プライベートバンカーが書いた!日経平均3000円でも資産が守れる方法
- フォレスト出版 (2009年2月5日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784894513341
感想・レビュー・書評
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日経平均がどんどん下がり、円高のために米ドル、ユーロが円に対して下がっています。円安と予想していた人にとっては、円以外で資産を運用していた人は円換算で考えると、かなりの被害をこうむっていることでしょう。
現在の日経平均は8000円程度だと思いますが、この本のタイトルによれば、さらに半分程度まで下がることを想定して資産運用、保全?するためのアドバイスが書かれています。この本を鵜呑みにして楽に資産が増えるようなことはないとは思いますが、最後のアドバイス(サラリーマンは自分の能力を伸ばすのが一番)はきっと役に立つと信じたいものです。
以下は気になったポイントです。
・CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は、債権の形を借りた一種の保険契約、ある会社が倒産した場合にその会社の社債償還を肩代わりする条件で、保険料を受け取る仕組み(p36)
・CDS以外にも、CDO(資産担保証券)、CLO(ローン担保証券)といった金融派生商品においても、CDSと同じような損失拡大メカニズムが隠されている(p38)
・アメリカの自動車産業は、系列企業ピラミッドで構成された産業である、これはヨーロッパ型とは異なるがかつての日本と同様(p41)
・アメリカでチャプター11(連邦破産法11章)を申請した場合、経営者は更正会社の経営をそのまま続けられるのが普通で、日本とは異なる(p46)
・GM破綻で仕事、年金を失う人は、全世界で100万人、社債発行残高は25.2兆円(p50)
・日本の不良債権総額は150~180兆円といわれたが、レバレッジがかかっていなかったので比較的軽症で済んだ(p56)
・オバマ政権1年目では1兆ドルにのぼる財政赤字を賄うためには赤字国債を発行する必要があるが、そのためには、1)大口投資家(中国と日本)の確保、2)アメリカドルの基軸通貨としての地位の確保が必要である(p62)
・GDPが10%落ち込む世界とは、第二次世界大戦後の日本の昭和20年の経済に酷似している(p69)
・現在の会計ルールでは、時価会計が緩和されるのは途中経過のみ、本決算では、時価評価を行う必要あり(p82)
・最終的に残る銀行は、HSBC,バンクオブアメリカ、JPモルガンと言われる(p101)
・日本の赤字国債問題は、金利を10%に誘導することができれば、評価額としてほぼ半減(777→400兆円)となる、20%になれば価値ゼロ(p107、127)
・日本でデノミをやっても外貨は影響を受けない、借金である国債は価値がほぼゼロになるので財政問題は解決、年金原資はなくなるが、これについては新規国債を発行すれば良い(p128)
・移民制度のポイントは、移民してこれる人の資格・条件を受け入れ側で自由に決められることである(p137)
・現在の年金基金は、時価会計が猶予されているので、実際の資産総額がわからない(p165)
・外貨に換えるときのコツは、まず、円→ドル、その後にドル間とのレートをみながら、ユーロ・オーストラリアドルに換える(p193)
・現物投資としては、純金積立がおすすめ、住友金属の純金定期もよい(p197)
・サラリーマンであれば、自分の能力を伸ばすのが一番(p207)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読み物としては、まぁ面白いです。
運用の参考にはならないけど。 -
結論を書けば、MMFがいいよとのことです。
いろいろ世界経済について解説してますが、読む価値が高いとは思えません。 -
最後の数ページさえ読めば著者の言う「資産を守れる」方法が分かります。もったいぶってそれですか…とがっかりした。
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2009/10/4開始
2009/10/10読了 -
「最悪のシナリオに備えよ!」の煽り文句。
新円切り替えなど、読んでるだけでドキドキします。
アメリカ自動車産業ビッグ3への「チャプター11」導入は当たりましたね! -
GMと米金融機関という2つの問題が存在し続ける限り回復しない、メガバンク・保険会社とも日経平均7600円が含み損ラインか、日本政府は世界同時不況をうまく使って預金封鎖・新円切り替え・デノミの有事シナリオに踏み込もうとしているフシあり、現在の市場の落ち着きは実体経済のもう一段の悪化がはっきり現れるまでのひと時の安息か、米破産法チャプター11は経営者の利益を守るためのもの(日本の会社更生法は従業員の利益を守る)、チャプター11を申請するとこれまでの慣行や取引関係に縛られず事業再生が行える→行き詰ると経営者はチャプター11を申請しV字回復を狙う、環境対応を軸に事業再生を行うためにはビッグ3が従えてきた系列部品メーカーというお荷物を切り離すことが必要、GMは全世界に25万人の従業員及び社債残高は2800億ドル、アメリカにとっては「適度なドル安」と「国債の順調な引受先の確保」が必要条件、不良債権の買取のためには原資確保のため膨大な米国債が発行されて市場にバラまかれる→ドル安へ、金融機関が頭を悩ませているのはCDS(1つの破綻が破綻の連鎖につながる)→邦銀への公的資金注入もないわけではない、世界の金融グループは5つになる?(HSBC、バンカメ、JPモルガン等)、政府はインフレターゲットの導入により国の借金が増えても怖くない(借金棒引きのシナリオ)、デフレ経済化でインフレターゲットの導入は例がない→何が起こるかわからない(インフレ下ではあった)、日本は内需が弱くアメリカ等への輸出が経済のカギを握る→アメリカの経済対策次第、今は景気対策が最優先なので国債増加は仕方がないとしてもその後の国債の処理方法が大問題となる、アルゼンチンは国債デフォルト回避のために年金基金を接収したことがある、今回の金融危機により財務省の増税シナリオは頓挫してしまった→シナリオの書換、加工貿易・輸出依存の日本は史上空前の大不況に見舞われる、金融危機を契機に喪失する雇用は今後の日本脱出・産業空洞化で元には戻らないことに、事前の税務相談に投資誘致に積極的な海外の当局は応じてくれるが日本の当局は応じない、企業はこれから総人口が増える国で生産を拡大するのが合理的なはず(日本はマーケットは縮小し労働コストは高く税金も高い→外資を呼ぶどころか日系企業さえも見捨てる流れへ)、今後欧米は保護主義へ傾倒か(通貨安にしても内需がある)→日系企業は海外進出を加速、歴史的にみて大暴落の次には必ず価値観の大転換が起こる、資金余剰と過剰流動性がバブル経済の拡大を生んだ、同じリスクをとるのなら自分がリスクを判断できる土俵でとったほうがよい
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さんざん煽ったあげく、資産が守れる方法に関してはほとんど触れられていません。
最後の章の数ページにそれらしきことが書いてあるだけです。 -
世界経済最悪のシナリオをイメージするには最適。結局結論は外貨MMFに投資ということになっているよう。
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プライベート・バンカーと意味ありげに述べているが、結局は個人バンカーであり、
今で言う藤巻さんとか、独立したバンカーの事を言うのだろう。
内容は、半分以上が今の金融危機の不安を煽る内容。平均株価は3000円、
スーパーインフレになり、貨幣の価値はない。企業は日本にいる必要がないなどなど、
そして守る方法とは最後の数ページに少しだけ書いてあるだけ・・・。
その方法とは、
1.金、土地に資産を分散する。
2.外貨建てMMFを行う。その時、第一段階で、円→ドル、第二段階でドル→ユーロ
二段階方式でタイミングをみて。
3.円、ドル、ユーロの3つで現金を保有(海外移住する気があるなら移住先でもOK)
以上の3つになる。そして、これらって他でも言われてる事だし、そもそも
前・中半あたりの内容と矛盾している。
なぜなら、筆者はドルのバラマキでドルの価値が下がると言っている。
一方で、円をドルに変えろと言う。なんでだ・・・??私には分からない。
ドルの価値が下がるという指摘は理解できるのだが。。。
しかし、FRB(通称FRS)のStatistics & Historical Dataにアクセスし、
Monetary Baseを調べた結果(グラフは下記参照)、過去からみれば尋常ではない
ハイペースで大量のドルを印刷している事が分かる。それに伴ってか、MONEY STOCKも
2009-jan(M2 Currency)で8244.0 Billions dollarsに徐々に増えているが、
その影響はなぜかイマイチ・・・。もう少し Money Stockも増えていいと思うのだが。
それが分からないって事は勉強が足らないのかもしれないな。自分。。。
っと、話がずれてしまったが、結局、本書は立ち読みで十分である。