増補版TATSUMI

  • 青林工藝舎
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883794119

感想・レビュー・書評

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  •  昭和の東京で、うだつが上がらないというか恵まれず、幸福とは言えない人生を送っている男が、それでいて弱音を吐いたり泣き言を言ったりせず、常に一発かましてやろうと狙っているような姿勢がすごくいい。東京や女たちに負けているかもしれないけど、男としては絶対に負けてないし被害者でもない感じが素晴らしい。

     巻末の年表もとてもよかった。人生に浮き沈みがあり、それでも描き続けてもがき続けている様子がうかがえた。

  • 劇画の先駆者というとリアリティとかドラマ性みたいなものを連想するが、そういう路線もあるものの、中には「ええ!」「そうくるか!」と驚くような感じの急展開があるものも多く、画風は別として、ある種80年代以降の不条理漫画の先駆けではないかとさえ感じる。

  • 辰巳ヨシヒロ『TATSUMI』
    読んだ。

    フォロワーさんに借りたやつ。
    すごい。面白い。人間…。

    9つの短篇が収録されているのだけれども、どれもインパクトある。

    「東京うばすて山」「いとしのモンキー」が週刊少年マガジンに掲載されたと記載されてて、当時の読者は相当びっくりしたろうな…。


    2011年に発売された短編集と収録内容は同じ。ひとつ、「弔鐘(テンゴング)」という短編が新しく追加されてる。
    このテンゴングもやばい。 

    -----------------------------------

    ◆「男一発」の
    「まるで動脈硬化をおこしたように、今朝もじゅずつなぎの通勤バスはのろのろと動いていた」とか小説みたいな表現好き。


    ◆「はいってます」のコマがなんか好き。
    「ムリにめしを喰ったのがいけなかった…」で食堂のカットだけという潔さ。

    ◆「さそり」「いとしのモンキー」どちらとも生き物が鏡になってて良い。




    なんか良い。オフ会でフォロワーさんの本棚を見てピンときて借りた。すごい漫画家さんだったのか(無知)。

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著者プロフィール

1935年大阪生まれ。漫画家。中学で手塚治虫に傾倒。高校2年時の作品「こどもじま」でデビュー。54年、大阪日の丸文庫に持ち込んだ「怪盗紳士」が採用となり、以後、主に日の丸文庫で活躍。従来のマンガに比べリアルな表現を追求、57年暮れ、その手法を「劇画」と名付ける。60年代後半にはメジャー雑誌を巻き込んだ「劇画ブーム」が起こるが、一方で本来の意味を失った「劇画」に幻滅。社会の底辺を描いた短編連作を手がけるようになる。これらの作品は発表当時こそ大きな反響はなかったものの、近年は国内外で評価され、仏アングレーム国際BDフェスティバル遺産賞、米ウィル・アイズナー賞、日本の手塚治虫文化賞大賞など受賞歴多数。主な著書は『劇画大学』『劇画漂流』など。

「2014年 『再び大阪が まんが大国に甦る日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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