教室の感動を実況中継! 先生、日本ってすごいね

著者 :
  • 高木書房
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784884718039

感想・レビュー・書評

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  • ”読む前よりも読んだ後、さらに言えば読書会で語り合った後にさらに味わいが深まった一冊。
    書かれていること全てを盲目的に信じる必要はないが、色眼鏡をはずして「あとがき」までしっかり読むことで、「命の使い方」「使命」について考えることができる題材。

    自己肯定感、自分のルーツへの愛着が低すぎる今の日本の状況を変えよう、というアプローチにはとても共感できる。

    <キーフレーズ>
    ・島田は即答しました。
     「私が行きます」。 (P.9 元 沖縄県知事 島田叡さん)
    ・西郷は「偉い人とは大臣であるとか大将であるとかの地位ではない。財産の有無ではない。一言に尽くせば、後ろから拝まれる人である。死後、慕われる人である」と答えた(P.21)
    ・「アホの勉強、忘れなよ」(P.21)
    ・「焼き場の少年・一片のパン」(P.65)
    ★「日本マラソンの父・金栗四三 三度のオリンピック」より
     「大敗後の朝を迎えた。自分の一生でも最も重大な記念すべき日だったのに。しかし、失敗は成功の基。またその恥をすすぐ時が来る。(略)笑わば笑え。この敗北は日本人の体力の不足を示し、技の未熟を示すものである。(略)生きてその恥をすすぎ、粉骨砕身してマラソンの技を磨き、日本の名誉を示そう」(P.106)
    ★その招待状には、なんと次のように書いてあったのです。
     「あなたは、1912年のストックホルム・オリンピックマラソン競技において、まだゴールされていません。あなたがゴールするのをお待ちしております」
     (略)
     スタジアムには、「ただいまゴールしたのはミスター・カナグリ。ジャパン。タイムは54年8ヶ月6日5時間32分20秒3、これで第5回ストックホルム大会は、全日程を終了しました」とアナウンスが流れました。(略)
     金栗は、これに応えて「長い道のりでした。この間に孫が5人できました」とユーモアあふれるコメントを返し、ストックホルムの人々は大喜びです。
     この記録はオリンピック公式記録として認定されました。(p.110-111)
     ※この粋な計らい! とはいえ、さすがに公式記録ではないみたい。 https://www.olympic.org/stockholm-1912/athletics/marathon-men

    ・「受けつぎて 国の司の 身となれば 忘れまじきは 民の父母」()
     ※上杉鷹山 17歳のときの一首

    ・今度の戦争についての責任はすべて私にある。私は死刑になってもかまわない。他の者たちに責任はないので、許してほしい。そして、どうか国民が生活に困らぬように連合国から援助をお願いしたい。(P.194)
     ※昭和天皇がマッカーサー氏に語った言葉。

    ・人間を矮小化してはならぬ 狭山ヶ丘高等学校校長 小川義男
     人間はすべてエゴイストであるというふうに、人間を矮小化、つまり実存以上に小さく、卑しいものに貶めようとする文化が専らです。
     しかし、そうではありません。人間は本来、気高く偉大なものなのです。(P.215)
     ※埼玉県入谷の自衛隊機墜落事故 の

    ★台湾のおやじ。八田與一氏。
     「良い仕事は、安心して働ける環境から生まれる」→ダムを造る労働者や家族のためにまちづくりをした
     「働く人間を大切にすることが、工事の成功に結びつく」という考えを貫きました。
     「八田さんは俺たちのおやじのようなものだ。俺たちのために、台湾のために、命がけで働いているおやじがいるんだ。俺たちだってへこたれるものか!」

    ・私は「気概ある日本人」を育てる道徳授業を追求してきました。気概ある日本人とは何でしょうか。それは歴史と先人から学び、正義と勇気を重んじる日本人です。謙虚で己の本分を全うする日本人。そして祖国日本に誇りを持ち、より良い国づくりに参画しようとする国際派日本人です。(P288:あとがき)
    ★儚い命も使い方によっては偉大なことが成し遂げられるのです。子供には「命の使い方」を考えさせねばなりません。そのうえで、世の中には自分の命よりも大切なものがある、命をかけても守るべきものがあるという価値観に気付かせるのです。(P289)


    <きっかけ>
    人間塾読書会、2017年11月の課題図書”

  • 道徳って大事なんだと思われ、史実を知り、大人の背中をみて学び育つ子供たちを思い、引き継ぎ引き継がれていくことものの大切さを思う。僕が子供たちに伝え残したいものはなんだろなあ。自然にに学んでいくのかな。
    (*久々の登録。生活パターンが変わってなかなか本が読めなくてさみしいところ。)

  • うう、じいんときた。
    国家のために人が殺されるのは絶対にあってはならないけれど、愛する人のために死ぬことこそ生きる意味の最高に尊い使い方だと思いました。
    私としては嫌だけど、そういう死に方に憧れる私もいる。

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著者プロフィール

1974年東京都生まれ。98年より詩作・朗読活動を始める。2018年4月に詩集『我が家に天使がやってきた―ダウン症をもつ周とともに―』(文治堂書店)を刊行。同タイトルの講演と朗読会の活動を精力的に行っている。日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本現代詩人会会員。

「2020年 『天の指揮者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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