編年体大正文学全集 (第3巻(大正3年))

著者 :
制作 : 中島 国彦 
  • ゆまに書房
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感想 : 1
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  • Amazon.co.jp ・本 (655ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897148922

作品紹介・あらすじ

一年を一冊に20世紀日本近代文学の空白を埋める新機軸のアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 大正三年(1914年)に発表された作品を小説、評論、詩歌と横軸(同時代)で楽しむ全集。

    久米正雄『牛乳屋の兄弟』(戯曲)を初めて読みましたが、社会劇でありながら、登場人物全てがそれぞれベタなキャラクターづけされているところからの通俗味(わかりやすさ、と言っても良い)、複数の事件が絡み合ってのドラマ性と、今現在の感覚で読んでも面白いですね。実際舞台でやってるところを見てみたい。
    志賀直哉『児を盗む話』は単行本版とは異なり、雑誌掲載の初出版で収録。単行本版は冒頭とラスト部分を削っているので、この雑誌初出版と比較すると面白そう。
    中村吉蔵『剃刀』(戯曲)は松井須磨子の当たり役になった戯曲ですが、志賀直哉の『剃刀』を彷彿とさせるストーリーでこの作品間の関係が気になる…。

    その他、たくさんある収録作どれも面白かった。さらに併せて巻末解説を読むと、作品セレクションの目的や、読みながら朧気に感じていた全体を通して漂う空気感みたいなのが言語化されてて膝を打つことしきりでしたね。
    「年」で読むことで、その頃の流行みたいなのが見えるのが面白いです。

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