成功はどこからやってくるのか? ~「成功法則」の取扱説明書~

著者 :
  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894511811

感想・レビュー・書評

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  • 著者は「私はこの本で『本質に近いことを書く』という禁を犯している。」と書いている。禅の不立文字と近いものだろう。本当に誠実に、理解を得られにくいものを書いたのでは無いか。ノウハウではなく、考え方。成功するための方法は、資本主義社会では真似できる簡単なものとなった時点でその価値を失うから、本気で書こうとすれば分かりにくくならざるを得ない。著者はきっと、マーカス・バッキンガムの言う「強み」の内、着想と内省を持っている。それが著者の主張する価値に強く影響しているようで、万人が頷かない可能性も大いにあると思うし、これが真実だと主張するのも憚られる。でも、僕は、とても頷けた。自分の中で大事にしていた着想を連想させられる良い本だった。ましてそれについて考えさせる本なんてそうそう存在しないと思う。


    ・資本主義では得にくいものの価値は高まり、得やすいものの価値は下がる。「楽して儲かる」のが理想だと言うが、楽して儲かったものはすぐにその成果の価値が落ちる。楽をするのと効率的に努力するのは異なる。

    ・創発のスイッチが入る時まで淡々と努力を続ける。今のステージの壁は創発で無いと乗り越えられない。

    ・ひらめきを得るためにこそ努力はするべきなのに、このことを分かっていない人があまりにも多い。―エジソン

    ・悪い事が起こったら何でも自分が悪いと思う。お腹の赤ちゃんが妻のお腹の中で死んでしまったことや妻の交通事故を心底から自分のせいだと思えるようになるまでには、4年くらいかかったような気がします。そして、できるようになってみて分かるのは、これは単なる心のクセでしかないという事でした。
    極論すれば、私は、この心のクセさえつければ勝負ありと思っています。
    (十代で反抗期だった頃、何かを親のせいにするのは止めようと思い立った事を思い出した。親に自分と齟齬を生じる行動を取らないように説明、説得出来なければ自分が悪い、そこまで自分で責任を持とうと。これでほぼ、他の人に腹を立てる事は無くなった。ふと思い立った時のあの驚きは、今も覚えている。)

    ・運命はその人のうちにあり。―芥川龍之介

    ・二念を継がない。美味しそうな食べ物を見て、食べたいと思ったらそれは二念である。人は気になる現状を見るとすぐその解決策を考えてしまう。言い訳や解決策をすぐに考えてしまうのは見たくない現実にフタをするための私たちの心の弱さ。結果、現実を見たいように見るクセがついてしまう。

    ・ユリウス・カエサルが有史以来最大の政治家である理由は、彼が見たくない現実を見た唯一の政治家だからだ。―塩野七海

    ・「そろそろ動こうかと思う」
    「その’そろそろ’は義務感ではないですか?’~ねばならない’になっていないでしょうね」
    「実は、この間までそうだったんだよ。それで動けなかった。それが、変わってきたんだ。無性に、今の自分を超えたくなってきたんだ。」

    ・セルフイメージはとても大切。ただそこで資本主義の罠である「同質化」に陥るととても危険。コンセプトの真似は絶対してはいけない。特に、「時代を変えようなんて思ってはいけない」。世の中は変えるものでなく、変わるもの。人はその流れに乗っているだけで、自分と回りの小さな事しか変えられない。下手な世の中を変える系のセルフイメージを持った人のほとんどが火消し人生に突入するのを見てきた。無理にそれを言葉にする必要もない。「言葉になる前の言葉のようなもの」を大切にする。安直に「ことば」にすると、それは記号となり、実際の「ことば」に絡められて力を失う。紙に目標を書いておくという自己実現の方法があるが、それがナンセンスである理由もそこにある。自分の中から生まれた形になる前の欲求やイメージが行動に現れるべきだが、世の中は逆の事が多い。まず「自己実現本」がある。そこに「思考は現実化する」とか「好きなことをして儲けられる」とか書いてある。それを見てしまったあとで、じゃあ何を目標に書こうか、と思ってもそこに力や価値は無い。本として誰もが知っている内容に同質化しており、自分というユニークな、本質の力は残っていない。
    (草原にある湖に天空の城を逆さに落としてだだっ広い平野にした空間、がセルフイメージ。でも正確に言うと少し前に文章にした時点で言葉にするためにイメージと少しずれている。草原は、ただの広い空間だし、湖はどちらかと言うと海とか、人間が生存できない水の世界。天空の城も、空に届く浮かぶ建造物だけど、城というより、多くの人の生活圏を含む都市とかそういうものだろうか。そういう何か、まあ、僕にとっては明確に宗教なのだけれど、それを水に沈めて、草原というか外の空間からは見えない。だけど、自分は他の人が行けない水の上に立てる。そんな、イメージを持っている。)

    ・我々は’言葉’にて語り得るものを語り尽くしたとき、’言葉’にて語り得ないものを、知ることがあるだろう。―ヴィトゲンシュタイン

    ・私はある日、一日中「人とは何か」と考えていたことがあります。それで得た結論が、「人は自己完結しない生き物だ」という事です。私たち人間には系譜を意識する権利が与えられています。それに気づいた私は、今だけを見て生きることはできなくなってしまいました。
    (そう考えると、人類全体の意識のうねりを一つの何か価値と考える。太陽の膨張を生き延びれるかどうか分からないけれど。生命が無機から偶然に生まれ得るとすれば、自分のような意識もその中にまた生まれるかも知れない。それがまた相互に影響を与えていく。空間が果て無く広ければ、その向こうにまた生命が生まれているかも知れない。そこが無限に近ければ、またそこに自分も存在するだろう。果てを認識できない限り、それは自分には無限に近い。無限に広がっていれば、時間の隔たりと空間の隔たりは同じものである。だから僕は、自分というものを考える時、ルネ・デカルトの「我思う、故に我あり」という言葉が好きなのだ。彼の著作をまだ読んでいないし、彼はそこから神の存在を導いたと言うけれど。まあ無限に1を足しても無限になってしまうのだから、果てしない広がりに自分を足すのは、無限の扱い方として論理的では無いと数学者には言われてしまうのかも知れないけれど。)

    ・「岡本くん。効率を考える場合は効率から追ってはダメなんだよ。非効率から入っていくんだ。君はまだ分からないかもしれないが覚えておきな。」

  • 本書は、経営コンサルタントの岡本吏郎氏の著作で、2004年刊行の本です。
    「成功法則」の取扱説明書との副題に興味を持ち、手に取りました。

    この本での著者の主張は「(今までの)成功法則では成功できない」と言うこと。その理由は、常識で考えてみてありえないこと、ノウハウを求める底の浅さ等を挙げています。

    では、副題にある「成功法則」とは何なのか。それは「偶然を保つ力」つまり「履物を揃えること」「トイレ掃除をすること」のようです。単なるオカルトですね。
    この成功との結びつきがまったくないオカルト法則を実践していれば成功する、などといった妄言は、著者が「非常識」と切り捨てた今までの成功法則以上に常識的にありえません。さらにいうと、この点についてまったく説明が足りていません。

    さらに読みすすめると、最終的には「成功する才能のある人が成功する」「運が良ければ成功する」という結論に至ります。

    また、著者の決めつけによる勘違いの記述、たとえば、
    ・パレートの法則について書いているが、あくまで統計学における法則で物理法則のように必ず成立するものではないという認識が不足している
    ・水は100度になった瞬間に突然気体になると書いているが、100度になる前から蒸発という形で気化しているのでこれは嘘
    という感じのものも多い。

    結局、とにかく説明不足と勘違い記述の上、意味不明(オカルト)という読む価値がない内容でした。

  • ポランニー「生命の発生は創発である」→偶然にジャンプした
    今の問題を解決するには次元を上にあげないといけない
    こつこつやるしかない。
    次元の話は金持ち父さん的な。
    好きなこと、とは絶対的なものではない
    「あいつ」→人を動かすスイッチが入った状態。これが来るようにこつこつ努力
    偶然のマネジメント
    無意識くん
    人がしないことをする
    時代を変えようなんて思ってはいけない
    言葉になる前の言葉のようなものを大事にする
    才能は磨かなければならない

  • 良書。

  • 抽象的な表現が多いが確信をついている内容と思えます。定期的に読み直して自分を振り返りたいです。

    キーワード:人がやらないこと、人が知らないことをやる/偶然を待つ力/無意識くん/スピードとは前倒し/火消しにはならない

  • 流れにさからう。同質化を避ける。人と同じことをしていたらアカン。

  • 自己啓発書を読んで満足しがちな人がいます。

    そんな方には、耳が痛い内容かもしれません。もしかすると、読まないほうがいいかもしれませわね。

    でも、読むことで成功法則の土台ができそうです。

  • 先ずは、地盤を固める。
    日々の課題を地道に解決して行く。

  • 自己啓発を読み漁っていた俺にとって新しい視点を与えてくれた。
    自分が成功法則を使えるレベルに達していないこと
    やるべきことはもっと基本的な「毎日、朝早起きして淡々と勉強するだけ」ということ
    創発を発生させるために努力が必要だということ
    資本主義の流れに逆らうこと
    資本主義のなかで生きていくことを教えてくれた
    成功法則は実はあってない、そして、失敗はパターンが決まっているが、成功は人それぞれでたくさんの要素の組み合わせ
    あいつ 創発 成功 努力 自分の次元を高める

  • ★読む目的
    成功法則を知る!

    ★読書方法
    並列読書

    ★メインブランチ
    『はじめに』 『A』 『B』 『おわりに』 

    ★INPUT
      ・自然の法則:社会の全てが働き者だと、競争が激しくなり、その生物は滅ぶ。どんな
      環境に自分が身を置いているかまず知る。資本主義の世界では、『楽して儲ける』は
      成立しない。『得にくい』ものに価値が高まり『得やすい』ものは価値が下がる。

      ・文明をリードしているのは、クリエイティブマイノリティ。同質化=大衆化。『画期的な
      方法』『誰でもできる』は資本主義では価値がない。しかし、それを知らないのと、それ
      はそれでヤバい。それが資本主義。『実行しづらい』をキーワードに有効なものを探す。

      ・バタフライ効果:ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起こる。だれか一人
      が変わると、世の中の全部が変わる。自分一人が変わるだけでも、世の中は十分に
      変化している。

      ・無意識くんの性格:?信用しないと動かない?親切でやさしい?あまのじゃく?恥ず
      かしがり屋?ささやきを聞いてる?頼られるとイヤと言えない?冒険が好き?ギリギリ
      にならないと手伝ってくれない?質問されるのが好き?意識がボーッとしてると元気に
      働く

      ・うまくいかない人の共通点は、他人のせいにすること。心のクセで勝負が決まる。
      『二念をつがない』:眼の前の出来事を、ありのままに捉える。解釈を無理に加えない。
      『二元的思考をやめる』:好き嫌いなどの対立思考で、物事を判断しない。
      
    ★ウガンダの感想
     資本主義の構造と、その世界での生き方が書かれた良書です!読む価値ありです!
    この本をくれた『せんちゃん』ありがとう!

    ★一言で言うなら
     『成功法則は確かにあるが、実はない!』

    ★OUTPUT
      ・資本主義の特徴を理解する。同質化:限りなく、すべてのものが『同質化』に向かう。
      やるべきことは?人より早く実践し卒業する?もしくは、全く相手にしない。マイノリティ
      を常に意識する。

      ・今の問題を解決するため、今のレベルだと解決できないことを知る。上位レベルは、
      下位レベルで見られない過程、創発とよばれる過程によってのみ生み出される。スイッ
      チが入るまで努力をすると、『あいつ』が手伝ってくれ『創発』という化学変化が起こる。
      すると沸点を超え、全てが変わって見える。

      ・『あいつ』が来る準備をする。自分の能力を高め、深い次元で限界を知っておく。
      『あいつ』が好む場所:?危険のともなう所?空っぽの所?限界ギリギリの所?毎日同
      じ時間に、机にいることを自分に課す?目の前のことを全力でする?逃げない

      ・幸せな人と不幸な人の差を知る。幸せな人はいつも幸せ。不幸な人はいつも不幸。
      それなりの人はいつもそれなり。幸福と不幸が交互に来るとは限らない点に注意する。
      
      ・偶然をマネジメントする。直感とシンクロ二ティを最大限に利用する。やるべきことをやっ
      たら、後は身をゆだねる。偶然を手に入れるため『無意識くん』の性格を知り共に生きる


    ★BookCrossingしたい度
     『★★★★☆』

    ★関連本・紹介されてる本

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