アクアリウムの夜 (ロサ・ミスティカ叢書)

著者 :
  • 水声社
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784891762353

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  • この書物に葬られたあなたの亡霊は暗号化した文字列を解読されないように絶えず投身自殺させている。自分は気の触れた生命維持装置だなんてそんな悲しいことを言わないでほしい。あなたは何に対して恐怖を感じるのか。嘘を吐かれること。奇妙な目に遭うこと。それから、自分の見ているもの、聞いている音が他人に理解されないこと。カメラ・オブスキュラの目、ホワイト・ノイズを拾う耳。青春が終わってから気づく青春は終わってくれない。ロマンスもまた同じく。
    いまもあのときの春の陽射しの下にいながら、水槽から手を出して暗夜を漕いでいる。

    「亡霊に〈信じる〉という動詞は有効か?」
    「〈live〉は〈evil〉なのか?」

  • [ 内容 ]
    古い城下町の野外劇場で行われる奇妙な「カメラ・オブスキュラ」、こっくりさんの不気味な予言、そして高校の文化祭での血塗られた惨劇…。
    邪教「白神教」の影の価に、「ぼく」と良子は謎めいた老人の《チベット紀行》に導かれて、水族館の地下へと…。
    恐るべき《闇の力》に翻弄される若者たちの運命を気鋭の幻想文学研究家が、渾身の力をこめて書き下ろした衝撃の青春サイキック・ノベル。

    [ 目次 ]


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著者プロフィール

1954年大阪府生まれ。本名、横山茂雄。京都大学卒、博士(文学)。英文学者、作家、奈良女子大学教授。横山名義の著書に『聖別された肉体—オカルト人種論とナチズム』(書肆風の薔薇)、『異形のテクスト—英国 ロマンティック・ノヴェルの系譜』(国書刊行会)、 訳書にマーヴィン・ピーク『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』、ヒレア・ベロック『子供のための教訓詩集』(共に国書刊行会)、 編著に『遠野物語の周辺』(国書刊行会)、『危ない食卓— 十九世紀イギリス文学にみる食と毒』(新人物往来社)など。『日影丈吉全集』(国書刊行会)の編集、全巻解説も手がける。稲生名義の著書に『アクアリウムの夜』(書肆風の薔薇、のちに角川スニーカー文庫)、『アムネジア』(角川書店)がある。近刊に『映画の生体解剖』(高橋洋と共著、洋泉社)。

「2013年 『定本 何かが空を飛んでいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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