「私」をめぐる冒険: 「私」が「私」であることが揺らぐ場所から (新書y 141)

著者 :
  • 洋泉社
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784896919608

感想・レビュー・書評

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  • 最近は新書強化月間らしいです。さっと読める新書から片付けていこうと
    いう魂胆でもあります。

    「私」って何だろう、という問いにいくつかのヒントをくれる本です。
    でも帯に書いてあるような「根拠」はくれないと思います。
    私が私であることを感じることの出来る方法というか、そういうものだと
    思います。
    結局「私」は、他者なり世界なりにぶつかったり傷ついたりすることでしか
    わからないものじゃないかと。

    浜田先生は供述分析で最近活躍されている、元々は発達心理学専門の
    方だったりします。自他二重性とか、自我二重性、
    「全き三人称は存在しない」などの言葉が非常に興味深かったです。
    他者というものを考えるときに良く出てくるのがやっぱり自閉症の話で
    あって、どうにも切り離せないようです。
    やはり自閉症のことは臨床例として勉強しておく必要があるのかなと思ったり。

    そういえば自閉症に関連する遺伝子が見つかったとかありましたね。
    どこまで信用できるのかわかりませんけども。

    「心理学に希望はない」と仰っていて、妙に納得しています。
    確かに論文なんかにI hope等と書いたら即刻リジェクトだろうな、と。
    もちろん、そういう記述の仕方をしないとえらいことになる世界だから
    だとは思うのですが。
    心理学の場にすら、人だった物あるいは人の欠片しかなくて、
    人そのものは居なくなってしまっているような気に時々なります。

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著者プロフィール

1947年生まれ。発達心理学・法心理学者。現在、兵庫県・川西市子ども人権オンブズパーソン。発達心理学の批判的構築をめざす一方、冤罪事件での自白や目撃の心理に関心をよせ、それらの供述鑑定にも関わる。「自白の心理学」「子ども学序説」(岩波書店)「「私」とは何か」(講談社)ほか著書多数。

「2012年 『子どもが巣立つということ この時代の難しさのなかで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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