うちの会社ブラック企業ですかね?

  • 彩図社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784883928699

感想・レビュー・書評

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  •  恋人がいれば、みんな「リア充」。二面性があれば、みんな「ツンデレ」。イタい発言をすれば、みんな「厨二病」。ちょっと仕事が長引けば、みんな「社畜」。ちょっと強硬な意見を言えば、みんな「ネトウヨ」。
     「覚えたての言葉を使いたがるなんて、まるで中学生!」という煽りを受けながらも、これらの言葉は「まるで中学生」によって多用され、無用なレッテル貼りに用いられる。その結果、それらの言葉の意味するところはどんどん広くなり、また安っぽくなっていく。
     「ブラック企業」という言葉も、まさにそのような変遷をたどった言葉であり、いまや気に食わないところのある企業はことごとく「ブラック企業」というレッテルが貼られるようになった。

     ありきたりな考えを述べるが、その仕事が楽しいのであれば、それがどんなに過酷であろうと「ブラック企業」とはならないはずだ。では、一体「ブラック企業」とは何なのか。そして、本書にはその答えがあった。
     本書によれば「ブラック企業」に勤める人には、「『何とかしよう。待遇を良くしよう』といった気力はすでになく、残っているのは仕事や職場の人間関係のつらさ、厳しさ、重さ、暗さ、過酷さ、しんどさ……。しかしこれらにあらがう術もなく、ただひたすら、シュールともいえる状況に身をさらされ、押し流されていくだけの日常」を過ごすこととなっている。つまり、そもそも、その人がその仕事から(心が)離れてしまったことが「ブラック企業」の発祥(発症?)なのである。その仕事に対し、真正面から向かわなくなったことが原因となり、そこは「ブラック企業」と化す。結局のところ、「ブラック企業」は主観的な存在に他ならない。客観的な「ブラック企業」など、そもそも存在しないのではないだろうか。たとえ「王◯」であろうと、「和◯」であろうと、そこを嫌がる人のなかにだけ「ブラック企業」という評価が生まれているのだ。もっと突っ込んだ意見を述べるならば、「王◯」で働いたことがなければ、そこを「ブラック企業」と評価してはいけないとも言えよう。繰り返すが、「ブラック企業」という評価は主観に基づかなければならないのだ。
     現に、本書に登場する「ブラック企業」は多岐にわたる。「悪徳先物業者」(これは別の意味でも「ブラック」であるが)から始まり、「バス運転手」や「MR(医薬情報担当者)」、「大学キャリアセンター職員」など、ありとあらゆる業種が掲載されている。これだって、不思議ではない。主観だからである。

     僕自身、仕事量も多く、時間も取られるアルバイトを長く続けているが、決して「ブラック企業」と思うことはなかった。それはその仕事が楽しかったからである。しかし、最近、色々と悩むところがあり、その仕事を楽しめなくなっている。僕の心のなかに「ブラック企業」が生まれ始めているのである。


    【目次】
    はじめに
    WORK1 悪徳先物業者
    WORK2 消費者金融
    WORK3 バス運転手
    WORK4 キャビンアテンダント
    WORK5 システムエンジニア
    (以下略。見出しは24項目あります)
    おわりに

  • ブラック企業のあれこれ。

    あの手この手で人材を集めて使いつぶそうとするのですが
    真面目な人ほど逃げ遅れるな~と。
    ところで、保険会社のチラシについてる飴は
    自腹なのですか??

  • 長男を整形外科に連れていったとき、待合室で読んだ。

    1話が3〜4ページで、いろいろな業種のブラックがシリアスになりすぎず、コミカルになりすぎず、描かれている。

    これは子どもに読ませたい。

    どんな感じで、人はブラック状態で働いてしまうのか、知っていると知らないとでは違うから。

  • マンガでブラック企業ネタを紹介。スパの連載の書籍化。

  • これはフィクションなんだか、ノンフィクションなんだかよく分からないし、笑えなかった

  • 新年会で帰った実家にあったので読んだ漫画。生き残るために皆様必死ですなー、犯罪スレスレというかこれはアウトだなー、というのをニコニコしながら読めました。

  • ブラック企業の体験談を集めたノンフィクション?漫画。
    体験そのものも面白かったけれど、漫画家さんの手法で、辛いことや理不尽なことが起こっているのに、顔はニュートラルの、真顔のままというのが好きで読んだ。

  • タイトルが目にとまり購入。マンガなので読みやすい。
    タイトル名にあるように、本中で取り上げられているような企業の実態が、果たしてブラックといえるのかどうかは、判断に迷う。
    というか、いまや世間巷でごく普通に聞くような話では・・・?
    と思ってしまう自分自身の感覚が変なのかも・・・?

  • 期待していたよりも内容が薄めだったなー(・´ー・´)フッ←

  • 読む時によって、かなり読後感が変わる本だな(笑

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著者プロフィール

就職アドバイザーの顔を持つノンフィクション作家。「夕刊フジ」や「ZAKZAK」等で、ブラック
企業にまつわるルポを連載。著書に「就職先はブラック企業―20 人のサラリーマン残酷物語」(彩図社)など。
【著者紹介】
ichida(漫画):新進気鋭の漫画家。初の著書「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」(PHP研究所)が大ヒット。

「2012年 『うちの会社 ブラック企業ですかね?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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