幸田姉妹 洋楽黎明期を支えた幸田延と安藤幸

著者 :
  • ハンナ
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883641680

感想・レビュー・書評

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  • この前、滝廉太郎の小説を読んで気になった姉妹の話が本にあるようだったので読んでみました。
    小説かと思ってたのですが音楽評論家の方が書かれたもので、文献やらの資料から姉妹の生涯を追いかけた評伝でした。
    黎明期の日本が西洋列強の国々と肩を並べるために教育に力を入れて多くの若い才能が東京に集まっていた。
    新しい国を作ろうと活気だってる明治期の東京ってすごく魅力的な場所だったんだなあって憧れるんですよね。
    幸田延はピアニストとして、妹の幸はヴァイオニストとしてその才能を開花させ洋楽界の土台となった人物なんですが、彼女たちの兄に幸田露伴がいたとか。
    また、島崎藤村、森鴎外とも親交があったとか。
    滝廉太郎に山田耕筰と教科書にでてくる名前の連呼にキラキラ眩しくなりました。
    幼いころは三味線や琴、長唄を習っていた姉妹がピアノにヴァイオリンと装備を替えて本格的音楽家として大成していき指導者として後続を導く、男尊女卑の風潮が強烈な時代にあっても大輪の花を咲かせた二輪の芍薬のように、気品に満ちてエレガントでした。
    幸の長男には芥川賞を辞退した高木卓 がいたりで系譜を追うのも賑やかでした。

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著者プロフィール

音楽評論家。東京生まれ。幼時からピアノと邦楽、日本舞踊を学び、立教大学卒業後カルチャー教室講師(箏曲)を経て音楽教室を主宰する。その傍ら音楽評論を志鳥栄八郎氏に師事し、FMクラシック音楽番組の放送原稿執筆を機に評論生活に入る。現在『音楽の友』『モストリークラシック』『音楽現代』『ショパン』各誌に定期執筆。新聞、一般誌に随時執筆。全国各地のホールや大学で多彩なテーマによるクラシック音楽講座を開講中。専門研究分野は女性音楽史、日本のクラシック音楽受容史。ミュージックペンクラブ・ジャパン会員。日本三曲協会会員。山田流協会会員。

「2013年 『諏訪根自子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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