沖縄の農業

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  • 琉球新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897420035

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  • 大城喜信は、「昨今の沖縄農業は、
    高齢化や後継者不足、サトウキビの収穫放棄等の
    内的な問題のほか、国内における産地間競争や
    海外からの安い農産物の輸入攻勢など、
    外的な問題を抱え、粗生産額は低迷し、
    前途に明るい展望が見えにくい状況にある。」
    (12)と指摘している。

    ①農林水産物販売促進協議会
    ②農産物加工による健康食品産業の組織化
    ③ミシマサイコを中心とする薬草類の研究が本格的に始まった。

    農業に対する他部門からの力強い応援体制

    沖縄県のような小規模な経済構造の農業 粗生産額は約1千億

    大消費地に遠く、
    端境期出荷や特殊な作物の栽培
    地価・労賃の高い

    →高品質で消費者の求める安全な農産物生産

    「生産から加工にいたるまで
    総合的な創意工夫と多くの努力を傾注して、
    複雑でかつ高度な農業を構築」

    分析
    農業粗生産額の推移

    農業の方向性
    (1)農業振興の基本的視点
    (2)研究開発型農業の特徴
    (3)事例;イスラエルの農業

    解決すべき自然制約と対策
    (1)台風対策
    (2)干ばつ対策

    作物の歴史的変遷
    沖縄農業の大きな変化

    第1の波 1900年代のごく初期に
    甘藷が約15年間の短期間に
    1万ヘクタ-ルから3万ヘクタ-ル以上になったこと

    第2の波 1960年代初期 
    サトウキビが短期間に
    1万ヘクタ-ルから3万ヘクタ-ル以上になった。

    第1の波の大きな要因は、1881(明治4年)年に、
    明治政府が沖縄県農事試験場を設立し、
    甘藷を台湾から導入し、品種を選定した。
    1903年 県は、多収穫品種の苗を配付して増殖させた。

    1899年沖縄県土地整理法が施行された。
    1903年は、土地整理事業が完了し、
    これまで土地が公有であったものから
    私有になるという大きな社会制度の変化が起こっている。 

    土地の所有権の確定は、農民の生産意欲を
    向上させる大きな契機となった。

    社会制度の変化と新技術の普及が
    ほぼ同じ時期におこったことが、
    甘藷の急激な増加という大きな農業の変化の原動力となった。

    1957年NCOー310が、奨励品種として決定された。
    1963年に約6ヶ月間に及ぶ干ばつが発生 
    NCOー310の干ばつにたいする抵抗性
    が強いことに農家が注目した。
    キューバ危機による砂糖の国際相場の急騰で、生産量が急増した。

    広く普及する可能性のある作物の具備すべき条件
    ①生産物が消費者のニーズに合うこと
    ②農業者の生活向上に役たつこと
    ③栽培が容易であること
    ④種苗の増殖が容易であること
    ⑤県内で独占的に種苗の確保が可能であること

    研究開発型農業
    なにを研究するかというテーマの設定
    意欲的で有能な研究者の確保
    必要な施設や備品の整備と研究者の能力を
    効率的に発揮させうる研究管理者

    イスラエルを研究開発型農業として位置づけている。
    農業組織 キブツ モシャブ
    温帯果樹の生産 低温処理をして栽培
    コンピュータの管理による節水型の点滴灌漑システム 

    沖縄の自然的制約
    台風対策技術の確立
    干ばつ対策 
    伊江島の急速な農業生産の伸びは、雨水の確保とその活用にある。
    1980年 14万トン 溜池 9ヶ所
    1995年 43万トン  43ヶ所
    2004年 あと9ヶ所を増やし、
    36万トンの貯水が計画されている。

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