魔女王の血脈 (ナイトランド叢書2-7)

  • 書苑新社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883752812

作品紹介・あらすじ

海外の怪奇幻想小説から、傑作を選りすぐり、
一流の翻訳で、ホラー愛好者に贈るナイトランド叢書。
第2期第7回配本刊行!

謎の青年フェラーラの行く先には、必ず不審な死が――
疑念をいだき彼を追う医学生ケルンはいつしか、
古代エジプトの魔女王をめぐる闇深き謎の渦中へ!

英国を熱狂させた怪奇冒険の巨匠の大作、
ついに邦訳なる!

『吸血鬼ドラキュラ』で開幕した
長篇ホラー黎明期の屈指の傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 医学生アントニー・フェラーラの周辺で不可解な死が続く。同じ医学生のロバート・ケルンはフェラーラの謎を追ううち、エジプトの魔女王と秘術に行き着く――という展開なのだが、素材は面白いのに話の運びが早すぎてあっさりすぎるという印象。スピーディーというより全速力のハードル走に近いというか。何より、息子のロバートよりパパのほうが頼りがいがあって素敵……いや息子がむしろ頼りなさすぎるのか。欠点があるからこそ人間的な魅力がうんぬんなのかもしれないが、医学生なのに短慮ってどうなのと思う。やはりそこは知力で勝負してほしかった(苦笑)。

  • 怪人フー・マンチューで知られるサックス・ローマーの手によるオカルトホラー。この手の作品では普通、魔術や悪霊の存在を信じていない主人公が半信半疑になり、いよいよ信じざるを得なくなって覚悟を決め、ラストで敵と一戦を交える、という流れでお話が進んでいく。だがこの本では、冒頭いきなり主人公が魔術を確信するところから始まる。つまり1冊丸々敵との戦いに費やされているのだ。その点では非常に興味深い内容だったのだが、いかんせん魔術的な知識を持って敵と戦うのが徹頭徹尾主人公ではなく主人公の父親のみであったり(魔術で実際に起きたこと、その対抗措置として行われたことはわかるのだが、その背後にある理論の説明がまったくと言っていいほど無い)、主人公が直接見聞きする以外に敵の動きがまったく描写されていないこともあって、重大な魔術的事件に巻き込まれていながら、蚊帳の外に置かれているという疎外感が最後まで消えないというのが残念であった。読み易く面白いことは間違いないのだが。

  • ロンドンの医師親子VS謎の魔術師。怪奇活劇もの。ストーリー的には「?」も多いが、怪しいB級ぶりに存分に浸って楽しむのがこの手の作品へ対する作法だろう。

  • ●謎の青年の行く先には、必ず不審な死が 彼を追う医学生はいつしか、古代エジプトの魔女王をめぐる闇深き謎の渦中へ!
    ▼詳細
    https://athird.cart.fc2.com/ca9/208/p3-r-s/

  • はあはあ、興奮したわ。100年前に書かれた作品。作者はジャーナリストをしながら魔術結社に参加。
    本編。エジプトに調査に来ました。ミイラがありました。おっきい方はボロボロになっちゃった。ちっさい方は失敗しないように解読して蘇生させたお!あんたたち何してまんねん。生き返ってしもたわ。人間でない者とどうやって戦ったらいいかわからん。とりあえずエジプト研究者やし、魔除けとか作って頑張ってみる!父さん僕も手伝うお。あいつ女にモテモテでムカつくの。
     文章があっさりしてたので、もっとベッタリねっとり書いて欲しかった。

  • 1918年、ちょうど100年前に出版された本。自動車、電灯、電話などは普及しているものの、今から見るとまだまだ古風な幻想怪奇もの。最初に名前が出てくるアントニー・フェラーラが主役ではなくて敵役だと気づくのにしばらくの時間を要する。途中、ある貴族の家系にまつわる因縁で脇道にそれた。これはグラームス城の伝承が元ネタ。吸血鬼や魔術師やら盛りだくさんだけれど、フェラーラの正体はやや意外でした。ところでこの手の物語は血気にはやる若者ではなく、経験豊かな中年男性が話をリードすることが多いように思うが、この父子コンビの息子は情けなさすぎるだろう? 相当のファーザーコンプレックスぶり。そして母親の影は皆無。敵役のフェラーラの義父殺しと好対照なのかな? 魔女王の息子である邪悪なフェラーラと言い、これは父権主義と女性嫌悪の物語なのかもしれない。

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著者プロフィール

1883-1959。イギリスの作家。本名アーサー・ヘンリー・サースフィールド・ワール。バーミンガム生まれ。銀行業界から新聞業界に転じ、作家となる。ロンドン在住中に中国人街に親しみ、のちの作品に影響を及ぼした。フー・マンチュー・シリーズが代表作だが、他にも邦訳は『骨董屋探偵の事件簿』(創元推理文庫)、『魔女王の血脈』(ナイトランド叢書)などがある。

「2019年 『世界名作探偵小説選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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