作文の教育: 〈教養教育〉批判 (シリーズ「大学の授業実践」 1)

著者 :
  • 東信堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887139664

作品紹介・あらすじ

読み書きの学力を育てない教養教育は「丸い三角」のような矛盾概念であり、有害無益である。読み書きの学力はコミュニケーションの目的・相手の有る「作文」の教育でこそ育つ。「専門教育」はそのための最適な場である。読み書きの学力を同時に育てつつ行われる専門教育こそが、そのまま教養教育である。そのためには専門教育の内容・方法を変革せねばならない。「講義」という旧い間違った教育方法をやめよう。最も具体的な大学授業実践報告。

感想・レビュー・書評

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  • 千葉大学教育学部で33年間教鞭をとったほか、いろいろな大学で非常勤講師などもされてきた、超ベテランの大学の先生が執筆した「大学の授業の実践例」を示した本です。
    しかも、コレが、シリーズ第一弾!
    宇佐美先生が声をかけた現場の先生方が、今後ひとり一冊ずつ執筆いていってくださるとのこと。わくわくしますね!宇佐美先生、素敵な企画をありがとうございます!

    このシリーズの趣旨は、以下のようです。

    本文より抜粋-----------

    一、自分が教えている学生の実態はどのようなものであると見たのか。特に学力はどのような状態であると見たのか。

    二、どのような学力の状態を望ましい目標であると見なしたのか、つまり、学生の学力をどのような状態にまで変えたかったのか。

    三、右の目標のために、どんな内容・方法で授業をしたのか。

    四、その結果、学力の状態はどう変わったのか。

    (本文p.138より)
    -----------------------ここまで

    理論や理想論、実態調査は見たことがあるのですが、現場の先生が行っている実際の授業を示して大学の授業を考える…という本は、(わたしの勉強不足か情報力不足なのか)お目にかかったことがなく、とても斬新なシリーズになるのでは!と、わくわくしております。

    シリーズ第一弾のこちらでも、「<教養教育>批判」、「講義をやめよう」といった、先生独自(?)の主張が、他と違った強烈な個性を放っていて、こんなにも書き手の顔が見える本もひさしぶりだーと、大学で宇佐美先生の授業を受けているような気持ちで読みました。

    2010年3月初版ではじまったこのシリーズ。
    ぜひとも、長く続いて、いろんな先生の「授業の実践」を知りたいなぁと思います。

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著者プロフィール

1934年神奈川県横須賀市生まれ。東京教育大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科博士課程修了、教育学博士。東京教育大学助手、千葉大学講師、同助教授、教授(1993-97年教育学部長、1998-2000年東京学芸大学教授併任)。1961~62年米国、州立ミネソタ大学大学院留学(教育史・教育哲学専攻)。現在千葉大学名誉教授。九州大学、山梨大学、岩手大学、山形大学、秋田大学、茨城大学、上智大学、立教大学、早稲田大学等の非常勤講師(客員教授)を務めた。
著書に『私の作文教育』『教師の文章』『国語教育を救え』(以上、さくら社)、『宇佐美寛・問題意識集(1~15)』(以上、明治図書)、『論理的思考』(メヂカルフレンド社)、『大学の授業』(東信堂)等多数。

「2019年 『教育と授業 宇佐美寛・野口芳宏往復討論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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