スピンドル式 鍛えない脳

  • しょういん
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本棚登録 : 34
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901460309

作品紹介・あらすじ

「脳トレ」ブームに疑問を抱いたあのゲーム作家3名が、医学博士・米山公啓とともに、「脳を鍛える」ことの意味に鋭く迫る!結論、脳は鍛えなくてよかった。

感想・レビュー・書評

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  • サイエンス

  • ゲーム作家が脳の本についてあれこれ語る。
    有名な本もあるが、意外にぼろくそにけなしている。それが的を射ていると思えるから面白い。
    脳を鍛えることはできないし、脳の活性化もできないのもよーくわかった。

  • ゲームクリエイターの
    麻野一哉さん(かまいたちの夜など)、
    飯田和敏さん(アクアノートの休日など)、
    米光一成さん(ぷよぷよなど)、
    が「脳」についての書籍を取り上げて、自由奔放に
    対談を繰り広げる。
    それに対し、神経内科医の米山公啓さんが
    監修として、医学の見地から突っ込みを入れる。

    まぁ、なんというか「脳」についてゆるく
    楽しめる本である。
    でも、そのゆるさから、むしろ問題の本質を
    鋭く突いているところも色々あっておもしろい。

    たとえばp.210で川島教授の脳ドリルは、
    むしろドリルそのものじゃなくて先生とおばあちゃんの
    会話が脳に効いてるんじゃないの? っていう話が
    あって。
    確かに、脳というものがいかにまだまだ未解明で、
    ”観測機器”の発達が不十分という議論がなされたあとでは、、
    たしかに「○○が脳に効果的」という断定のほうが
    よっぽどおかしなことだなと思ったりする。
    それこそ実は「ゲーム脳」の無根拠な断定と一緒というか。

    科学の進歩は、演繹的なケースと帰納的なケースが
    どちらもあるように思われる。
    とはいえ、フツウは後者が大多数だと思うけれど。
    データの積み重ねの中で、一つの仮説を組み立てることができ、
    今度はそれを示す証拠を探していくわけだ。

    とはいえ、脳に関しては、本書で触れられているが
    「死んでいる脳」をいくら分解しても私たちの知りたいことは
    出てこないわけである。
    「生きている脳」がどうなのか、を私たちは知りたいが、
    しかしそれは人間の活動状態そのものであり、そうなってくると
    いろんな要素が不可分に絡み、上述の
    「脳ドリルじゃなくて会話に効果があるのでは?」
    という疑問が、まさに当てはまってくるわけである。
    還元主義で答えが出せず、統合性あるものとしても
    宇宙物理学の方程式のような明快さも成り立たない。

    たぶん、われわれは脳については、少なくともまだまだあと
    数十~数百年くらいは悩み続け、考え続けるのではないかなぁ…と思う。

    そうなってくると、個人の人生としては、たとえば
    「辛いことを減らし、楽しいことを増やす」という目的を立てて、
    その実現に向かうために脳に関する知見を生かしていこうという
    「価値を決めた割り切りの思考」が役立つのでは、と私は思ったりする。

    出版社HP
    http://www.shoin.co.jp/books/4-901460-30-9.html

    内容が整理されたブログ
    http://blog.lv99.com/?eid=667230

  • 脳ブームを冷静に読みなおしつつも、ブームを逆手にとってあたらしい発想(ゲーム)を提示した快作。
    著者のゲームにハマった方、『日本文学ふいんき語り』等の御三人の本を面白いと思った方は必読。

  • クオリア 仮想を生成するその主体的な感覚

    脳の中にある記憶とかイメージが残っていること自体が芸術

  • 章ごとに本文中にちょっとした脳トレ(本文の一部がひらがなになっていてそれを漢字で書かせるスペースがある、意図的に誤字を入れる、2つのことばから文脈に沿ったものを選ばせるなど)が入っていて、とぼけた味わいがあります。ノリは「恋愛小説〜」の時と変わらず、6冊の本をレビュー。
    まったりしながら読めます。

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