これからの日本を読み解く 日本の将来はじつに明るい! (WAC BUNKO 215)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784898317150

感想・レビュー・書評

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  • 新刊が出されると必ず読むことが習慣になっているのが、この本の著者である日下氏の本です。先月末(2015.3)に出された最新本です。

    数年前から、彼の論調は「日本は素晴らしい、日本の強みはこうである」と解説してくれています。今回の本の特徴は、「とにかく働け!」というメッセージでした。

    確かに日本がデフレになってから、はや20年から30年、私はその間ずっと会社員でしたが、リストラやコスト削減、効率化、構造改革、変革等、色々な言葉が使われてきましたが、新たな価値の創造は無かったような気がします。少なくとも私が関わっていた世界では。

    やっと自分の内面が変化を始めたような気がしています。あと1年経過して、1年前を振り返ってみたときに何か新しいことを感じていられるよう、これから過ごしていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・アベノミクス三本目の矢は成長戦略ではない、民間出動だ(p7)

    ・日本では優位戦思考を全然できない人が褒められているから、日本は劣位戦で出世する。だから「私にはわかりません、教えてください」と言っているほうが得である(p22)

    ・博打も女も、それ自体が問題ではありません、そういうものに惹かれるのは人間の本性である。ただし溺れてはいけない(p41)

    ・円高円安、株価の上下は、本来貧乏人には関係ない。関係あるのは、「働く場があるかないか」ということ(p53)

    ・確かに「木」単体で見れば、酸素の放出量のほうが多いが、森というシステムで見た場合は違う。土壌に生息する分解者が有機物を分解して無機物にする際に、大量の二酸化炭素をだしているため、その分を加えると、二酸化炭素と酸素の収支はトントンになる(p83)

    ・湿気はお年寄りの方の関節によくない、リウマチになってしまう(p85)

    ・核家族が生まれたのは明治時代からではなく、江戸時代の徳川吉村のときから、新田開発を行い、色々な人に移住を促した。これに応じて、次男以下の男たちが結婚して入植した(p110)

    ・東大の権威が落ちた理由の一つは、資料が独占できなくなったこと。アメリカ公文書館で公開されている資料をに日本にいながらインターネットで検索できる(p156)

    ・1960年代の日本は、福島の原発事故で放出された何十倍もの放射能が「死の灰」として降っていた。これは中国の核実験によって生じた放射性物質で、1963
    年から降り始めた(p163)

    ・被ばく線量で考えれば、1980年位までの方が、1000ベクレルの内部被爆をした(p164)

    ・もともと放射線には、健康と進化の両方の効果がある。放射線がなぜ危ないからと言うと、遺伝子を傷つけるから、一方で修復するスピードもありどちが早いかが大事(p165)

    ・石油の場合、生産は埋蔵量の確認であり、この辺にこれだけあると見つけること。実際に採掘するのは出荷。確認する量をたくさん増やすと値段が下がる。だから絶対に、30年以上には増えない(p174)

    ・地球の構造物質で一番多いのは、鉄とアルミと酸素とか言われるが、石油のそのうちの一つ。だから30年分を確認したら、あとはやらない。(p175)

    ・シェールの可能性はそれほどではない。シェールを掘って利益がでるのは、原油価格が100ドルを超えている状況、50ドルになると石油を買えばいいことになる(p177)

    2015年5月4日作成

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著者プロフィール

1930年、兵庫県生まれ。三谷産業株式会社監査役。日本ラッド株式会社監査役。東京大学経済学部卒。日本長期信用銀行取締役、(社)ソフト化経済センター理事長を経て東京財団会長を務める。ソフト化・サービス化の時代をいち早く予見し、日本経済の名ナビゲーターとして活躍。未来予測の正確なことには定評がある。『いよいよ、日本の時代がやってきた!』 『日本人への遺言』(渡部昇一氏共著)『日本人への遺言partⅡ 「和の国のかたち」』(渡部昇一氏共著)『反核愚問』他多数有り。

「2018年 『「発想」の極意 人生80年の総括』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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