学の研究グループ
      オーディエンスとメディア効果
      メディア規制
      グローバル時代のメディア
      結び
      まとめ 

    16 組織とネットワーク
      組織
      官僚制を超えて?
      組織やネットワークは私たちの生活にどのような影響を及ぼすのか?
      結び
      まとめ 

    17 教育
      教育の重要性
      英国における教育
      学校教育と不平等をめぐる理論
      不平等と教育
      教育と新たなコミュニケーション技術
      結び――教育の未来像
      まとめ 

    18 労働と経済生活
      労働とは何か――有給労働と無給労働
      労働の社会的組織化
      労働と働くことの変質
      職の不安定、失業、労働の社会的意義
      結び――「性格の腐食」か?
      まとめ 

    19 犯罪と逸脱
      基本的な概念
      犯罪と逸脱の解明――社会学の理論
      英国における犯罪の様式
      犯罪被害者と犯罪予備軍
      監獄――犯罪の解決策になるのか
      結び――犯罪、逸脱、社会秩序
      まとめ 

    20 政治、統治、テロリズム
      政治社会学の基本概念をめぐる議論
      民主制のグローバルな普及
      英国の政党政治
      政治的変化と社会変動
      ナショナリズムと民族の理論
      テロリズム
      まとめ 

    21 都市と都市的空間
      アーバニズムの理論
      都市の発達
      都市とグローバル化
      結び――都市とグローバルな統治
      まとめ 

    22 環境とリスク
      社会学的論点としての環境
      私たちが共有する環境
      リスク、テクノロジー、環境
      未来をのぞき見る
      まとめ 

    索引 

  • 本の紹介動画;
    https://www.youtube.com/watch?v=mxW0N6BdKtM

    関連動画;
    https://www.youtube.com/watch?v=cwnatDaCj1w


    人間主体(ヒューマニズム)の社会学を提唱するギデンズが、今日の社会学のすべての研究領域を網羅し、その全体像を呈示する。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    松尾精文
    1945年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得修了。青山学院大学文学部教授

    西岡八郎
    1950年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得修了。国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部部長

    藤井達也
    1952年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得修了。上智大学総合人間科学部教授

    小幡正敏
    1958年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程単位取得修了。武蔵野美術大学造形学部教授

    立松隆介
    1956年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得修了。東邦大学講師

    内田健
    1964年生。早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得修了。新潟大学教育学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 社会学に関する、広く、浅く、分かりやすい教科書。辞書のような厚さは伊達でなく、網羅するトピックは非常に広範である。

    ロンドンを舞台にした具体的なトピックが多く、厚さの割には気軽に読める内容となっている。イントロである第1章を除けば、各章の内容は連続していないため、興味のある内容を選んで読むこともできる。

    それぞれのトピックにおける理論が何に立脚しているのか示されていたので、迷子になりにくいように感じた。理論そのものを読んでも、いまいち理解に結びつかないことも多いが、この本では機能主義、葛藤理論、象徴的相互作用論の3つの軸(+ポストモダンも?)で切り分けてくれているので、各理論の視点が理解しやすかった。

    ただ、2006年基準で紹介される事例はそろそろ古い。今日における東京のプレゼンスも、この本に記されているものよりも、かなり低下しているだろう。残念だけど……

    もっとも、この本で紹介される理論や問題意識そのものはまだまだ古びていない。ロンドンが15年前に通過したトピックでも、日本においては将来や現在の課題であるトピックも多々あり、学びは多い。

  • でかいし、重いし、高いけど「社会学で一冊挙げるならこれ」と言えるほど良著。

    様々な事象を切り出し、「社会学的な想像力をもって」網羅的に記載がされている。

    教養として触りだけやりたい人にも、これから社会学始める人にも、もちろん専門的にやっている人にも。

  • ブルデューは、階級上の位置を特徴づける四つの「資本」形態を識別する。《経済資本》は、そのひとつに過ぎない。他に、《文化資本》、《社会関係資本》、《象徴資本》がある。(ブルデュー『ディスタンクシオン』)p345

    組織とネットワークから

    <20. 政治、統治、テロリズム>p828
    世界中の都市で何百万もの人たちが同じ日にデモをするという連携行動が可能になったのは、メディアの発達である。戦争が起きる可能性は何ヶ月も前からテレビや新聞で盛んに議論され、また、反戦デモの計画はあらかじめメディアによって広まっていた。反戦グループは、Eメールやウェブサイトでの告知によって、さまざまな背景の人びとから支持者を集めることができた。
    2003年に2月にデモ行進した人びとは、さまざまな関心から結集した。デモ行進の参加者のなかには、民主制が確かに最良のモデルであっても、欧米スタイルの民主制を力づくで中東に輸出するのは民主制の基本的価値観に反すると主張する人たちもいた。中東での戦争は、欧米社会が石油の安定的供給源を確保するための見え透いた言い訳であるとみなす人たちもいた。英国では、多くの人たちは、アメリカ主導の戦争に巻き込まれることで、現実に2005年7月7日にロンドン市民が犠牲になる事態が生じたが、英国がテロ攻撃の標的になる恐れを危惧した。反戦支持を結集させたもう一つの論点は、主戦論に立つ英国政府が、国際連合を説得して、先の国連決議にしたがわなかったイラクに軍事力行使するのを認める議決を出させることに失敗した点である。

    社会運動とは、既成制度の領域外でおこなわれる共同行為によって共通の利害関心を促進しようとする、そうした集合的企てを意味する。「新たな社会運動」という用語は、1960年代以降の欧米の国々で、人間社会が直面するリスクの変化に対処するために出現した一連の社会運動にたいして使われている。新たな社会運動は、それ以前の社会運動とは異なり、非物質的目的を志向する単一争点型の運動であり、階級区分を横断して支持を集めている。情報テクノロジーは、多くの新たな社会運動にとって、組織運営の有力な手段になった。p874

  • (5/23)第1章「社会学とは何か?」
    (5/23)第2章「文化と社会」
    (5/25)第5章「ジェンダーとセクシュアリティ」
    (5/25)第4章「社会的相互行為と日常生活」
    (5/26)第7章「家族」
    (5/26)第17章「宗教」
    (5/30)第15章「マスメディアとコミュニケーション様式」

  • 社会学入門の鉄板らしいから読んだ.労経やる上でもヒントになりそうなことが書いてあると思う

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著者プロフィール

アンソニー・ギデンズ( Anthony Giddens )
1938年、イギリス生まれ。社会学者。ケンブリッジ大学教授などを経て、LSEの学長を務めた。現在はLSE名誉教授、イギリスの上院議員。著書に『親密性の変容』、『第三の道』、『社会学』など多数。

「2021年 『モダニティと自己アイデンティティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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