統一教会の闇 アベ政治の闇 まだ止められる大阪カジノ

著者 :
  • 日本機関紙出版センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784889002782

作品紹介・あらすじ

衝撃的事件をきっかけに、この国の政治が国民の見えないところで長期間にわたって反社会的組織=統一教会に汚染されてきたことが浮かび上がってきた。その謎を解き明かし特に深く関わってきたアベ政治の闇を暴く。また焦点となっている大阪カジノと維新政治のウソを新たな資料をもとに告発する。本書がまっとうな政治をめざす世論形成の一助になれば幸いである。

感想・レビュー・書評

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  • 西谷文和さんは、YouTubeでも聞ける「路上のラジオ」という番組を主宰している。
    本書はこの番組からの抜粋なので内容を知るために少し聞いてみた。
    大手のメディアでは放送NGな内容の意見を忖度なしに発信している。

    主に、自民と維新の問題を公にする内容なので、討論者も反自民・反維新の論客が多い。
    その他には、TVメディアが報じられないスポンサー企業の裏事情なども聞ける。

    時折り権力者を小ばかにして喜ぶ無駄口が耳障りで共感度が下がるが、忖度もタブーもない意見は重要な情報源だ。

    本書は、政治や経済活動の問題事案を非難し合う内容で、擁護側の反論意見は出てこない。

    本書に登場した論客について感じたことを書く。

    ・鈴木エイト
    反カルト教団の立場で、発言内容は証拠に基づいている。
    たまに憶測も入るが、事実の積み重ねからの発言なので、ほぼ真実なのだろうと感じる。
    具体的に名前が挙がってくる政治家については、動かぬ証拠を持っているのだろう。
    統一教会とのかかわりが深い政治家トップ5は、安倍、細田、菅、萩生田、下村のようだ。
    自民党に限らず政治家と統一教会の関係に詳しい。

    ・佐藤章
    推測や都合のいい解釈が多いように感じるが、知らなかった事柄がいろいろ聞けた。
    取材から得た情報を基に話をされているので、偽情報ではないと信じて聞くしかない。
    東京五輪の問題は電通を中心に経済界から逮捕者が出ているが、菅や森も随分と隠蔽工作に関わっている。
    安倍昭恵は元電通社員で、上司の紹介で安倍晋三と結婚した。
    電通と政府のあいだには濃密な人間関係がある。
    国立競技場は派手な設計のスタジアムを計画して結果つぶれたが、この時の神宮前の再開発の利権問題は今だにくすぶっている。
    竹中平蔵の逃げ足は速く、検察の捜査の動きを察知してオリックスもパソナもサッとやめた。

    ・内田樹
    思想家という肩書だが考察に鋭さがない。
    既に私でも知っていたり、考えていること以外の新しい視点はなかった。
    モリ・カケ・桜・統一教会というお友達優遇政治の悪夢。
    アベノミクスで札を刷り国債を大量に買ったので利上げができず、その原因もあって円安が続き物価高に。
    コロナ対策では一斉に学校を休校にさせ、給食当番みたいなマスクを2枚配り、星野源の音楽をバックに家でワンコ抱いてる動画を流す。
    日本国民の不安を吹き飛ばすために、いろいろとやってくれました。
    と、単に振り返るのではなく、思想家ならそういう行動に出た理由を論じて欲しい。

    ・佐高信
    この人の考えはよく分からない。
    評価基準はその人が好きか嫌いかで実績の善し悪しも決めつけているみたい。
    自民党と統一教会は一体。安倍は軽いので統一教会にとって扱いやすい政治家でうまく担がれた。
    統一教会と世襲を禁じたら自民党議員はほとんどいなくなる。
    外交に長けて海外からも高い評価と信頼を得ていたはずの安倍さんだが、国葬には各国の要人は全然来なかった。
    好き勝手なことを言って、自分以外はみんなパーだと言って、自己満足しているだけにしか見えない。

    ・前川喜平
    官僚として政治家と密に接する仕事をしていたので内情に詳しい。
    現在は誰かに媚びる必要のない立ち位置におり、正直に事実を語っていると感じる。
    森友学園の学校誘致の問題に橋下徹と松井一郎が大きく絡んでいたことは初耳だった。
    正直に事実を話すので、ばらされた政治家から必要以上に攻撃を受けるのだろう。
    古賀茂明さんと似たような政治家との対立関係があるので、発言内容についてはその点を考慮する必要がある。

    ・西谷文和(著者)
    嫌いな連中を叩くことが信条のようなので、この人の意見を素直に受け入れることはないと思う。
    私はカジノには反対なので、なぜ維新がカジノ誘致にこだわるのかも知りたくてこの本を読んでみた。
    カジノに限らず、大阪の問題を知るには、維新が嫌いな西谷文和さんが掴んでいる情報は有用だ。

    安倍、菅、松井が主役から退き、電通の裏金工作が暴かれつつある今、カジノ・大阪万博の利権にも捜査が入っている。
    4月の統一地方選挙で維新が大勝したので、世論はIR・カジノに賛成したと理由付けて大阪府は認可を出した。
    西谷文和氏の希望とは逆に、万博と併せカジノを含む統合型リゾート施設の建設がどんどん進められる。
    計画通りに行かない場合の負担は大阪府(と国)が行う契約になっているらしいので、その時は主に大阪府の税金が投入される。
    維新が万博とIRに注力するのは、経済政策の柱がこれしかないからという意見がよく聞かれる。

    今、大阪は万博の準備が進まず苦労しているというニュースが流れている。
    建築業界の人員不足を言い訳にしているようだが、解決案は「労働時間制限を無くして突貫工事で何とかする」といった根性論。
    これでは、手抜きと裏金と規制破りの温床になるので、この安易な案は却下されようとしている。

    埋立地の軟弱土壌対策も不十分だから、後々地盤沈下とか液状化の懸念が払拭されないまま建設が進むのだろう。
    私は万博もカジノも興味がなく世間も関心が薄いようなので、どちらも失敗する予感がするのですが、、、
    強力に推し進めようとしている維新(吉村知事)は大阪府をどうしたいのでしょう。

  • いろんな恐ろしい事実が分かりました。

  • 編者のことは知らなかったんだけど、対談相手それぞれが、概ね自分がチェックしている方々だったこともあり、そして話題が統一教会とくれば、これは読むしかないかな、と。先だって読んだNHK新書と、根っこの部分は共通しているし、この機会に然るべきカルト対応を、間違いなく構築する必要がある。加えて後半では、維新のきな臭さ、カジノの問題点にも切り込まれていて、読み応えのある一冊でした。

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著者プロフィール

西谷 文和(にしたに ふみかず)
1960年京都市生まれ。大阪市立大学経済学部卒業後、吹田市役所勤務を経て、現在フリージャーナリスト、イラクの子どもを救う会代表。
2006年度「平和・協同ジャーナリスト大賞」受賞。テレビ朝日「報道ステーション」、関西テレビ「newsランナー」、ラジオ関西「ばんばひろふみ!ラジオDE しょー!」、日本テレビ「news every.」などで戦争の悲惨さを伝えている。
西谷文和「路上のラジオ」を主宰。
主著に『打倒維新へ。あきらめへん大阪!』(せせらぎ出版、2023年)、『聞くだけの総理 言うだけの知事』(日本機関紙出版センター、2022年)、『ウクライナとアフガニスタン』(同、2022年)、『自公の罪 維新の毒』(同、2021年)、『ポンコツ総理スガーリンの正体』(同、2021年)、『安倍、菅、維新。8年間のウソを暴く』(同、2020年)、『西谷流地球の歩き方 上・下』(かもがわ出版、2019年・20年)、『戦争はウソから始まる』(日本機関紙出版センター、2018年)、『「テロとの闘い」を疑え』(かもがわ出版、2017年)、『後藤さんを救えなかったか』(第三書館、2015年)など。

「2023年 『万博崩壊 どこが「身を切る改革」か!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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