農の明日へ

著者 :
  • 創森社
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本棚登録 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883403509

作品紹介・あらすじ

いまだに「農業を成長産業に」との掛け声が続いているが、そのために打ち出されている単作化、規模拡大、コスト低減は旧態依然の路線である。果てしないコスト競争と市場原理優先の流れに惑うことなく、世界の小規模農業・家族農業重視の潮流を受け止めていかなければならない。必ずしも小農は貧農ならず、大農は富農足りえない……多様な担い手によって支えられる、持続可能な「農と食」の根拠と真価を内外のエピソードを織り交ぜながら示唆深く明らかにする。農の現場からの痛快エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 懐かしい山下さん。人間らしい暮らしを目的に小規模農業“小農”を営む一方で農業、農村から日本の農業の在り方を鋭くユーモアも交え提言してきた巨星。この後を誰か継承出来ないと日本の農業はホントに壊滅してしまうし国が滅びてしまう。「地方を守ることは中央を守ることであり、周辺こそが中心を支えている」「食料の輸入は出来ても環境は輸入出来ない」「仕事中心の生活から離れることが老後の始まり」「昨日より今日、今日より明日と成長するのではなく、昨日のように今日があり、今日のような明日がある。そんな世、人生が私は好きだ」「自らの食は自ら賄う。これは個人にとっても国家にとっても生存の基本だ」「農民はダメ。百姓が農民に成り下がってはいけない」「花には水を。妻には愛を。汝の伴侶を大切に。救われるのは自分である」鋭い農政批判からお惚気まで、人間味あふれる。合掌。

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著者プロフィール

◎山下 惣一(やました・そういち)1935年佐賀県唐津市生まれ。農業に従事するかたわら創作活動を続ける。1969年『海鳴り』で第13回日本農民文学賞受賞、79年『減反神社』で第27回地上文学賞を受賞。同作は第85回直木賞候補作となる。著書に『ひこばえの歌』『日本人は「食なき国」を望むのか』(家の光協会)、『農の明日へ』(創森社)など多数。生活者大学校教頭、アジア農民交流センター・TPPに反対する人々の運動の共同代表、小農学会の顧問も務めた。2021年2月に「老農は死なず消えゆくのみ」と断筆を宣言。2022年7月10日に肺がんのため逝去。

「2023年 『山下惣一 百姓の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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