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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784881160756
作品紹介・あらすじ
核の研究と開発に関わった人びとは、戦時中の軍事開発と広島・長崎の原爆被災の経験を経て、どのように核エネルギーの問題を考えてきたのか。
感想・レビュー・書評
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戦時期日本の原爆開発を扱う第1部と1956年の日本の原子力委員会発足までを扱う第2部との2部構成。第1部は現時点での決定版ともいえる密度の高さ。第2部は日米原子力研究協定の締結過程を扱う部分が最も面白い。原水爆禁止運動が日本の平和利用定着に果たした役割を強調するとともに、その限界も明示している点が特徴。
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町田市立図書館
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戦時中の日本の原爆開発から戦後の原子力利用までを公開資料に基づき東工大教授がまとめている。
戦時中の核開発の実態、米国核使用正当化根拠のウソ(ヨーロッパ戦線死者14万、太平洋戦線16万死者に対し本土進攻で100万人の死傷者予想)、米国によるビキニ事件の矛先偏向の目論見、の正力松太郎の読売新聞及び日本テレビによる反核運動阻止の目論見、学術会議主導の原子力基本法の形骸化、日本被爆に対する韓国の冷ややかな反応の理由、北朝鮮を核開発に向かわせた中ソの態度、等々。学者らしく、今後の研究が待たれる、という結びで評価自体は避けている章が多いが、事実の羅列だけでも見えてくるものが多い。
学術会議の動向にかなりページを割いているが、正直、そこは一番面白くない。
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