ファイアーエムブレム聖戦の系譜 シグルド編 1 (ファミ通ゲーム文庫 す 4-4)
- アスキー (1996年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784893666307
作品紹介・あらすじ
グラン歴757年、ユグドラル大陸中央の大国グランベルは、交易都市ダーナを侵略した東の蛮族イザーク討伐に乗り出した。シアルフィ家公子シグルドは、蛮族ヴェルダン国に奪われた、ユングヴィ家公女エーディンを救うため、自ら戦乱の渦の中へと飲み込まれていく…。苛酷な戦いの中、人を愛し、子を遺し、精一杯生きた親たちの生き様を描く。
感想・レビュー・書評
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ファイアーエムブレム聖戦の系譜・シグルド編のノベライズ。動乱の幕開けを、全ての淵源から仔細に描いていく。
先に後半のセリス編がノベライズされ、人気が出たゆえに出版が決まったのか事情はわからないが、前半のシグルド編が後から書かれるという異例の事態になっている。
今作は上下巻の分量があるだけに、物語の土台となる部分からしっかりと描かれているため、ゲームの冒頭部分が始まるのは第四章からになる。紋章の謎とつながる全ての始まり、ダーナ砦の奇跡、その後の歴史などが書かれており、さらに初見のときはさっぱりだった、序章に入る前のあの政情説明シーンがすごくよくわかるようになっている。ユングヴィが攻撃されるまでにどれだけのことがあったのか、どれだけの人の思惑が絡んでいるのか、深く事情を知ることができて非常に読みごたえがあった。
上巻ではヴェルダンの戦いまで。ゲームでのキャラクターのセリフがそのまま引用されているところもあれば、ゲーム内では描写されていなかっただろうシーンにも想像を広げていて、ノベライズとしての完成度は高いと思う。本巻では特に、アルヴィスとエーディンに肉付けがされていて、ゲームでは見えなかった彼らの思考や心理が書かれているのは小説ならでは。
発売当時から今に至るまで、多くの人が本ゲームの絵を描いてきたと思うけれども、特に本書の鈴木理華さんのイラストは聖戦の系譜にぴったりな雰囲気で素晴らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示