へいわとせんそう

  • ブロンズ新社
4.25
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784893096579

作品紹介・あらすじ

くらべてみると、みえてくる。「へいわのボク」と「せんそうのボク」では、なにが変わるのだろう。同じ人や物や場所を見開きごとにくらべると、平和と戦争のちがいがみえてくる。これまでになかった平和絵本!

感想・レビュー・書評

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  • 平和な日常を左ページ、戦争時を右ぺージに乗せた絵本。右ページの異様さは目立つよなあ。確かに訴える力はある。

  • 2019年初版。決して刺激的な写真や絵を使わず、教訓的な文章も使わず。それでも、戦争の愚かさと平和の大切さを教えてくれます。モノトーンのわかりやすい絵と文章というよりも単語に近い言葉。私は山間の全校生徒60名弱の小学校で支援員の仕事をしています。昨今のウクライナとロシアの戦闘を子供から聞かれることがあります。子供たちに的確に伝えることができません。戦死した身内のことを父から聞いた通りを話しても子供たちには伝わりません。この本は、刺激的な動画や写真・拙い言葉や話では伝わらないものを伝えることができるのではないでしょうか。短い絵本です。何度も読み返しています。

  • 見開きで、左側がへいわ、右側がせんそうの絵が描いてある白黒の絵本です。

    へいわのボクは立っていて、せんそうのボクはひざをかかえて座っています。

    へいわのワタシはべんきょうをしていて、せんそうのわたしはなにもしないで、うつむいています。

    へいわのチチはボクと遊んでいて、せんそうのチチは一人で銃をかまえています。

    へいわのハハはボクに絵本を読んでいて、せんそうのハハはボクを守ろうとしています。

    へいわのかぞくは食卓をかこみ、せんそうのかぞくは食卓には人がいなくて散乱しています。

    へいわのぎょうれつは保育士さんが子供たちと手をつなぎ、せんそうのぎょうれつは兵隊さんです。

    へいわのきは実がたくさんみのり、せんそうのきは倒れて、実がおちています。

    へいわのうみはイルカが跳びはね、せんそうのうみは潜水艇が潜っています。

    へいわのまちはひとびとで賑わい、せんそうのまちははたてものも、ひとも倒れています。

    へいわのよるは家族が川の字で寝ていて、せんそうのよるはただの真っ黒いページです。

    へいわのくもはわたあめみたいで、せんそうのくもは原爆雲です。

    みかたのかおと、てきのかおはおんなじです。

    みかたのあさと、てきのあさは続いています。

    みかたのあかちゃんと、てきのあかちゃんもおんなじです。

    ひらがなとカタカナ、単純な白黒の絵だけの絵本ですが、意味をよく説明すれば、就学前の子供にも、せんそうの恐ろしさがわかるインパクトのある絵本だと思います。

  • 谷川俊太郎さんのことばとNoritakeさんのイラストが極端にシンプルで、だからこそストレートで、読み進めるにつれてパンチをくらったような衝撃。

  • シンプルなイラスト。「へいわとせんそう」
    「へいわとせんそう」と「てきとみかた」の対比。
    象徴的な状況をシンプルに提示している絵本。この絵本は自分で読む力がある、想像力のある子にはNoritakeさんのイラストとともに心に残る1冊だと思います。ただ、本が苦手な子には、大人から「これはどういうことかな?考えてみよう。」と想像への声掛けが必要なのかなと感じました。絵本は受けとめ方は人それぞれで、読んだ人の自由でいいけれど、もしテーマを強く伝えたいなら、互いに向き合う、意見を出す、そういう時間も必要かな、大事にしてもいいのでは?と思う絵本でした。

  • この絵本の見開きページの左には「へいわ」を、右のページには「せんそう」のボク、ワタシ、父、母、家族、道具、行列、樹、海、夜、雲・・・左右のページを比べて見ると「平和と戦争の違い」が、見えてくる・・・「味方の顔」と「敵の顔」、「味方の朝」と「敵の朝」、「味方の赤ちゃん」と「敵の赤ちゃん」・・・敵も味方も違わぬ、真の平和の姿に気づかされる<谷川俊太郎>作、<Noritake>絵による「平和と戦争」の大人の絵本。〝戦争が終わって、平和になるんじゃない。 平和な毎日に、戦争が侵入してくるんだ〟~ 谷川俊太郎

  • 地球上のすべての人たちが、平和に暮らせますように

    早く戦争が起きていない毎日が来ますように

  • へいわでもせんそうでも
    変わらないものを見せてくれる
    子供や赤ちゃんは なにも変わらないよね
    限りなくシンプルにでも 深いですよ
    まかり間違っても
    「相手が悪いんだからしょうがない 戦争だ」
    なんて思っちゃいかんのです

  • シンプルな絵とシンプルな文章。
    左ページに「へいわ」右ページに「せんそう」が描かれています。

    「へいわのボク」「せんそうのボク」
    へいわのボクは立ち上がって堂々としていますが、せんそうのボクは小さくなって座っています。

    「へいわのワタシ」「せんそうのワタシ」
    へいわのワタシは文具や書籍に囲まれて勉強をしていますが、せんそうのワタシは何もない机で困った顔をしています。

    たくさんの人が倒れている「せんそうのまち」

    ただただ真っ暗な「せんそうのよる」

    そして「くも」
    ここだけはイラストではなく、「せんそうのくも」として写真が使われています。
    とてもインパクトがあります。戦争が現実にあることなのだということを確認させられます。

    ここから構成が変わります。

    「みかたのかお」「てきのかお」
    みかたもてきもそっくり。

    「みかたのあさ」「てきのあさ」
    どちらも同じ太陽です。

    「みかたのあかちゃん」「てきのあかちゃん」
    おとなのかおよりももっともっとそっくり。ほとんど同じ。

    「てき」も「みかた」も同じ人間なのだということですね。

    戦争を経験した著者だからこそ、伝えたいものがあるのではないでしょうか。

    年長さんくらいから大人までおススメの戦争と平和の絵本です。

    ブログでも紹介しています。
    https://corosanblog.com/heiwatosensou/

  • すごい絵本を見た。
    どんな戦争の伝記の本や映像よりも少ない情報量なのに、得られるものの大きさがすごい。
    自然と涙が出ていた。
    生まれたときは争いなんて思考とは無縁だったみんな同じ人間が殺し合う戦争。当たり前がわからなくなる現実は本当に残酷すぎるし、あってはならないし、生産性も無い無意味なもの。

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