- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901460309
作品紹介・あらすじ
「脳トレ」ブームに疑問を抱いたあのゲーム作家3名が、医学博士・米山公啓とともに、「脳を鍛える」ことの意味に鋭く迫る!結論、脳は鍛えなくてよかった。
感想・レビュー・書評
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サイエンス
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ゲーム作家が脳の本についてあれこれ語る。
有名な本もあるが、意外にぼろくそにけなしている。それが的を射ていると思えるから面白い。
脳を鍛えることはできないし、脳の活性化もできないのもよーくわかった。 -
ゲームクリエイターの
麻野一哉さん(かまいたちの夜など)、
飯田和敏さん(アクアノートの休日など)、
米光一成さん(ぷよぷよなど)、
が「脳」についての書籍を取り上げて、自由奔放に
対談を繰り広げる。
それに対し、神経内科医の米山公啓さんが
監修として、医学の見地から突っ込みを入れる。
まぁ、なんというか「脳」についてゆるく
楽しめる本である。
でも、そのゆるさから、むしろ問題の本質を
鋭く突いているところも色々あっておもしろい。
たとえばp.210で川島教授の脳ドリルは、
むしろドリルそのものじゃなくて先生とおばあちゃんの
会話が脳に効いてるんじゃないの? っていう話が
あって。
確かに、脳というものがいかにまだまだ未解明で、
”観測機器”の発達が不十分という議論がなされたあとでは、、
たしかに「○○が脳に効果的」という断定のほうが
よっぽどおかしなことだなと思ったりする。
それこそ実は「ゲーム脳」の無根拠な断定と一緒というか。
科学の進歩は、演繹的なケースと帰納的なケースが
どちらもあるように思われる。
とはいえ、フツウは後者が大多数だと思うけれど。
データの積み重ねの中で、一つの仮説を組み立てることができ、
今度はそれを示す証拠を探していくわけだ。
とはいえ、脳に関しては、本書で触れられているが
「死んでいる脳」をいくら分解しても私たちの知りたいことは
出てこないわけである。
「生きている脳」がどうなのか、を私たちは知りたいが、
しかしそれは人間の活動状態そのものであり、そうなってくると
いろんな要素が不可分に絡み、上述の
「脳ドリルじゃなくて会話に効果があるのでは?」
という疑問が、まさに当てはまってくるわけである。
還元主義で答えが出せず、統合性あるものとしても
宇宙物理学の方程式のような明快さも成り立たない。
たぶん、われわれは脳については、少なくともまだまだあと
数十~数百年くらいは悩み続け、考え続けるのではないかなぁ…と思う。
そうなってくると、個人の人生としては、たとえば
「辛いことを減らし、楽しいことを増やす」という目的を立てて、
その実現に向かうために脳に関する知見を生かしていこうという
「価値を決めた割り切りの思考」が役立つのでは、と私は思ったりする。
出版社HP
http://www.shoin.co.jp/books/4-901460-30-9.html
内容が整理されたブログ
http://blog.lv99.com/?eid=667230 -
脳ブームを冷静に読みなおしつつも、ブームを逆手にとってあたらしい発想(ゲーム)を提示した快作。
著者のゲームにハマった方、『日本文学ふいんき語り』等の御三人の本を面白いと思った方は必読。 -
クオリア 仮想を生成するその主体的な感覚
脳の中にある記憶とかイメージが残っていること自体が芸術 -
章ごとに本文中にちょっとした脳トレ(本文の一部がひらがなになっていてそれを漢字で書かせるスペースがある、意図的に誤字を入れる、2つのことばから文脈に沿ったものを選ばせるなど)が入っていて、とぼけた味わいがあります。ノリは「恋愛小説〜」の時と変わらず、6冊の本をレビュー。
まったりしながら読めます。