- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893503954
作品紹介・あらすじ
新世紀を迎えた現在-最先端科学、そして予想される未来科学のテクノロジーは、20世紀のSF文学によってすべて語り尽くされていると言っても過言ではない。本書は、SFという人類の文化的資産を再検証、それらに登場する科学技術をジャンル別に通観し、未来科学の展望を語るものである。併せて、実際の最先端科学がどこまでSFに追いついているのか、という疑問にも答える。SF(空想科学)と科学の境界線が曖昧な現在、誰もが待ち望んだ書である。
感想・レビュー・書評
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この本は、SF小説に出てくる未来の科学技術を紹介し、それに関連する現在の科学技術がどれくらいのレベルで未来の発展性がどれくらいあるのかについて書かれている。ありそうでなかった視点だ。
それを50項目にもわたるテーマが挙げられている。一例を挙げると、「軌道エレベータ」「エキゾチック・プロパルジョン」「人工冬眠」「脳移植」「動物の知性化」「究極のコンピュータ」「新伝送媒体」「量子ブラックホール」「気象制御」「反重力」など。
興味のある項目から、あるいは読んだことのあるSF作品からと、どこからでも読めるのがいい。SF文学ガイド+未来科学概論としても利用できる。全部読むと、なかなか読み応えのある一冊だ。SFファンは必読といってもいいぐらいの本だ。ハードSFを読む前の入門としてもよいだろう。
未来科学の本はいろいろ読んできたので、まとめとして役に立った。
最後の項目「人間原理の宇宙論」は久しく忘れていた概念だ。再度興味をもって調べてみたい。これについてのSFは、グレッグ・イーガン『宇宙消失』とグレッグ・ベア『ブラッド・ミュージック』が紹介されている。両方とも未読なので、いずれ読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
SFに出てきた科学技術を検証する本。
構成としては、例えば「軌道エレベータ」というお題に対して、
それを扱ったSFの紹介と、現実の技術や理論による説明と言った二部構成。
SFの紹介の方はけっこう詳しくあらすじが書いてあるので、知ったかぶりするのにも役立つ(笑)。
後半の技術説明も割とわかりやすい。
しかし、それゆえにちょっと浅いかも。
概論って謳ってるからいいのもしれんけど。
まー、俺みたいにブルーバックス一冊読むのが辛い人にはちょうどいいかな。
あと、ネタバレが少なくないから、読みたいと思ってる作品が出てきたら危ないかも。
SF者なら取り敢えず読んどけって感じ。