大アジア思想活劇―仏教が結んだ、もうひとつの近代史

著者 :
  • サンガ
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  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784901679954

感想・レビュー・書評

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  • 「キリスト教か仏教か」にあったパーナドゥラ論争前後のことを知りたくなって急遽購入。
    植民地にされたスリランカは論戦という形で戦ったのに比べて、日本は緊迫感がなかったせいか、「白人の仏教徒」を連れてくればいいんだろう、ということになっていてなんだか情けない。
    「白人の仏教徒」ということで駆り出されたのがパーナドゥラ論争を聞きつけてスリランカに来ていた神智学の徒であるオルコット氏。
    オルコットに同行して日本を訪問したスリランカの少年は、長じて「劣った宗教(キリスト教)を信じるヨーロッパ人ではなく仏教を奉じるアジア人こそが真のアーリアの継承者だ」というびっくり理論を喧伝して人々を扇動することになります。神智学の影響、と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、植民地支配に対抗しようとするあまり、植民地支配の道具であった優生学に自ら侵されてしまったようにも思えます。

  • 著者曰う「離散した南北の仏教徒が出会い、交流し、ついに仏教世界共通の歴史を歩み始めるまでの物語」とあるように、一般には知られぬ、明治維新からの近代化と帝国のアジア進出の中で、インターナショナルな宗教家、仏教徒たちがどう動いたか、ひとつの裏面史として興味ある話題ではあった。   -20101202

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著者プロフィール

1939年、旧樺太生まれ。元・毎日新聞編集委員。多くの事件を取材する。

「2020年 『スパイ関三次郎事件 戦後最北端謀略戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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