さよなら優しい男 (ルナノベルズ)

著者 :
  • ムービック
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本棚登録 : 50
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896017885

作品紹介・あらすじ

ホテルのロビーで自分を見つめ、涙を零す美貌の男に、一瞬で心を奪われたヤクザの海江田。逃がしてはならない-本能の命じるまま、その男・篠原に声をかけた海江田は、素性は訊かないという条件付きながらも、彼と逢瀬の約束を取りつける。遊びの恋とは違う。生真面目で凛とした篠原に海江田は指一本触れず、少しずつ近づく時間を大切にしていた。だが、互いが敵対する立場にあると知った篠原から、もう会わないと告げられ海江田は彼を凌辱してしまい…。

感想・レビュー・書評

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  • 相変わらず受がよく分んない理由でごちゃごちゃ云ってて
    なかなか自分の気持ちに正直にならなくて、読んでいてイライラした。
    とにかくこの作品は攻がよかった。
    元ヤクザで非情で強引な男。
    そんな男が一目惚れした受のために裏の顔を隠して紳士的に振舞ったり、
    あれこれ尽くすギャップに萌えた(笑)。

    ここのところしばらく火崎さんの本を読んでいたけど
    攻視点の小説って珍しいんじゃないかな。
    この本は攻視点で正解だったと思う。
    できれば受視点での話も読んでみたかったな。

  • All or Nothingの男と奪われて縛られたい男。
    日頃あんまり読まないタイプのカップルで、わりとおもしろかったです。
    ヤクザ稼業の隠れ蓑として不動産会社を経営している元組長の海江田は、ある日偶然ホテルで出会った、物静かで凛とした篠原に一目惚れしてしまう。これまで力や金にあかせて思い通りにしてきた海江田だが、自分の素性を隠し、紳士的な態度で巧みに押したり引いたりしながら慎重に距離を取りつつ、今まで感じたことがない感情に色めきたつ。
    しかし、立ち退きがらみの物件で追いたてる側と敵対する店舗の弁護士という立場で相対したふたりの関係は、それを機に大きくねじまがってしまう。
    立ち退きを迫るヤクザだとわかった途端、海江田を切り捨てる篠原。
    海江田の中で今まで押さえてきた何かがはずれてしまう。今までのような紳士的で“優しい男”をかなぐり捨てて、一転篠原を追いつめる。脅してすかして傷つけて、自分も同じように血を流しているのであろうけど、攻め立てることを止められない。それはもう“泣かぬなら殺してしまえ”くらいの刹那的な恋情。一方で心をくれるなら、自分は全て投げ出してもいいと渇望している。
    最後に、逃げ腰に見えていた篠原の本心がわかった時は煮えた。
    全てを与えられるのではなくて奪われたい。
    傷つけられて血を流すくらい求められたい。愛に縛られたい男だったんです。壊すほど求めてくれることが嬉しい…なんて可愛い本音を吐く篠原にメロメロの海江田。
    お互いのニーズが一致しててなんかいいカップルだったな。
    木下けい子さんのイラストも雰囲気に合ってた。

  • 肉食男子が恋しくなったら、こちらの「さよなら優しい男」で堪能してください。
    典型的肉食系で、フロント企業の不動産会社社長を名乗っていますが、実は893。金にも女にも不自由していない、傲岸不遜な海江田が、一目ぼれの恋に落ちる話。人生で初めての運命の相手に、並々ならぬ忍耐と我慢と執着をみせる海江田に、男の色気をそこはかとなく感じます。

    海江田は、ホテルのロビーで自分を見つめ涙を流した篠原に心を奪われてしまいます。見ず知らずの相手とどうにかして付き合いたいと切望した海江田は、ガラにもなく「ホテルでお茶」だけという条件をのんで清い交際をすることに漕ぎつけます。
    普段なら、SEXだけの付き合いというのも当たり前な海江田が、篠原に嫌われたくない一心で、下心を押し隠しひたすら「優しい男」に徹するのです。

    この話の元ネタは某ホテルのバリケード騒動だなとピンときます。それに地上げ屋と弁護士を絡ませてきて、かなり生々しく興味引かれる仕上がり。
    海江田は893なので世間から見れば悪役で、弱者を踏みにじる部分もあって嫌な男なのですが、そんな非道が恋心ゆえに篠原に対してはとても健気なのがせつなくてキュンとさせられます。
    篠原が頼むなら全てを捨ててもいいなんて、情熱的というかメロメロというか、すごい入れ込みようです。そういう気持ちに引いてしまい懐疑的になる受の気持ちがよくわかる。
    そして、篠原が彼に対してどんな感情を抱いているのかがなかなかつかめないところに海江田ともども焦れ焦れさせられるんですね。
    女に贈るような甘い言葉やプレゼントでは通用しない相手です。

    しかし、これであきらめないのが肉食系の貪欲さ。欲しいのは心だったけど、手に入らないのなら全てを奪ってやる、という本領発揮の俺様に豹変。野獣とうさぎです。酷い気もしますが、なびかない相手に内心悩みまくって強引になれなかった俺様のことを考えると不憫だったので容認。
    でも、ちゃんと両想いになれるので、この先はもの凄くラブラブcpになること確定な二人です。

    攻が肉食893だったのに、清い付き合いをしていたせいでエロは控えめ。その分狼になるまでの前半を占める、俺様な海江田の我慢プレイ?にツボります。

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