本家ゴーマニズム宣言2

制作 : 梶原麻衣子(『WiLL』編集部)  構成・作画:よしりん企画  ブックデザイン:鈴木誠一デザイン室 
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898311691

感想・レビュー・書評

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  • 地震、ゴー宣道場、中国(というよりグローバリズムとかナショナリズムの話か)、皇室等の硬い話題が続いた後、最後に何故かAKBに関する鼎談。

    いつも通り確立した個の下で公について考えるという立場は変わっていない。

    ただ、原発に関する主張にだけは同意できなかった。

    原発を否定する理由については、パトリと常識によるものなので、同意できなくはないが(それでも、原発を年代によらず全て同じと捉えている点は同意しかねるが)、原発の代替が火力だけで大丈夫というのは、明らかにあまり調べてないのが感じられて残念だった。地球温暖化の主張が、火力を否定し原発を推進するためというのは、いくらなんでも陰謀論過ぎる。

    また、原発のリスクは技術で回避できないといいつつ、自然エネルギーについては日本人の技術力でどうにかなる可能性もある、と矛盾したことを主張するのは無責任に感じた。自然エネルギーは技術でどうになるけど、原子力はならないとはどうした言えるのだろうか。

    そして一番同意できないのが、これまでの原子力の推進が、国や東電の私益のためだというように書かれている所だ。確かに、国や東電が原発に対して異議を唱えることができない空気を作り上げてきたこと、これについては批判されてしかるべきだし、腐った人間が多かったことも事実だろう。しかし、別に国も東電も、電気なんていうインフラで儲ける必要はない。彼らが原発を追求してきたのは、私益ではなく、あくまでもその時点での日本の資源状況と、技術的水準を踏まえた上で、国民生活及び産業(これもひいては国民生活)にとって最も有益(またはまし)な手段が原発だと判断したからである。汚い雰囲気を作り上げてきたのは、「原子力」のような穢れに触れ、常に無益で無責任な批判にさらされて来たことによる防衛的な反応によるものだろう。自衛隊、米軍基地、ごみ処理場、全部同じだ。

    技術に関する意思決定は、時代の変化により常に過去の決定が妥当でなくなる可能性を秘めている。技術的には長くかかることでも、行政のように今日明日のことを行わなければならない場合、リスクに目をつぶらざるを得ないことがある。

    「そのリスクの評価が過小だった。過去の決定は誤りだった。当時の人間は責任を取れ。」というのは簡単。でもそんな手のひら返しが常態化してしまったら、誰も責任を伴う行動がとれなくなってしまう。何もやらないのが最も責任ある行動という矛盾した状態になってしまう。本当にそれで良いのか。それが国家のことを考えることなのか。

    今の原発に対する批判は、俺にはどうしても戦後の軍に対する批判と同じに見える。戦争論を著したよしりんであれば、そのことがわかるはずだし、それなら批判をするにしても仕方があるのではないだろうか。

  • やっぱ、よしりんのファンなんだよね。

  • 原発問題、天皇について等の本。自然エネルギーが増えると良いと思う。天皇について話すときには相応の知識が必要。

  • テーマ別にカテゴリ分けてるのでスッキリ、サッパリ、勉強になった。
    AKBファンではないので最後の対談はよく分からんかったですが。

  • 特別編以外の本論は久しぶりに読んだが、相変わらず時事ネタを多岐にわたって描いている。主旨主張はぶれていないが、未曾有の災害である東日本大震災を挟んだエピソードは、スピード優先だったのだろうか、未だテーマとしては描き切れていない感があり、また特別編が描かれるのだろうか。
    また、同じく大震災で国民議論が停滞した感があるTPPについては、既に特別編が用意されている模様なので、そちらが先になった様だが、ここでも震災復興についての論は避けえないはずなので、この辺りの持論の展開も期待したい。

  • ずっとゴー宣は読み続けているが、今回は読みきるのに何日もかかった。
    よしりんは進化し続けているのに対して、私は歩みがゆっくりになってきているのだろう。
    原発は即廃止というよしりんの意見、まったく同意見でうれしかった。
    よしりんの意見と同じだと、まだまだ私も大丈夫だと思える。

  • 帯表
    特別収録①スペシャル描き下ろし「イントロ漫画」22ページ!
    特別収録②スペシャル鼎談「AKB48こそネ申である」!

  • ゴーマニズム宣言も最近マンネリ化してきている。インターネットではゴー宣道場をやっているが何をやっているのか特に興味もない。この本を見ても興味を持てなかったし、楽屋オチのため読んでいても辛かったが、最初の方の2章にあったのもあって読むのを止めようと思ったほどだ。ただ国際関係に関する記述はまあまあ面白かったのでとりあえずこの評価とした。

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著者プロフィール

1953年8月31日生まれ。1975年、福岡大学在学中に初めて描いた漫画『東大一直線』が赤塚賞の最終候補で落選するが、雑誌に掲載され、大ヒットとなる。『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』など話題作多数。
●主な著書
『新ゴーマニズム宣言10』(2001、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special 台湾論』(2000、小学館)、『新・ゴーマニズム宣言Special「個と公」論』(2000、幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言9』(2000、幻冬舎)、『朝日新聞の正義』(共著、1999、小学館)、『自虐でやんす。』(1999、幻冬舎)、『国家と戦争』(共著、1999、飛鳥新社)、『子どもは待ってる! 親の出番』(共著、1999、黙出版)、『ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル』(1998、幻冬舎)、『 知のハルマゲドン』(共著、1998、幻冬舎)、『ゴーマニズム思想講座 正義・戦争・国家論』(共著、径書房)、『教科書が教えかねない自虐』(共著、1997、ぶんか社)、『小林よしのりのゴーマンガ大事典』(1997、幻冬舎)、『小林よしのりの異常天才図鑑』(1997、幻冬舎)

「1997年 『ゴーマニスト大パーティー3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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