ワーグナー バイロイトへの長い坂道: バイロイトの長い坂道 (作曲家の物語シリーズ 6)

著者 :
  • リブリオ出版
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784897841656

感想・レビュー・書評

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  • 振り仮名つき,児童書扱いにはやや疑問。
    しかし,良くわかる。

  • 図書館から借りて読んだ本。
    私の好きな作曲家であるブラームスと同時代に生き、たびたび対立的に取り出さされるワーグナーに興味を持っていた。
    また、映画音楽等で使われる示導動機(ライトモティーフ:例えば、スターウォーズでダースベーダーが登場するシーンでは必ず流れる決まったインペリアルマーチを流す)を最初に用いたのがワーグナーということを知って、興味が沸いていた。
    実際に読むと、ブラームス派の絶対音楽とワーグナー派の標題音楽との対立話は、全く書かれていなかった。
    以前に同著者の「ブラームス 人はみな草のごとく」を読んだ際には、上記の対立話が、書かれていた記憶がある。ワーグナーの人生にはいろいろなことがあり、対立の話はブラームスの方で書くことにしたのだろう。
    この本では、ワーグナーのパトロンとなるルードヴィヒ二世との関係や不倫の末、妻となるコジマとの生活および生涯にわたって借金に苦労した浮き沈みの激しい人生が、詳細に書かれていた。作中に記載された自己中心的な言動や行動には、共感できない部分が多いが、どんな苦境にあっても自身の芸術を信じて突き進む信念の強さやバイタリティと裏表の関係もあるのだろう。すべてが完璧な人はいないのだから。
    最後の方で彼の生い立ちが書かれていたが、子供の頃に義父に連れられて遊びに行った劇場での経験(衣装部屋へ入り込んではぞくぞくするような興奮を味わっていた)が、その後の創作の原点であったのではないかと思う。
    ルードヴィヒ二世やアドルフ・ヒトラーを始め、数多くの人々を心酔させてしまうワーグナーの音楽の魅力に、私自身はまだ溺れていない。
    これからも機会があれば、ワーグナーの音楽を聴いてみたいと思う。

  • ワーグナーは、未返済の借金がたまってしまい、バイエルンへ逃亡した。そこでルートヴィヒ二世と出会い、暫く援助を受けながら音楽活動に没頭した。
    しかし、国の金庫の金を大量に消費したため、国民の不満が募り、スイスに追放された。
    その後、バイロイトに劇場を建設、ワーグナーが舞台装置や演技などを徹底的に指
    日間にわたる初演を行った。その後、「パルシファル」公演を行い、まもなく死去した。

  • 本だけを信用してはいけないのは分かっているのですが、ワーグーナーの性格、行動、言動にはついていけなかった。お金がある時は湯水のように贅沢をして、友人には借金をしまくり、借金をしたお金で友人にプレゼントをする。身内には欲しくないな。でも、ある意味宗教の教祖的な所があり、人の上に立つ人物なんでしょうな。オペラを創作して時期に彼がどういう状況だったかがよく分かり、オペラにも興味が沸きました。ノインシュバイン城をたてたルートヴィヒ2世との関係も詳細に述べられていて面白かった。挿絵のワーグナーの顔がいけずで(意地が悪そうです)、ちょっ引きます。

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著者プロフィール

■著者について
ひの まどか
音楽作家。東京生まれ。東京藝術大学器楽科(ヴァイオリン専攻)卒業。東京ゾリステンほかでヴァイオリニストとして活躍。東京藝術大学、故小泉文夫教授の下で民族音楽を研究。その後、作曲家の伝記や小説、音楽解説などの執筆活動に入る。現地取材がモットーで、「作曲家の物語シリーズ」(リブリオ出版・児童福祉文化賞を2度受賞)は全20巻中、19巻を手がけた。主な著書に『星の国のアリア』(講談社)、『総統のストラディヴァリ』(マガジンハウス)、『戦火のシンフォニー』(新潮社・第25回新日鐵住金音楽賞特別賞)。原案・監修に「学研 音楽まんがシリーズ」などがある。

「2020年 『音楽家の伝記 はじめに読む1冊 チャイコフスキー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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