なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784887595095

感想・レビュー・書評

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  • P86
    クレームゼロ運動を行なっていないか?
    これをやるとクレーム隠しが必ず出る。クレーム処理ではなく、クレーム対応という考え方で。
    対応の仕方ひとつで顧客の信頼を得ることも。

  • 前に読んだ時は普通だと思ったが、今回は読みやすくて知見もそれなりに得た。

  • 55個の常識と思われていることを著者が解説(常識ではなく、誤解なんだよと指摘)している本です。
    どちらかといえば、サラリーマンでリーダーをやっている人や自営業をされている方向けの本です。
    ちょっと最近マンネリかも?と思っている人は自分の振り返りを兼ねて読んでみるといいかもしれません。

  • 経営のエッセンスを一つ4ページ程度×55にまとめたエッセンス。
    表題に関して言えば、オンリーワンは競合他社がいない所に逃げている。顧客から見て、他社より良いものを差別化して作るナンバーワンからの逃げだ、と言うもの。

    ―「管理」こそが経営であると思っていないか?
    経営は独立した仕事である。私は経営とは、
    ①企業の方向付け
    ②資源の最適配分
    ③人を動かす
    の三つだと思っている。
    以前経営コンサルタントの一倉定氏は「ダメな会社は、社長が部長の仕事をし、部長は課長の仕事をし、課長は係長の仕事をし、係長は平社員の仕事をしている。それで平社員はというと会社の将来を憂いている。」とおっしゃっていた。特に大事なのが、何をして何をしないかを決める、方向付け、戦略の決定である。

    ―「目的」と「目標」を混同していないか?
    例えば、人生の目的の一つが、「家族を幸せにする」であれば、「今年は家族を温泉に連れて行く」というのは目標だ。だから、「東証一部上場」や「売上高100億円達成」は目的ではなく、単なる目標なのだ。以前倒産直前の企業で研修を行い、「強い会社とはどんな会社だと思うか」と聞いたとき、「社長のセルシオのために働いていると思うと、アホらしくて働けない。」と言った若い従業員の言葉を、私は一生忘れないだろう。人は通常であれば給料についてくるが、しんどいときにはビジョンや志についてくる。

    ―ESを高めるほどCSは高まると思っていないか?
    従業員第一などと言っている会社に限って給料が低い。ESが高まればCSも高まるのであれば、日本の公務員はCSが高くなるべきではないか。CSを高めて業績を上げて高い給与を払うのが良い会社だ。

    ―積極的に「新規事業」に乗り出すのが、やり手の経営者だと思っていないか?
    ピーター・ドラッガーは企業がやるべきこととして、
    ①既存事業の業績向上
    ②機会の追及
    ③新規事業
    の順に上げている。②は既存事業の周辺分野や周辺地域に進出する事を言う。既存事業でうまくいっていない会社が新しい事で成功する確率が低いのは当然だろう。挑戦する時の鉄則は「小さなリスクは恐れるな、大きなリスクは取るな。」である。普段小さなリスクを取っていないから、大きなリスクを取らなければならなくなる。企業は、「社運など簡単に賭けてはいけない。」長い間環境の変化に対応しないでいるから、社運を賭けなければいけなくなる。

    ―拡大しようとするときには、同時に「小さくなる能力」も確保しておくべきである。

    ―一番大きな会社が強いと思っていないか?
    日本で一番大きな山は、富士山。湖は琵琶湖。二番目はそれぞれ霞ヶ浦とアルプスの北岳だが、大抵の人は知らない。
    では、「日本で一番の百貨店は?」と聞いたらどうなるか。色々な所で聞いてみた。関西の人は高島屋だと言うし、東京の年配の人は日本橋の三越、若い人は伊勢丹、名古屋ではJR高島屋だと言う。友人の芸術家に聞くと、銀座の松屋がディスプレーが一番きれいだそうだ。
    顧客が一番を決める時は、主観で選ぶ。客観的一番を主観的一番に変える工夫を怠ってはいけない。

    ―顧客が多いと個別対応は無理と思っていないか?
    お客様を十把一絡げに扱っていて、「一生のお客様」になったり、「この会社が一番」と言ってもらえるようになる事はまずない。

    ―初任のリーダーが犯す大きな間違いの一つが、和気あいあいのチームにしようとすること。和気あいあいを優先すると、最も実力の無い人に組織のペースを合わせざるを得なくなる。他のメンバーの顔色を見るので、意見が出ず内向き志向になる。正しい社風は切磋琢磨である。

    ―ROE(資本利益率)は大切だが、経営上最も大切な比率はROA(資産利益率)である。
    資産100=負債50+資本50の会社が10の利益を出したとすると、ROA=10%、ROE=20%となる。
    しかし、同じ利益で負債90+資本10にすると、ROAは同じ10%だが、ROEは100%になる。
    負債額が上がると上昇する比率という事は、ROEはROAに財務レバレッジを掛けた値という事。自己資本比率で計れる安定性は崩れる。更に、ROAを重視するという事は、資金の調達源として負債と資本の両方に責任を持つ自覚があるという事になる。

    ―「売上高-経費=利益」と考えていないか?
    自社の規模から見て適正な利益の水準がある。ドライバーで普通の男性では300ヤード以上飛ばないだろうが、150ヤード以下でも良いという事にはならない。資産を賄うためには負債や資本が必要だが、どちらにも調達コストがかかる。それよりもROAが高い事が必要。営業利益(金利を払う前の利益)ベースでROA「5%」が合格ラインだと考えている。

    ―ビジネスのコツは「投資拡大」より「増し分」(固定費を増やさずに変動費だけ増加させる事)で儲ける事である。お金に頼ると知恵が出なくなる。

    ―「優しさ」と「甘さ」は違う。優しさの裏面は厳しさであり、甘さの裏面は冷酷である。厳しい事を言う勇気は信念から生まれる。

    ―リーダーがものごとを判断する基準は「For the company」だ。my selfは勿論、自部門のため、もリーダーの視点としては失格。部下がやっても許せるか、が判断の基準。

    ―よいリーダーには「自己犠牲」が必要だと思っていないか?
    リーダーは「後でたくさんもらおう」と思えばよいと思う。リーダーは「今より未来」「表面より本質」「自分より他人」「順境より逆境」を優先して考えるべきである。

  • 目標よりもビジョン!に納得感のある本だった。
    これを読むと、会社の見方だとか、社会の見方、
    これからのキャリアの積み方みたいなのがぼんやりと見えてくる。

    ひとまず、経済を積み重ねば、と思ったのでした。

  • 一般的に正しいと言われている事を、自分の経験から違うと言い切っている。読みやすく、はっと思わせる部分が多い。共感出来ます。

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著者プロフィール

経営コンサルタント/株式会社小宮コンサルタンツ代表

「2022年 『経営が必ずうまくいく考え方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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