TEKIYA 香具師

著者 :
  • 地湧社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 7
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784885038266

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「TEKIYA てきや」とは何かという簡単な説明が、本書の最初にある。

    【引用】
    テキヤとは、祭りや縁日、市など人通りの多いところで露店を出し、見世物や商品を売ったりする人。テキヤ(的屋)の他に香具師(やし)とも呼ばれる。テキヤが取り扱った物は金魚すくい、綿菓子、リンゴ飴、お面のほか、バナナのたたき売りなど独特の口上で人を集める。
    【引用終わり】

    本書は、おそらく1960年代のテキヤを題材にした写真集。

    最近の若い人にはもう分からなくなっているのだと思うが、私の年代にとって、日本で最も有名なテキヤは、フーテンの寅さん、車寅次郎だ。
    寅さんの物語は、葛飾柴又の生家の家族や地元の人たちとの関係を中心とした人情噺として捉えられることが多いが、私にとって寅さんが好きだったもう一つの理由は、寅さんの「旅」だった。さほど大きくないトランクバッグを抱え、腹巻・雪駄・帽子を身にまとい、日本全国津々浦々に気ままに出かけていく寅さんの生き方がうらやましかったのである。
    この写真集に出てくるテキヤは、東京地方に根付いているテキヤらしく、寅さんのような旅から旅へという生き方をしているわけではないようであるが、それでも、根無し草的な雰囲気を感じる。それが実際にうらやましい生き方かどうかは別にして、魅力を感じる。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

写真家。1968年、東京綜合写真専門学校卒業。卒業時の制作展で「香具師の世界」を発表し、その後も撮り続けて「アサヒグラフ」「写真映像」に作品が掲載される。同じ頃、新宿の街を撮る中で全共闘ムーヴメントに出合い、ただ一人、東大全共闘のバリケード内部での撮影を許された。72年にアジア各国を旅しインド、ネパールを初めて訪れた際、魂の源郷と感じてしばらく暮らす。帰国後「命あるもの」へのメッセージとしてスピリチュアル・ドキュメントを軸に撮っている。最新作に『TEKIYA 香具師』(地湧社)。

「2018年 『フォトドキュメント東大全共闘1968‐1969』 で使われていた紹介文から引用しています。」

渡辺眸の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×