今日、ホームレスになった―15人のサラリーマン転落人生

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  • 彩図社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883926503

感想・レビュー・書評

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  • ホームレスの15人に密着取材をした記録がこの本に書かれています。数年前まで正社員で働いていた人のコメントはとても印象的でした。

    彼らの体験記を読んでみると、借金することのリスク、自分の身の丈以上にお金を消費してしまう生活を変えることができないリスク、危機への対応を夫婦でなく一人で解決しようとしたこと等が、ホームレスという状態を招いてしまったようでした。

    本書に書かれていることは他人事ではない、というメッセージですが、この本を読んで、自分の市場価値は幾らなのかを真剣に考える必要があり、現在得ている収入がその価値よりも大きいと判断できた場合には、その状態を当然と思うのではなく、良い状態を続けられている幸運な間に、次の手を打つ必要があると強く感じました。

  • 会社員でいるべきか、自分で生きるべきか。迷ってしまう。

    一番いいのは、で間違いないのは、
    東大を出て、内政Onlyで生きているやつ。か、延々と利益を生み続ける変な奴。
    どっちかでしか生きられないのではないか。

    事業で失敗、会社が失敗、高校中退、
    バブルの話が多かった。浮かれていた奴のせいって感じもする。

    退職した理由にはこういう失敗例があるのだ。と云う内容から始まり、ホームレスになったいきさつが書かれている。

    年齢が高いから
    学歴がないから
    会社が潰れたから


    自分の場合何をやっていけばいいんだろう。 会社任せになんかできないよな。
    やっぱりそう思う。

    案外為になったのが、生活パターン。
    1日寝てるわけじゃない。確かに、夜中には橋の上にいるけど、朝には必ずいないわけで、
    実はそこらのぽーっと生きている人間よりも圧倒的にアクティブなようだ。

    動きまくって、最低ラインを回していく。雑誌拾いなんて、ゴミ回収の回数が減っていいじゃないかって思う。各駅まわって一日中動きまくっているらしい。それらを売って1万超え程度の所得があったりするようだ。
    この点だけで言えばぱっと見、安月給の営業会社寄り所得が上。が、現実的には及ばない。保障が何もないわけだ。

    また、住所がなくなるという事がとても重要で、一度足を入れると信用がなくなる。
    家が借りれない。定職につけない。ますます借りれない。
    都心で生まれれて、都心で育って、ホームレスになった人は大変だろう。

    一般的な職に就きたいという人と、メンドクサイと言う人もいる。
    安定した職はない。学歴の壁、年齢の壁、気持ちの壁、知識の壁
    いろんなものがあるんだなと。そんなことが書かれている。

    まぁ、雑誌だよね。

  • ホームレスの実態がリアルに感じられる。かような世界が決して背中合わせではないと言い切れない。年齢とともに余程のものを持っていないと、新たな場所で働くことは難しい。今の環境が恵まれていると思うとともに、絶えずレベルアップする努力を怠らない必要を強く感じた。

  • ホームレスになるパターンは様々だが、

    会社をリストラ→再就職が困難→家のローンが払えず、家を手放す→妻、家族と離縁→路上生活

    というのが自分には可能性のある状況かと。。

    下手に家を買うものではない。
    会社は守ってくれない。
    家族は大切に。

    という教訓を得た。

    収入のセーフティーネットを自力で構築できる人が、
    どれだけいるのだろう。

  • ある日突然そのときはやってくるんですね。
    身につまされる思いです。
    いままで「他人事」と思っていましたが、いつ自分がそうなるかわからないです。
    自分は手に職があるわけでもないので・・・
    所詮組織のなかでしか生きられないんですね

    失踪した人は妻に
    「平日の昼間に夫が家にいるのはみっともないからどこかへ行っててよ」
    「文句があるなら自分で料理しなさいよ」
    そのひとことで家に帰らなくなってしまった。

    捨てるのは以外に簡単なんですかね?



    [要旨]
    ギャンブル、バブル崩壊、一家離散、住宅ローン、退職…順風満帆だった人生が突然崩壊する!衝撃のノンフィクション。

    [目次]
    第1章
    エリートビジネスマンの暗転(次長の誤算(52歳・元大手総合商社財務部次長);
    外資系企業の光と影(49歳・元米国系投資銀行ファンドマネージャー) ほか);
    第2章 
    漂流するホワイトカラー(年を取るのが悪いのか(56歳・元中堅住宅メーカー営業所長);
    バブル世代は不用品(38歳・元都市銀行勤務) ほか);
    第3章 
    社長失格(ビルオーナーの転落(49歳・元ビルオーナー兼飲食店経営者);
    脱サラ・起業したけれど(53歳・元大手デパート外商部副部長・ブティック経営者) ほか);
    第4章
    明日なき若者たち(多重債務の逃亡者(31歳・元大手金属メーカー勤務);
    高校中退だもの(32歳・アルバイター) ほか)

    ■著者紹介 
    増田 明利 (マスダ アキトシ)       
    昭和36年生まれ。昭和55年都立中野工業高校卒。ルポライターとして取材活動を続けながら、現在は不動産管理会社に勤務。平成15年よりホームレス支援者、NPO関係者との交流を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
    2008/11/7

著者プロフィール

1961年生まれ。1980年都立中野工業高校卒。
ルポライターとして取材活動を続けながら、現在は不動産管理会社に勤務。
2003年よりホームレス支援者、NPO関係者との交流を持ち、長引く不況の現実や深刻な格差社会の現状を知り、声なき彼らの代弁者たらんと取材活動を行う。
著書に『今日、ホームレスになった』『今日、ホームレスになった 平成大不況編』『今日、派遣をクビになった』『今日から日雇い労働者になった』『今日、会社が倒産した』『本当にヤバイ就職活動』『今日からワーキングプアになった』『貧困のハローワーク』『今日、借金を背負った』『今日、ホームレスになった 大不況転落編』(いずれも彩図社)、『不況!! 東京路上サバイバル─ホームレス、28人の履歴書』(恒友出版)、『仕事がない!―求職中36人の叫び』(平凡社)、『ホープレス労働─働く人のホンネ』(労働開発研究会)がある。

「2023年 『お金がありません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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