談no.112 感情強要社会

制作 : 公益財団法人たばこ総合研究センター  アルシーヴ社 
  • 水曜社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 9
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (86ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880654485

作品紹介・あらすじ

感情強要社会

日常生活のさまざまなシーンにおいて、理性よりも感情に訴える主張が目に付く。たとえば、SNSの炎上や職場での過剰なサービス精神の強要、あるいは選挙で感情的に訴える候補者たち…。国家や企業、共同体が手を変え品を変え巧妙にかつ周到に感情的な共感を引き出し、献身や購買といったかたちで人々を動員しているのが現代社会だ。

いまこそ、この状況を正確に捉え、感情に操られないためのリテラシーを構築することが必要ではないか。理性/感情の対立という構図をいったんタブラサ(白紙還元)することから始めよう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 堀内先生のいう「感情は人間的である」ということがよく分かった。
    確かに自分の奥さんと笑いのツボは異なる。
    これはまさしくこれまでの自分の生活が形作ったもの(=文化)であるので、感情という一見パッシブな自発的な性質のものが極めて人間的なものであるということを自覚した。

    日本人が被災地などで暴動化しない理由として、
    アニミズムを想定していたが、「世間」という考え方もあるのだと思った。

    避難所においても、またそれは世間になるわけで、世間に迷惑をかけないように生きるよう、教育された我々はそのために、暴徒化しないのだろう。

    〜〜〜
    そもそも人権とか権利という言葉を、私たちは日常生活ではほとんど使わないのではないか。
    欧米では使わないと生きていけないこうした言葉でも、日本では使う必要がない。それは、まず世間のルールで解決することが基本だと考えているからです。だからよほどのことがない限り訴訟にはしないし、そうなると訴訟沙汰なんて言い方になる。欧米に行ってビックリするのは、人種も言葉も宗教も違う、本当に多様な人たちがいることで、彼らの間の紛争を解決するには法のルールしかない。そうでないと殺し合いになってしまう。法や社会を信頼せざるを得ない状況が、世間を共有している日本人にはどうしてもピンとこないんですね。
    〜〜〜

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

首都大学東京客員研究員、現代位相研究所首席研究員/政治社会学・批判的社会理論

「2018年 『談 no.112 感情強要社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

堀内進之介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×