ひだまり

著者 :
  • 光村教育図書
3.94
  • (15)
  • (17)
  • (18)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 203
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784895722216

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 作者の林木林さんのお名前ははやしきりんさんと読み、詩人であり、絵本作家でもあるそうです。


    ひとりぼっちの猫のトラビスは世界のまんなかのひだまりをもっています。

    まちで1ぴきのみけねこが、じぶんのさかなをわけてやっているのにであいます。

    ミケーレはトラビスにも「よかったら…」とさかなのシッポをさしだします。

    いままで、だれかに「たべろ」なんていわれたことがないトラビスはなんてやさしいんでしょう。そうおもいました。

    トラビスがある日、おきにいりのあのばしょにいくとミケーレがこもれびで足をあたためているのをみつけます。

    ミケーレは「わあ、とってもあったかい!ありがとう」といいます。

    トラビスはいままでだれかにおれいなんていわれたことがなくとまどいます。

    ひだまりは、なかよしのねこ2ひきがならんですわるのにちょうどいいひだまりになります。



    トラビスとミケーレの幸せそうな表情がとても素敵です。
    秋の落葉の中でじゃれあう仲の良い2ひきの猫。

    でも、結末はとっても、淋しくて涙がこぼれました。

  • 最初は「100万回生きたねこ」を詳しく描いたらこんな感じになるのかなぁなんて思ってたら、全然思ってもみない方向に。
    愛した人の優しさは心を温かくし続ける。
    今度はその優しさを人に分けてあげようと思う。
    いつかアンパンマンに出てきたサンタさんが「誰かに優しくされたら自分も誰かに優しくしたくなるだろ?」と言っていたなぁ。
    きっとそういうことなんだろうなぁ。
    物理的なひだまりだけじゃなくて、内面的なひだまりでもあったんだな。
    ちょっと長いけど、いつか読み聞かせに持って行けたらいいな。

  • 乱暴者の猫、トラビスは、優しい三毛猫のミケーレと出会い、2匹は仲良しになる。

    たいせつな だれかがいる。
    それだけで、いつもの けしきが こんなにも 
    かがやくのか。

    トラビスは初めて、幸せを知り、

    いつかミケーレが いなくなってしまったらーー。

    うまれて はじめて、なにかを こわいと おもった。
    ……秋になって、2匹の猫が、ふざけあう、このシーンが、個人的に、好き。

    いろづいた きぎの こずえが ゆれると、
    きんいろの さかなの むれが そらを およいでいるように みえる。
    ときどき むれから はなれて ひらひらと こっちへ むかってくる。
    みを よじりながら きらめきつづける きんいろの さかな。
    いきおいよく それに とびかかって、
    1ぴき また 1ぴきと つかまえる。
    ゆめの さかなに うもれて、「たいりょうだあ」と ふざけあう。

    (一匹の、仔猫が、大きな公園で、このように、葉っぱとたわむれて遊んでいるのを、見たことがあります。その仔猫は、大人の猫になってから、ポンと名付けられ、訳あって、私が住んでいた実家にひきとられ、気ままに、短い生涯を、愛されて、幸せに終えました)

    その後、ミケーレを失ったトラビス……。

    涙で文字が、読めません、、、

    ラストシーンは、切なく、温かく、余韻がのこります。

    ひだまり……


     
     

    • りまのさん
      湊川晴斗さん
      この絵本、素敵な物語なのです。図書館に返却しちゃったので、今 手もとにないのが残念です。すごく良かったです。できたら、読むの ...
      湊川晴斗さん
      この絵本、素敵な物語なのです。図書館に返却しちゃったので、今 手もとにないのが残念です。すごく良かったです。できたら、読むの おすすめします。
      ポンはね、保護した時から、病気で、短命を告げられて、いました。みんなに愛されて、のびのびした一生だったと思います。公園が好きだった猫でした。
      ありがとうございます!
      2021/09/19
  • やっぱり、動物ものには本当に弱いわたし…

    乱暴者の一匹狼(猫なんだけど)的な主人公が、優しい猫さんに出会って、変わって行くっていうお話。

    絵も柔らかい感じだし、なんと言っても、タイトルが
    〝ひだまり”
    ですもん。
    温かい絵本であることは間違いありません。

    〝うまれかわったら、ひだまりになりたい”
    〝じゃあ、おいらはあおぞらになるぜ”

    素敵すぎ❤️




  • たいせつな だれかがいる。
    それだけで、いつもの けしきが こんなにも かがやくのか。

    そのあと ふいに ふあんが よぎる。
    いつか ミケーレが いなくなってしまったら―――。
    トラビスは うまれて はじめて、なにかを こわいと おもった。

    風と、青空と、ひだまり。
    読み終えたとき、ぼくは泣きました。
    読み進めながら、
    云いようのない、涙が、ほほを流れました。

  • 番長みたいな野良猫トラビスが知った、大切な誰かと分け合う「ひだまり」の温かさ。でも、それがある日突然失われてしまった。トラビスは自棄になって、それでも生きていく…。偉い! それでいいの! 生きていれば!
    大事なものを失って、生きるのが辛い今を過ごしている人にお薦めしたい!

  • ひだまりのあたたかさはまるで何かに抱かれているようですね。

  • ひだまりみたいな、そういう優しさに癒やされる。

  • 世界は自分のためにある的なボス猫トラビス。心優しい猫ミケーレに出会い、心に変化が生まれるが幸せな時は長くは続かず...大切な人と一緒にいる喜び、失った悲しみ、でも心の奥で揺るがない存在として支えくれてる。これ読んで涙出る人多いだろうな。

  • トラビスは、ひとりでいきているのらねこだ。ほかのねこたちから、さかなをうばうなんてあたりまえ。そんなあるひ、となりまちで1ぴきのみけねことであう。ミケーレというみけねこは、なかまたちにじぶんのさかなをわけていた。トラビスはおどろいてこえをかけると、ミケーレはのこったしっぽをさしだして──。
    『あかり』の作者ふたりの新作と知り読了。思わず『100万回生きたねこ』と重ねる方きっと多いでしょう。絵も話も暖かく読後感とても良い、涙腺緩みました。期待以上に素敵でした、オススメです。

全30件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

詩人、絵本作家、作詞家、翻訳家。言葉遊びの分野でも活躍中。
詩集に『植星鉢』(土曜美術社)、絵本に『おおきなけやき』(鈴木出版)、
『ひだまり』(光村教育図書/産経児童出版文化賞産経新聞社賞)、
『みどりのほし』(童心社/児童ペン賞絵本賞)、
翻訳絵本に『でんごんでーす』(講談社)などがある。

「2022年 『まるがいいっ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

林木林の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×