揺れ動く大地 プレートと北海道

  • 北海道新聞社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784894539167

感想・レビュー・書評

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  • 親しい方から「発売されたばかりの本を記事で紹介してほしい」と献本されたのが本書。
    8月末のことです。それからわずか1週間後に、あんな地震が起きるとは夢にも思いませんでした。
    道内で初めて最大震度7を観測した胆振東部地震。
    自分の席のレタートレー上に置いてあった本書を、停電から復旧後に改めて見て戦慄しました。
    帯には「巨大地震がやって来る―。」の煽情的な惹句。
    まさに「予言の書」と言ったところでしょうか。
    中身はというと、地球科学の新理論「プレートテクトニクス」を基盤に、地質学の最新の知見を盛り込みながら、北海道の成り立ちを解説しています。
    古くはアジア大陸の東にあったという北海道の起源を解き明かし、氷期(!)にある現在、そして未来予測にまで踏み込んでおり、非常に見晴らしがいい。
    かつては日本海の東縁が北米・ユーラシアプレート境界という説が唱えられていましたが、最近では東側はオホーツクプレート、西側はアムールプレートという小さなプレートを想定する見方が多くなっていることにも言及しています。
    さらに各断層の動きがいつ始まったかも明らかにしており、参考になりました。
    もっとも全編にわたって専門用語が少なくなく、門外漢にはやや難解なのも事実。
    その点、90点以上に上る図表や写真が理解の助けになります。
    地質学の最前線に触れられるのもエキサイティング。
    たとえば日高山脈はこれまで上下運動でできたと考えられていましたが、最近の研究によると千島前弧が衝突して地殻がめくれ上がってできたものらしい。
    地殻変動のダイナミズムには、めまいすら覚えました。
    著者はテクトニクス・構造地質学を専門とする東海大特任教授、東大名誉教授の木村学、株式会社アイピー地質情報室勤務の宮坂省吾、北大大学院理学研究院准教授の亀田純の各氏。
    約30年前に発刊され注目を浴びた「北海道創世記」(松井愈ほか編)の改訂版という位置づけです。
    昨日から今日にかけても、私の職場のある北海道岩見沢市では、震度3クラスの地震がありました。
    本書で「北の大地」の成り立ちを理解し、大地震に備えていただければ。

  • とりあえず読了したが、時間をかけてゆっくり再読したい本。

  • 北海道押し極まれり。長瀞に異議ありはわからなくもないけれど。最新の研究がこれでもかと入っているのは、数年後にはいいのか悪いのかわかるだろうけど、今は面白いといっていいだろうなあ。

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著者プロフィール

文京学院大学・准教授 

「2023年 『めばえ幼稚園の保育実践』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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