横須賀鎮守府 (有隣新書80)

著者 :
  • 有隣堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896602241

作品紹介・あらすじ

鎮守府とは明治期に設置され太平洋戦争の敗戦により消滅した日本海軍の軍政機関であり、横須賀のほか呉、佐世保、舞鶴に置かれた。その中でも最も早い時期から機能していたのが横須賀であった。本書は明治初期からの海軍をめぐる状況を読み解くことから始まり、横須賀鎮守府設置の経緯から終焉にいたるまでの全体像を紹介するとともに、日本史・海軍史・地域史のなかに位置づける。

感想・レビュー・書評

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  • 軍事史の専門家であり、横須賀にも詳しい著者による横須賀鎮守府についての研究成果をまとめたもの。軍政を受け持つ鎮守府の位置付けや任務をわかりやすく説明している。また同時に、4つあった鎮守府の中で最大の横須賀鎮守府の特性や、横須賀の町の発展にも触れられており、興味深かった。

  • 提督にはお馴染みの「横須賀鎮守府」。タイトルのとおり横鎮の歴史が中心ですが、海軍の中心的な役割を担ってきた場所であり、本書も明治以降の日本海軍の歴史を俯瞰した内容となっています。著者の田中宏巳は防大の教授だったということで、このテーマも納得。地元でも知らないことが多く、舞鶴などは引揚記念館などがあり有名ですが、浦賀でも行われていたことは知りませんでした。旧横須賀鎮守府長官官舎である田戸台分庁舎は期間限定ですが、年に数回(春・秋)、一般公開されているので、これを読んで訪れてみるのも楽しいと思います。

  • 神奈川県内には多くの米軍基地がある。
    ただし、米軍専用ではないので、基地の街と認識していない人も多いと思う。
    横須賀もその一つ。

    横須賀には、明治維新直後から帝都警護の目的を持って陸海軍の基地が置かれ、東京湾口を固めてきた。
    その横須賀に置かれた「横須賀鎮守府」。
    そもそも旧軍の体制は分かりにくい。
    行政を担う内閣の一員としての陸軍省、海軍省。
    そして、天皇を輔弼する参謀本部。
    海軍では、戦争の遂行は艦隊が行い、艦隊と装備品たる軍艦の調達や技術開発、軍人の育成については鎮守府が責任を持っていた。
    その、横須賀鎮守府の意味と歴史、果たした役割についてまとめた本書は、鎮守府って何?という疑問に答えてくれるものであった。

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著者プロフィール

1943年、長野県生まれ。1974年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、防衛大学校名誉教授。 ※2021年11月現在
【主要著書】『東郷平八郎』(筑摩書房、1999年)、『秋山真之』(吉川弘文館、2004年)、『山本五十六』(吉川弘文館、2010年)、『消されたマッカーサーの戦い』(吉川弘文館、2014年)

「2021年 『小笠原長生と天皇制軍国思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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