GHQが恐れた崎門学―明治維新を導いた國體思想

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  • 展転社
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784886564306

感想・レビュー・書評

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  • いやー、難しい。
    儒教と神道との融合は、神道の知識がないとなかなか頭に入ってこない。とは言え、日本的儒教が生じたまさにその合流点がこの本には書いてあり、またこれを理解することこそが、同じ儒教に立脚しつつ、大陸半島と、日本とでこれほど違う民族を生んだのかということの理解につながる。それこそが日本人のアイデンティティだ。
    2018/6/30追記
    ようやく読了。
    わずか260ページほどの本ですが、密度が高く、冗長性が低いので、一行一行を見落とせない。結果、一ヶ月ほどもかかった感じです。直接的には、江戸期の日本的儒教の解釈と実践が、今の日本人の生き様、礼儀礼節、社会の安定、そういったものすべての根源にあるわけで、だからこそ同じ儒教を根幹としながら、中韓と日本とでは全く異なる人々と歴史というものがある。おそらく孔子が夢見た徳による治世というのは、日本で花開き、そして実現された。それは江戸の末期に日本を訪れたオルコックやハリス、アリス・ベーコンその他多くの外国人がさまざまな手記に残している通りですが、さらに日本人が何を理想とし、何を信じて、社会を発展させようとしてきたのか、という事が、この本を読むとよくわかります。前述した儒教の解釈論とその日々の実践が大陸半島とは全く異なるわけですが、ではそれはなんだったのかと言えば、その最たるものが山崎闇斎に始まる崎門学派とその影響を受けた水戸学にあったというわけです。儒教と神道に加え、仏教なども全てその中に融合されて、「日本的儒教」というものが生まれた。
    お急ぎの方は、巻末の「いま何故、崎門学派なのか」を読めばこの本のサマリーになってるので全体を手早く掴めます。
    改めて中朝事実や日本外史、靖献遺言を読みたいと思います。「闇斎先生と日本精神」も、少々高かったですが古本を買いました。
    大変にオススメな本です。

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