もうひとつの場所

著者 :
  • リトル・モア
4.29
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本棚登録 : 298
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898153109

作品紹介・あらすじ

糸やビーズで織りなす、動物、鳥、魚、恐竜、昆虫、草花…230種。かつてどこかに生きていた、今もどこかで生きている、強く儚い、動植物たちが集うファンタジア。

感想・レビュー・書評

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  • かなさんの本棚から♪
    以前、天空図書室で手にした清川あさみさんが手がけた「銀河鉄道の夜」が素晴らしく、かなさんの本棚にて本書を知り、図書館にてお借りしてきました。

    独特の世界観が美しく、完全なるアートです。

    「絶滅」、クローン技術を使えばもしかすると...というのはさて置き、地球上から消え去ってしまった多くの動植物。

    恐竜に代表されるように環境に適応出来ずに滅びてしまった種はある意味では仕方がないのかもしれません。
    (人類もホモサピエンスしか残っていない)

    ただ、人間の手によって絶滅してしまった多くの動植物がいることも事実。

    世界は神が創造したのかもしれません、ただ、人間は神ではありません。

    同じ地球に生存する仲間として共存できる道を探すべきだし、人間にはその為の知恵と知識がある。

    美しい作品ではありますが、寂しさ、悲しみ、怒り...そんな感情も持ちながら...

    <内容>
    絶滅・絶滅危惧種の動植物の図鑑です。230種類の動物、鳥、魚、恐竜、昆虫、草花などが、美しくも哀しい姿で紹介されています。各種の紹介文には、その生態や絶滅の原因、歴史的なエピソードなどが網倉俊旨さんの文で添えられています。また、今泉忠明さんが監修を務め、菊地敦己さんがデザインを担当しています。

    この本は、かつて地球に存在したかもしれない、もしくは今もどこかに存在するかもしれない、もうひとつの場所を想像させるファンタジアです5。清川あさみさんの作品は、写真に刺繍を施す手法やインスタレーションなどで知られていますが、この本では糸やビーズのみで動植物を表現しています6。その独創的な技法と美意識は、読者の心に強い印象を残します。絶滅した動植物たちに寄り添い、彼らの物語を伝えるこの本は、大人から子供まで幅広く楽しめる絵本のような新しい図鑑です。


    本の概要

    地球でもっとも美しい、絶滅図鑑。


    時空を越えて清川あさみが紡ぎだす、
    かつてあったかもしれないもうひとつの場所 ――。

    糸やビーズで織りなす、
    動物、鳥、魚、恐竜、昆虫、草花……230種。

    かつてどこかに生きていた、今もどこかに生きている、
    強く儚い、動植物たちが集うファンタジア。
    - - - - - - - -

    ・ステラーカイギュウ

    長さ7.5メートル、重さ4トンもあるおおきな海牛。
    ステラーカイギュウは、発見からわずか27年で地球から姿を消してしまいます。
    肉や毛皮を目的とした乱獲がもっとも大きな原因ですが、
    そのほかにも彼らのやさしい性格もわざわいしました。
    ステラーカイギュウには、仲間が殺されると助けるために集る習性があって、
    それがハンターたちにとっては好都合だったのです。
    ステラーカイギュウのオスたちは、メスが殺されると死体を囲むように集まり、
    つき刺さったモリやからみついたロープを外そうとしたといいます。

    (本書「ステラーカイギュウ」より抜粋)

    - - - - - - - -

    こんな景色があったのかと、想いを馳せてしまう
    美しくて哀しい〈絶滅・絶滅危惧種〉をテーマにした壮大なものがたり。

    子供から大人まで幅広く楽しめる絵本のような新しい図鑑が誕生しました!

    著者:清川あさみ

    監修:今泉忠明
    デザイン:菊地敦己

    • かなさん
      ヒボさん、こんばんは!
      この作品絵にしてくれたんですね(^-^)
      独特な作品で、キレイなんだけれど
      それを手放しで喜べないというか
      ...
      ヒボさん、こんばんは!
      この作品絵にしてくれたんですね(^-^)
      独特な作品で、キレイなんだけれど
      それを手放しで喜べないというか
      一抹のさみしさも感じますよね…。
      2024/02/26
    • ヒボさん
      かなさん、こんにちは♪

      ある意味で「ゲルニカ」と同じように心にガツーンと訴えられた作品ですね。
      かなさん、こんにちは♪

      ある意味で「ゲルニカ」と同じように心にガツーンと訴えられた作品ですね。
      2024/02/26
  • 清川あさみさんの作品…
    太古の昔には存在していた動物、植物、草花…
    今は、絶滅して見ることもできないもの、
    絶滅危惧種にしていされているもの…
    人間が生きるため絶滅したものもあれば
    人間こそが絶滅に追い込んでしまったものも…

    清川あさみさんが、糸やビーズを使って
    その世界を再現する…
    美しいんですよね…本当にずっと眺めていたくなるんです。

    人知の及ばない世界がここにあります…。
    絶滅危惧種が絶滅しないよう、守っていきたいですよね!

    ※以前に読んだ、標野凪さんの
    『今宵も喫茶ドートーのキッチンで』の
    「ドートー」も描かれていました。
    英語で「のろま」を意味する「ドートー」は
    動作がゆっくりでしかも人間を恐れることもなかったので
    簡単に捕獲されてしまい、発見されてから100年ほどで
    一匹もいなくなってしまいました…。

  • 2011年発表。

    時空を越えて
    清川あさみが紡ぎだす、
    かつてあったかもしれない
    もうひとつの場所…。


    糸やビーズで織りなされた、
    動物、鳥、魚、恐竜、昆虫、草花などの
    すでに絶滅してしまった、
    もしくは絶滅の危機に瀕している
    230種の動植物たち。

    強く儚い、動植物たちが集う
    幻想的なファンタジアを描いた
    地球でもっとも美しい、
    絶滅図鑑です。



    こんな景色があったのかと、
    想いを馳せてしまう、
    刺繍やボタンやビーズで描かれた
    美しくて哀しい世界。


    仲間が殺されると助けるために集る習性が仇となり
    ハンターたちの標的となった
    長さ7メートルもある大きな海牛、
    ステラーカイギュウ。

    北海道の大雪山にしかいない
    天然記念物の
    ウスバキチョウ。

    かつてニュージーランドにいた
    “まぼろしの巨鳥”
    ジャイアントモア。

    手塚治虫の「火の鳥」のモデルになったと言われているメキシコの鳥、
    ケツァール。

    骨は精力剤に、
    毛皮も高く売れることで
    ハンターの標的となった
    カスピ海海岸の
    カスピトラ。

    毛皮や肉の為、乱獲された
    日本のトキ。


    今は見ることのできない動物たちが、

    清川さんの手によって
    ここではない楽園で蘇る奇跡。



    こんな荘厳な景色を実際に見てしまったら、
    人は自然をなんとか都合のいいように
    ねじ曲げようとか、

    生き物を金儲けの道具にしようとか
    思えなくなってしまうだろう。


    人間は支配者ではなく
    自然の一部で、

    何かに生かされて
    この星に存在している。



    沢山の動物たちの命を頂き
    乱獲し、奪い去ってきた、
    人間が今できることは、

    途絶えてしまった動物たちの姿を
    記憶に留めておくこと。


    そして後世に
    伝え遺していくこと。


    今の自然環境を維持し、
    余計な介入は避けること。



    自分が好きな
    シロクマ(ホッキョクグマ)も、
    地球温暖化の影響で
    氷が張らないために、

    今から僅か30年後には
    絶滅するだろうと言われています。


    深刻な問題である地球温暖化は、
    あきらかに
    人間のエゴが原因の
    環境破壊です。


    この本を読んだならば、

    かつてこの星に存在していた
    種に思いを馳せ、


    『自分にもできること』


    今一度考える
    ひとつのきっかけになってくれたらと
    切に願います。

  • もう絶滅してしまった、または絶滅危惧種の動植物が、絵本の中の楽園で穏やかに暮らしています。
    絵に直接刺繍して作られた美しい情景には、動植物の毛並みや質感、生き生きとした命の輝きが息づいています。
    夢のようでもあり、切ない気持ちになる一冊です。

  • 絶滅または 危惧種の動植物。
    右に作品、 左に名前と解説のような おはなし。

    たくさんいた いきものたちが
    一匹もいなくなってしまう。


    ステラーカイギュウ。
    仲間が殺されると助けるために集まる習性があって
    ハンターたちに狙われたって。
    悲しい。


    エンペラータマリン。 初めて知ったな。
    実物を調べてみたら 白ヒゲで愛嬌のある顔だな。

    ケツァール。
    火の鳥のモデルになったといわれているそう。
    調べてみたら ほんとキレイな鳥だなぁ。


    絵が きれいで 印象的。
    だからこそ 余計に 泣きそうになるな。

  • 清川あさみさんが糸やビーズで紡ぎだす、幻想的な絶滅動物・絶滅危惧種たち。

    小学生のころ、よく絶滅動物図鑑を図書館で借りて読んでいました。
    かつて地球上に生き、今はもういない動物たち。
    彼らが人間の影響で滅んでいったことに憤りつつ、どこか憧れの気持ちを抱いてページをめくっていたものです。
    この本を見ながら、そんなことを思い出しました。

    1つ1つの作品があまりにもきれいなのです。
    まるで楽園を見ているような。
    だからこそ、世界から消えていった動物たちの儚さが感じられるのです。

  • ドードー、ニホンオオカミ、トキ、オオムラサキ…今はもう絶滅してしまった生き物、絶滅しそうな生き物が糸やビーズ、スパンコールを使った刺繍で本の中に蘇る。神秘的で美しい絵本。
    この作品を生で見てみたい。

  • 絵の部分が刺繍。美しい色彩で絶滅した動植物を巧みに表現していて素晴らしい。
    そしてその美しい生き物がもう存在しないことに人類の罪深さを感じる。

  • すでに絶滅した種と絶滅危惧種を、年代・生息地にとらわれず集めて絵画的に紹介した一冊。美しい動植物が、乱獲や気候変動で失われてしまったと思うと切なく、作者によって作られた色鮮やかな世界には癒しのエネルギーをもらえるような気がしました。

  • 友人から いただいた本。

    とても美しく 描写も細やかで、鮮やかな絵ですが・・

    ひとつひとつをよく見ると、

    絶滅してしまった動植物、絶滅危惧種の動植物が多く描かれていて

    ・・切なくなります。

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著者プロフィール

写真に刺繍を施す手法を用いた作品をつくるアーティスト。代表作に〈美女採集〉、〈Complex〉 シリーズ、絵本『銀河鉄道の夜』(リトルモア)など。著書多数。谷川俊太郎氏との共作絵本『かみさまはいるいない?』(クレヨンハウス)が2年に1度のコングレス(児童書の世界大会)日本代表に選ばれる。2016年下半期NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でタイトルオープニング映像やポスター制作を担当。二児の子ども育てる母。 

「2021年 『あっちむいて こっちむいて だ~れだ? わお!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

清川あさみの作品

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