亀倉雄策 YUSAKUKAMEKURA 1915-1997 ggg Books 別冊4(スリージーブックス別冊4)
- DNPグラフィックデザイン・アーカイブ (2006年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784887523517
作品紹介・あらすじ
日本グラフィックデサイン界の巨人・亀倉雄策の歩みを33篇の自伝的エッセイとデザイン論でたどる。
感想・レビュー・書評
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http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784887523517詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
作品の良し悪しや仕事の流儀はさておき、なにかひとつの職業を立ち上げて定着させるというのは、一代がかりの大仕事なのだなぁ、と頭が下がる。
ただし晩年は、大御所を正面切って批判する勢力もなかったようで、すこしお山の大将感が否めない。常に若く、っていうのは結局わがままでしかないと思う。 -
東京オリンピックポスター、大阪万博ポスター、明治のチョコレートパッケージデザイン、NTTロゴデザインでお馴染み日本デザイン界の太陽、亀倉雄策の文章を集めたエッセイ集。エッセイとか講演とかあります。
日本でのデザインを、図案家って呼ばれていた時代からずって引っ張ってきた人なので、日本デザイン史としても非常に興味深いことだらけです。
やっぱりモダニズムデザインの衝撃ってのはでかかったんだな、とか、全共闘っていま考えると馬鹿の逆恨みだな、そのせいで世の中のモダニズムは崩れに崩れたんだな、とか。
特に国際タイポグラフィックデザイン・ゼミナールでの講演、『伝統について』が、背筋を伸ばさずにはいられない内容でした。日本でものづくりに携わる人は、この文章を必ず自らの指標の根底に携えるべきである、とすら言いたくなりますよ。 -
亀倉雄策が何もないところから商業美術を生み、このために今を生きる無数のデザイナーはご飯を食べることができている。
亀倉雄策はデザインという概念を日本に持ち込むだけではなく、オリンピックポスターをはじめとした素晴らしい作品を世に送り出している。更に学問的にではなく、観念的に日本の美的感覚と西欧化の関係を論じている。これは変遷を生きたから考えることを避けられなかったのだと思う。
この人が全部一代でやってしまった。デザインという畑はもう耕されている。そこに苗を植えて育てることは難しくないし褒められたことでもない。自分がご飯を食べられるだけだ。
僕らは思想的に新しい何かを生まないといけない。