INTENSIVIST VOL.3 NO.1 2011 (特集:Infection Control)
- メディカルサイエンスインターナショナル (2011年1月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784895929615
感想・レビュー・書評
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すでにクリティカルケア領域のスタンダードな読み物に昇華しているINTENSIVISTの今回の御題は「Infection Control」である。そこにはためらいの息吹がある。
感染管理は煮え切らない、よく分からない営為である。こうすればうまくいきます、こうやれば正しいのです。と簡単に断言できない。それだけ「大人の」領域である、とも言える。
質の高い文章は断言口調ではない。制限、問題点を明示し「話はそんなに簡単じゃないんですよ」と困惑を覚えさせるような口調である。
例えば、森兼先生はアクティブ・サーベイランスを議論する。煮え切らない領域であり、どっちつかずのなかで、森兼先生はあらゆる情報を開示し、そして私見を述べる。本田先生はCLABSI予防のバンドルアプローチを概説するが、クロルヘキシジンにまつわる問題点を指摘し、その煮え切らない対応策を考える。志馬先生のSDD、林先生のプロカルシトニンも同様である。読んでも煮え切らない「結局どうすればよいんですか」と悩んでしまう。でも、ワンランク上の読み物は、読者自身に考えを促すのである、、、と僕は思う。
羽田野・大曲論文は、これまで誰もが避けて通っていたカルバペネムの乱立をシステマティックに考えている。あと、「プロ」である原田論文の耐性菌概説は、膨大な引用文献を駆使した傑作だ。必読である。
おっと、神戸大学総合内科の豊國・平岡両氏によるLP論文もあるではないか、、、、それにしても、みんなよく勉強しているなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。普通の感染管理系の本は堅苦しくて難しいけど、これは臨床医の目線で実践的な内容ですごく読みやすくてよかった
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積極的監視培養、SDD、プロカルシトニンなど意見が割れている領域の記述が特におもしろい。
というかInfection Controlという分野自体が意見割れていることが多いし、「わかっちゃいるけど、やめられない」という具合に理想と現実が割れている。
執筆陣も豪華です。
INTENSIVISTはどの巻を読んでも勉強になります。