ジョルジュ・サンドからの手紙: スペイン・マヨルカ島、ショパンとの旅と生活

制作 : 持田明子 
  • 藤原書店
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本棚登録 : 24
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894340350

作品紹介・あらすじ

本書は、マヨルカ島でのショパンとの生活を『書簡集』の新資料によって、改めて位置づけようとした。これまで通俗的なエピソードとしてしか扱われなかったサンド-ショパン関係の実像と、サンドという一人の女の生き方を浮彫りにするために。

感想・レビュー・書評

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  • 有名なマヨルカ島への逃避行。
    サンドに対する見方が明らかに変わるだけでなく、
    ショパン様への見方も変わった気がする。
    これからも、ショパン様を弾いていくために
    購入し、手元に置きたい一冊。

  • ショパンとの恋についてグジマーワへの手紙が圧巻である。
    な、長いwwwww

    サンドの書簡集は全26巻だというが、
    こんなに手紙を書いていたら、それも納得である・・・。

    この本は、ショパンとの恋にまつわる書簡の抜粋を
    状況とともに書かれてる、特にマヨルカの部分に多く割かれてるので
    他の本と被るかも。

    しかし、翻訳の問題かもしれないけど、
    サンドって愛情深いけど、その分、押しつけがましいなぁ・・・(笑)

  • 翻弄の島で……


     映画『別れの曲』ラストで、サンドとショパンが旅立とうとしている、愛の王国であり夢の世界であり、ひたすら輝かしいシンボル、それがマヨルカ(マジョルカ)島☆
     実際はどうだったんだろう? 『サンド書簡集』をもとに編まれた本書は、サンドとショパンが暮らした島での日々を浮かび上がらせています。

     この二人の関係って、恋多き悪女作家が若きピアニストを翻弄したという構図だと思われがちだろうけど、サンドもショパン(の病状プラス性格)に相当ふりまわされたのではなかったかな?

     白い顔にほっそりした身体、肺を病んだ憂鬱そうな美青年の姿に、初めのサンドはめろめろ。そこから、恋人というよりは息子を溺愛するようなものへと、愛しかたを変化させていきます。
     ショパンは、自身の数々のウィークポイントをもサンドに愛させてしまった。年下で虚弱で、結構めんどくさいアーティスティックな彼氏を抱え、勝手のわからない田舎で暮らしを成り立たせようと骨を折ったサンドの心細さ★ ショパン坊やのために心を砕き、時間を割くせいで執筆業もはかどらない様子が伝わってきます。

    「男装の麗人」――雄々しく響くこのサンドの代名詞は、彼女を守る鎧だったのではないでしょうか。その濃やかな情愛の示しかたには、古風な女性らしささえ感じます。最愛のショパンに惜しみなく傾けた母性は、200年以上経った今お触れる者の胸を打ちます。

     なじみの社交界から遠く離れて、地の果てのような島(二人にとっては)で、運命に翻弄されたお二人。
     輝くような愛の喜びと同様に、美しくも素晴らしくもない感情をもシェアした仲だったんだな……と捉えてみてさらに、単なる夢の島ライフよりずっとマヨルカ島での日々に関心が増したのでした。

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