原爆の秘密 (国内編)昭和天皇は知っていた

著者 :
  • 成甲書房
4.80
  • (4)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784880862330

作品紹介・あらすじ

日本人による日本人殺し!それがあの8月の惨劇の真相、痛憤と嗚咽をよぶ昭和驚愕史。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ドキュメントのすばらしさがここにある。


    「8・15宮城事件」が偽装クーデターだと
    立証しようとする研究をまとめたものである


    この本によると

    自決のはずだった近衛師団長がクーデターへの
    参加を拒否したため惨殺されたとすると同時に
    クーデターの引き金とされる事件
    それが玉音盤の放送を阻止しようとするクーデターである


    戦争終結に向けて上手に終わりたい天皇派と
    本土決戦に持ち込んで筋を通したい若手将校達
    その若手将校達をうまく使って天皇安泰を測る私利私欲に
    この事件を企てる天皇派と吉田茂達とアメリカ軍
    そしてアメリカ政府を操る国際金融組織が群がって暗躍する


    無条件降伏という取引の陰で2つの原爆投下の計画が糸をひく
    三笠宮達による終戦工作が紆余曲折したこのクーデター
    結果として戦後の天皇派は膨大な財産もろとも安泰となり
    その陰で無謀な戦争に反対し精神性を重んじた人々だけが
    戦犯として処刑されるという理不尽な戦後となった


    建前の歴史の陰に隠された本質が
    あからさまに報道される事は無かったが
    それをバーガミニとブルークスが学者として掘り起こす
    「天皇の陰謀」が本となって出版されるが力尽くで抹殺される
    天皇の陰謀を元に研究しなおしたのがこの本となって世に出た


    鬼塚の研究は維新と成れなかった明治維新に始まり
    戦後の日本に至るまでの政治の裏にある真実を
    世間に晒そうとして世に問うたのが天皇シリーズである


    作家・鬼塚英昭は中央大学法学部に学び
    歴史書・「海の門」「石井一郎の障害」「豊の国の竹の文化史」
    「20世紀のファウスト」などを著したのに続き
    1955年天皇九州巡行時の別府事件との出合いに端を発し
    歴史ドキュメント「天皇のロザリオ」「天皇の陰謀」を描き上げる


    特に381ページ 秘の章
    「太平洋戦争はどうして起こったか」以降が目を引く
    太平洋戦争を WhyでなくHowの検知から評価すると
    戦争のなんたるかが見えてくる


    それにしても自分の倫理観を捨て去って
    糸の切れてしまった理不尽な行為に自ら疲れ果てないのだろうか
    勝てば官軍負ければ賊軍に酔いしれて
    自分が吐き出したゴミの山に暮らすことに
    いつまで絶えられるのだろうか
    更にいつ賊軍に追い落とされるともわからない状況を
    作り出している自分にいつ気付くのだろうか


    戦後の情報公開によって隠されて来た様々な事実が公開された。
    それらの一部にはネット上で触れることもできる。

    当然、隠蔽工作によって破棄されてしまった情報も
    膨大にあるに違いないが
    よくぞ燃される事も無く逃げ切って
    残っていてくれたかと思う記録も沢山ある。

    この本は足で集めたそうした記録の集大成である。
    アウシュビッツにけして劣らないどころか
    それ以上に醜いだましが詰め込まれている。
    仲間を売り渡し敵同士であったはずの者同士がツルミ、
    民衆をたぶらかして取引の材料にして売り渡していたと言う事実が
    明るみに出る。

    天皇は連合軍との駆け引きの中で国民を売り渡し
    自分の資力と地位の安泰をはかり
    支配と搾取によって更なる野望をもくろむ。

    その国際金融組織と政財界の影に
    軍属と科学者達もひしめく。

    「プルトニウム人体実験」広瀬隆訳に
    「オッペンハイマー(物理学者)がフェルミに宛てた
    50万人殺戮計画の書簡」がある。
    1943年5月25日シカゴ大学冶金学研究所
    エリンコフェルミ様
    放射能で食品を汚染させる問題について報告します。
    エドワードテラーがあなたの直面している問題に付いて話してくれました。
    参謀総長がコナントに、放射性物質を軍事的に利用する方法について
    資料を集めていました。
    私はグローヴズの承認を得て、有望な利用法に付いて彼と話しました。
    計画をもう少し遅らせた方が良いと言うのが私の意見です。
    50万人殺せるだけの食べ物を十分に汚染できない場合には、
    計画を実行するべきでないと考えます。
    と言うのも均一に分布させられないため、実際に被害を受ける人数が
    はるかに少なくなることが間違いないからです。

    つまり原爆以上の被害をもたらすための研究を物理学者が
    軍に依頼されて実施していたと言う事です。
    東京・大阪・京都を狙っていたのでしょう。
    被害を人だけに絞り物的損害を出さない方法です。

    原爆投下の話に戻り、被害を大きくしてソ連に脅威をさらすために
    原爆投下の日時を天皇率いる日本の大本営と
    敵であるはずのトルーマン大統領率いるアメリカ軍部が契約を交わしていた。
    天皇の地位と財産を保証する見返りに
    天皇は死者を増やす秘密工作をしていた。
    原爆投下場所に大量の軍人と学生と市民を集める命令を出した。
    広島の情報を秘密にする事で国民への支配を維持し
    長崎の人々には逃げるチャンスを奪っていた。

    しかもアメリカの情報独占と世界からの避難をさけるために
    爆発後の放射能被害の情報を隠すことに協力しなければなえらず、
    国際赤十字社による医者や入院施設や薬や包帯などの援助をことわっていた。
    ことわったのは日本赤十字社であり、その総裁は天皇弟高松宮である。

    天皇一派は原爆投下を知っていただけではなく、
    保身のために原爆投下の計画そのものにすら関わっていたようだ。

    アメリカを占拠した白人のように日本を丸ごと奪った弥生人である天皇は
    国民などどうでも良いのだろう。
    神でも人間でもなく恐怖そのものの人で無しである。

  • ★5つ 日本の近現代史は暗闇です

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

鬼塚 英昭 1938年大分県別府市生まれ。別府鶴見丘高校卒業後、上京。中央大学法学部で学びながら数多くの職に就く。学費未納で中退後、故郷・別府にて家業の竹細工職人となる。傍ら、国内外の膨大な史資料を渉猟・読破、関係者にも精力的に取材を重ね、郷土史家として私家版の歴史書を上梓。その後、タブーを恐れぬ問題作を次々に公刊、昭和天皇の隠し財産を暴いた『天皇のロザリオ』、終戦史の暗部に斬り込んだ『日本のいちばん醜い日』などで多くの先鋭的な読者を獲得、インターネット上の論戦を巻き起こした。その陰には超人的な読書量があり、郷土・別府での焼酎と珈琲をこよなく愛す毎日があった。2016年1月25日急逝。

「2016年 『田中角栄こそが対中売国者である』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鬼塚英昭の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×