秘密戦争の司令官オバマ

著者 :
  • 並木書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784890633029

作品紹介・あらすじ

バラク・オバマが大統領に就任した時、「戦争のない世界を実現しようとする理想の指導者なのではないか」と多くの人が淡い期待を抱いた。だがオバマはブッシュ政権時代の政策を引き継ぎ、さらに拡大、発展させた。無人機を使った暗殺作戦、特殊部隊を使った対テロ作戦、そしてサイバー攻撃など、秘密の戦争をエスカレートさせたのである。ノーベル平和賞を受賞した黒人初の大統領は、いかにして米国史上もっとも過激な「秘密戦争の司令官」に変わっていったのか?オバマ政権の軍事戦略や秘密諜報活動を詳細に追いながら、オバマの戦争の実像を描く。

感想・レビュー・書評

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  • ふ~む、国際情勢の真実を垣間見ることができる一冊。
    大変興味深いのだけれど、内容がなかなか難しくてだいぶ
    手間取っちゃいました。

    アメリカは何を考えているのだろう?
    今後どうするのだろう?
    アフガニスタンはどうなるのだろう?
    パキスタンはどうなるのだろう?

    いろいろなことが不安になり心配になる一冊です。

    今後注意深く世界のニュースに耳を澄ませていきたい。

  • ブッシュが踏み込んだイラク戦争に対して、「あれは間違った戦争だった。アフガン戦争にだけ注力していればよかったのに」というキャンペーンで大統領になったオバマ。
    戦費も削る、兵士も危険にさらさない。
    なんて言いつつ、周囲の圧力もあり、テロとの戦いも謳い、アフガンに出兵。
    タリバンを殲滅、は無理なので。
    タリバンの力をアフガン政府でも対応可能な程度に減退させることを目標とする。

    掃討(クリア)→堅守(ホールド)→建設(ビルド)→転移(トランジッション)
    の工程で、アフガン政府に安全になった国を維持させようとしたらば。

    賄賂などの汚職にまみれたアフガン政府は国民に人気がない。各国からの援助は偉い人に流れてしまう始末。
    それよりはタリバンの方が国民に人気がある。
    アフガン政府に汚職から立ち直れといってもまったく言うこと聞かず、険悪になる。
    慌ててなだめる。

    なんてことをくり返し。
    アメリカ国民の犠牲を減らすために、無人攻撃機による攻撃をくり返し。民間人を巻き添えにし。
    (3000人くらい殺したそうだが、そのうちどれだけが民間人か……)

    アフガンのタリバンが減らないのはパキスタンが奴らを援護しているからだ、と、パキスタンにも攻撃。
    到底、ホールドも出来ないけれど、最初っから撤退期限を決めていたので、クリア→トランジッションという、段階すっ飛ばしになることを余儀なくされ。
    結局アメリカは、アフガンに混沌を起こしただけという……

    シリアも、アラブの春だのなんだので兵器が流れたり、アメリカ軍が訓練した兵士がタリバンになって強力になってしまったりで。
    どんどん情勢が悪化していく。
    そしてアメリカの戦費も、どんどん増加。人間が行っている人数はいくらか減っただけで、CIAは情報戦だけではなく実際に無人攻撃機関連で組織の10%もの人数を使うようになったり(2000人とか)、表に見えないだけで、裏では戦争への注力。

    現地の人の言葉や、アメリカの優秀なインテリジェンス、けれど自分たちのことしか考えない行動など。
    アメリカはビン・ラディンを暗殺したことや、無人攻撃機によって、パキスタンとの関係を悪化させたけれど、ここに中国が絡んで、現地での株をあげている。この中国のしたたかさには、本当に恐ろしいものがある。

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著者プロフィール

菅原 出(すがわら・いずる)
国際政治アナリスト・危機管理コンサルタント
1969年生まれ、東京都出身。中央大学法学部政治学科卒業後、オランダ・アムステルダム大学に留学、国際関係学修士課程卒。東京財団リサーチフェロー、英危機管理会社役員などを経て現職。合同会社グローバルリスク・アドバイザリー代表、NPO法人「海外安全・危機管理の会(OSCMA)」代表理事も務める。著書に『外注される戦争』(草思社)、『戦争詐欺師』(講談社)、『秘密戦争の司令官オバマ』(並木書房)、『「イスラム国」と「恐怖の輸出」』(講談社現代新書)などがある。

「2020年 『米国とイランはなぜ戦うのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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