- Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887161696
感想・レビュー・書評
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89種のひっつきむしが紹介されている。草の全体と実の写真が載っている。こんなにあるなんて驚きだ。ずっと見ていくと、ああこれ知ってる、これも見たことがある、と意外と実物を見たものが多い。子どもたちを連れて野原を歩き回っていたものなあ。結構、服とか靴に付いてくるのだ。ひっつきむしのタイプには、「堅いフック型」「柔らかいフック型」「逆さトゲ型」「イカリ状のトゲ型」「ヘアピン型」「粘液型」の6つがある。ヌスビトハギのひっつきむしのことを、子どもたちはバカて言っていたなあ。おまけで、ひっつきむしの日本全国の呼称も載っている。世界のひっつきむしというコーナーもあって、ライオンゴロシというのが凄い。口にこの実が刺さって取れなくなり餓死したライオンがいたとか。
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「果実やそれに連なる部分に付着するための構造を特に発達させている植物」
という定義のもと、色々な種類の「ひっつきむし」を詳しく紹介しています。
私が子どもの頃認識していたひっつきむしは、センダングサ、ヤエムグラ、
オナモミ(表紙写真右のとげとげのもの)、イノコヅチくらいでしたが、
この本を読んでみると、実にさまざまな「ひっつきむし」があるのがわかります。
うちの庭にも生えているミズヒキも、実の拡大写真をみると確かに
「ひっつきむし」にあてはまる条件を備えていますね。
ミズヒキの実にこんな小さなフックみたいなものが付いてるなんて、
全然気づきませんでした。
ところでこの本では「ひっつきむし」と言ってますが、私が子どもの頃は
「どろぼうぐさ」と呼んでいました。(埼玉北部)
そんな地方別の呼び方の違いや、「世界のひっつきむし」として
大きさ約8センチもの「ライオン殺し」とか「悪魔のつめ」と呼ばれるものの紹介、
また、ひっつきむしの発芽の様子など、多方面から「ひっつきむし」について
教えてくれます。
種子を運んでもらうための植物の知恵ってすごいなあ、と感嘆してしまう本です。