ミミズ図鑑

著者 :
  • 全国農村教育協会
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本棚登録 : 28
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784881371725

作品紹介・あらすじ

わが国初のミミズの図鑑。 
 ミミズは貧毛綱に属する動物の総称で、そのはたらきについては古くから知られていたが、生物研究の基礎ともいうべき分類・生態については未だ未知の部分が多い。日本に生息するミミズは主にフトミミズ科、ツリミミズ科、ジュズイミミズ科に属し、うち95%以上をフトミミズ科が占め、その種数は500以上と推定されているが、名前のついているのは1割程度にすぎない。このような現状にあって、実際に使える図鑑として種名同定の方法、手順のポイントをわかりやすく紹介したのが本書である。

 1.「第Ⅰ部-ミミズの名前を調べるために」は種名を調べるための手引きで、採集場所や方法、体長・体型・体色、外部形態、内部形態、生育層など主としてフトミミズ科の同定に必要な情報を中心に構成されている。

 2.「第Ⅱ部-ミミズの解説」は生態写真、標本写真、解剖図を使って種を解説し、本書の根幹をなす部分である。

 3.「第Ⅲ部-ミミズの生態」は生態の解説。フトミミズの表層・浅層・深層への棲み分け、摂食、交接、産卵、ふ化、土壌の団粒構造形成に大きく関与するはたらき、まとめとしてのミミズの一生によって構成されている。

 4.「第Ⅳ部」ではフトミミズの採集法、標本作成法(麻酔・固定)および標本保存法などミミズ研究に必要なテクニックを解説する。さらにフトミミズ科の分類に重要な形態とその変異性についても資料で解説している。

感想・レビュー・書評

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  • 日本で初めてのミミズ図鑑だそうです。
    今年の4月、出たのですが、図書館でもう借りている人がいました。
    どんな人が借りるんでしょね(私のような人間が他にも)。

    ミミズのこと、ほとんど知らない。
    そういう人が、私を含めて多いのではないでしょうか。
    まず、昆虫と思われているかも。
    もちろん、昆虫ではありません。小動物であります。

    雌雄同体だけど、交尾は別の個体と行い、
    お互いの雌雄生殖器同士を使うダブルプレイ。

    目がなく、手足もないが、働きのよく分からない器官がいくつもある。
    ミミズ図鑑がなかったので、同定が難しく、ごく身近にいるミミズの種名でさえ調べることができなかった。
    なるほど、私も、イトミミズとか、そんな言葉しかしらなかったが、それが正式な名前なのかどうかも知らないなあ・・・
    フトミミズ科、ツリミミズ科、ムカシフトミミズ科、ジュズミミズ科などに分かれ、フトミミズ科だけでも、日本に500種いるとのこと。

    ミミズは土をつくると言われていますが、そのメカニズムについても書いてあります。想像していた通り、葉っぱや土の栄養分を食べ、フンにして出すが、それが栄養となって土をつくる、という基本サイクルがあるものの、よくはわかっていないようですね~。
    土の表層にいる種、浅いところにいる種、深いところにいる種によっても、食べるものや役割が違うようですよ。

    見入っているうちに、結構、ミミズおたくになってきます。
    フツウミミズは、確かに普通だけど、シーボルトミミズは青くてちょっと気色悪い。

  • × 在庫なし

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著者プロフィール

1945年東京生まれ。大学時代よりミミズ研究を開始し、都立高校教師の傍らでも研究を続ける。ミミズ研究で学位(農学博士)取得。国立科学博物館特別研究生として研究に従事。皇居内生物調査(第Ⅰ期、第Ⅱ期)外部調査研究員、京都大学生態学研究センター公開講座(ミミズの調査法、同定法)講師、森林総合研究所多摩森林科学園非常勤研究員に従事。2004年、ミミズの研究によって日本のフトミミズの分類、同定を可能にしたことおよび啓蒙活動の業績により、日本土壌動物学会奨励賞を受賞。2014年4月「ミミズ図鑑」を写真家の皆越ようせい氏とともに全国農村教育協会より刊行。

「2015年 『ミミズの学術的研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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