2009-2019年 大恐慌 失われる10年

  • フォレスト出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894519091

感想・レビュー・書評

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  • 浜さんの最初のコラムがイギリス好きとしてすごく面白い・・・

  • この本は2009年4月のG20サミットが終わった頃に書かれた本で、日本と取り巻く世界(特に欧州と米国)が、どのように振舞ってきたか、今後どうなるのかの予測が書かれています。バブル後には日本は「失われた10年」という時代を過ごしたことは記憶に新しいことです、今後は今まで好調と言われてきたイギリスとアメリカにおいて長い凋落が始まるのでしょうか。

    お金で計測した場合には、デフレ時代は収縮することを意味するようですが、お金では計測できない”幸せ度合い”は、成長して欲しいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・英国の銀行はRBS,ロイズが国有化されることで、独立銀行はHSBC及びバークレイズのみとなる(p16)

    ・この十数年間、イギリスではポンド安によるモノの輸出が急増した、ただし外貨を稼ぎ出したのはイギリスに進出してきた日本系企業(p17)

    ・イギリス経済は、金融バブルと不動産バブルの両輪で、16年間、好況を維持してきた(p20)

    ・アイスランド破綻問題において、超高金利の最大の得意先はイギリス人であった、当初アイスランドが外国人預金口座を封鎖したのに対して、イギリス国内のアイスランド人資産を凍結したこともあり解決した、このような問題が起きたのは、欧州中央銀行(EUB)に金融監督権限が無いから(p23)

    ・イギリスでのバブル崩壊が起きるという指摘に対して、イングランド銀行は2006年から「インフレターゲット方式でマネーサプライを制御しているので問題ない」とコメントし続けてきた(p32)

    ・ドイツは2009年1月末、9年以上使用した自動車を廃棄して新車購入の場合には、2500ユーロ(30万円)を支払う制度を導入、2月の販売台数は22%増加(p43)

    ・フランスサルコジ大統領は、フランス内に向かっては「グローバル化」、外に向かっては「経済ナショナリズム:企業・資本・労働力の流入を防ぐ」である(p50)

    ・EUには国民所得がEU平均の7割に満たない構造不況地域に自動的に補助金を与える仕組みがあり、このためスペインほぼ全土が対象になったため、補助金がどっと流れた(p55)

    ・現在EUが、金融監督・金融規制・金融政策を一元的に考えることができないのは、経済システムが育たないうちに統合を優先したから(p58)

    ・最大の国際商品である石油の値立てと決済がドルから離れるならば、事実上、ドルは国際決済通貨の地位を失う、逆に、それに代わる通貨はその条件を満たす必要がある(p93)

    ・アメリカはインフレに苦悩した1970年台に、日本からの製品を規制しつつ、国内では物価・賃金統制を行った実績がある(p119)

    ・2009年4月現在、円高が進んでいるのは、円キャリートレードによって貸し出されたジャパンマネーがすさまじい勢いで日本へ戻ってきているから(p127)

    ・アメリカ議会は、「バイ・アメリカン条項」について、「既存の貿易協定に反しない方法で適用」というように内容は改められたが、当初の鉄鋼のみから、対象は一般工業製品となった(p139)

    ・日本は、パニくるアメリカ、開き直るイギリス、血気にはやるフランス、引きこもるドイツとも異なる行動を取る必要がある(p162)

    ・日本は円高のため、2%のデフレとなっているのが理解できるが、アメリカはドル安にも拘らず、マイナス2.5%というのは凄いデフレ現象(p174)

    ・物価デフレは良いこともあるので深刻にはならないが、信用デフレから経済規模自体が縮むことは恐ろしい(p181)
    ・格付け機関(SPやムーディーズ)は財務諸表による企業評価については権威があったが、金融商品の格付けをやるようになった彼らは乱れた(185)

  •  浜先生が私にとって気になる経済学者なので、読んでみました。

    バイ・グローバルな精神、という視点。
    日本は技術力・モノ作り、しかない、それらが武器になるのだから、その力を生かした道を歩むことに日本が回復する道は有。

    といった内容には同感。
    今はぐっと耐えてこらえて、日本経済が立ち直って行けばなあ、、、というのが読後の感想。

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