- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784896103649
感想・レビュー・書評
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植物はどうして緑色なのか?それは、もっとも波長の短い高エネルギーな可視光線を私たち動物に分けてくれているから。
飛騨高山にオークヴィレッジを開き、30年以上も森づくりの活動に携わってこられた稲本正さんが、東日本大震災から日本がどのように立ち直っていくべきかをこの本では解説されています。
日本は昔から、国土の7割を占める森林を中心とした自然と寄り添った暮らしをしてきた国であり、この植物たちの恵みによって豊かな食生活や多様な文化を生み出してきたのです。
それがいつの間にか、海外から多くのエネルギーや資源を輸入するようになってしまい、その状況に依存したために自らの暮らしの方向性を失いつつあります。
実際に、枝葉や端材に至るまでの用途を開発して、私たちの暮らしを豊かにする提案をされている稲本さんだからこそ、具体的に持続可能な形で日本が復興していく道筋を明示されています。
最大のピンチは最高のチャンスです。今こそ、日本の底力と本質を見直していきましょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オークヴィレッジの代表である稲本 正氏が、2011年3月11日の東日本大震災を目の当たりにし、今このときに、われわれは何を思い、何をなすべきかを問う、日本の未来へ向けての啓発書。
縄文時代の振り返りから説き起こす木の文化論や、福島原発の事故は、デカルトやニュートンの近代合理主義の思想が根本原因だとする考え方は、興味深いものがある。また、いささか原子力の危機感に麻痺しつつある現代人にとって、第4章の「原子力エネルギーとは何か」は、改めてとてつもないパワーを秘めた原子力というものの実態を再認識させてくれるきっかけとなる。