地図を旅する永遠の都ローマ物語

  • 西村書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890136339

作品紹介・あらすじ

パノラマ地図で歴史と文化の宝庫を完全再現。リアルな古代ローマ。

感想・レビュー・書評

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  • 地図の細かさが常軌を逸している。
    著者は5000時間かけて本書を完成したという!

    本書はローマの属州である街のひとつヘラクレイア出身のフラウィウスという青年の目線で、古代ローマ観光が楽しめる。

    「7つの丘」といえばローマを指すとおり、「アウェンティヌス丘」「カピトリヌス丘」「パラティヌス丘」「クイリナリス丘」「ウィミナリス丘」「エスクイリヌス丘」「カエリウス丘」すべての俯瞰図が詳細な手描きの地図で描かれている。写真も満載。

    それにしても、誰かの目線になって古代ローマを楽しむ、という設定の本のなんと多いこと!

    17世紀くらいに始まった貴族子弟たちの「グランドツアー」の伝統が透かし見える。

    もちろん人気の目的地はイタリア(またはフランス)。それが19世紀のブルジョワ階級の子弟の教育の一環として引き継がれ、やがて、「トーマス・クック」の団体旅行へつながっていく。

    本書を読みながら、古代ローマ(そして古代ギリシアも)の文化がいかにヨーロッパで教養の土台として重要視されているかがだんだん実感としてわかってきた。
    そりゃあ、ある種の言い回しをラテン語で言う/書く人が出てきても仕方がない。
    それに、キリスト教が国教化されるに及んで広範囲に広まっていったのもこの頃だし。ローマ帝国の歴史抜きにはヨーロッパは語れないだろう。

    おまけに、古代ギリシア・ローマ・リヴァイバルであるルネサンス文化の遺産もあり、イタリアの各地にはふかふかの腐葉土が降り積もっている。

  • フランスの挿絵画家ジル・シャルタン氏が、古代ローマ帝国の研究に40年の歳月をかけて完成させた、ローマ歴(西暦314年)の永遠の都ローマの細密鳥瞰図は、目を見張る素晴らしさに引き寄せられて、雄大なローマの街並みを散策する自分に気付かされる。カエサルの亡骸を火葬した場所に皇帝アウグストゥスが建てた「カエサルの神殿」、アグリッパ建立による「パンテオン」、ハドリアヌス帝の霊廟(サンタンジェロ城)、貧民街界隈のインスラ(集合住宅)などなど、得も言われぬ壮大さと時空を超えた地図の旅に酔いしれた。

  • 古代ローマ帝国の鳥瞰図を描き起こすという、とてつもない労作。ひとりの旅人が、ローマ帝国を訪れるという設定の物語仕立てになっている。正直言って、物語はそれほどおもしろくない。これは、麻野の知識が少ないせいも多大にある。しかし、この絵はすごい。見ていてすぐにあきるが、労力に対して、金を払うのは決して高いとは思わない。イラスト5000時間、彩色3000時間の総制作時間8000時間。ローマ帝国好きなら持っておきたい一冊。""

  • (要チラ見!) 古代ローマ

  •  2009年5月22日購入

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