- Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
- / ISBN・EAN: 9784901998567
感想・レビュー・書評
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このような内容の本がこの値段でも売れることが文化なのだろう。
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思索
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“世のなか便利になったのに
ちっともラクができない。
ならばちょっと怠けてみよう。
人生、楽になりますヨ。”
いくら便利な機械が開発されても、楽にはなりません。一層の効率性を求められ、負担は高まるばかりです。そんな時、ちょっと怠けてみませんか。そんなことを教えてくれる「ちょっと怠けるヒント」。人生の目的を考えさせてくれます。
“「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた後を反復的にたどるにすぎない」(「読書について」斎藤忍随訳)
ショウペンハウエルは、読書する奴は自分で考えない怠け者だといっている。それを引用する私はどれほどの怠け者か。して貴方は?” -
資料ID:W0155386
請求記号:159||Ma 91
配架場所:本館1F電動書架A -
実用書かと思ったら、エッセイ集のような気軽に読める本だった。また読みたいかも。
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いくつかの連載をまとめたそうで、フォーマットや枚数が混在。 一般的な話と業界紙向けらしい話しが混在し、ちょっと読みにくい。 と思いながらよみ続けたが、なかなか味がある。筆者の怠けるということは、怠惰ということではなく、構えない状態、流されない状態、惑わされない状態といった感。建築学を学んだ筆者が現代建築にやんわりと疑問を呈している。
筆者が書いているわけではないが、松本幸四郎が、三菱地所の東京最開発を礼賛するCMに出ているのが、なんとも情けない。 -
本当に怠けたい人がよめないという、古典的矛盾を突いた一冊。ステキ。
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『知的な仕事は、人間を人間の共同生活から引き離す。手仕事は逆に、人間を人間の仲間へ導きます』-フランツ・カフカの言葉
松山さんの言葉には、味わいがある。文芸的な意味合いではない。文体がとか、文章のセンスがとか、そんなような意味ではなく、言葉が持つ意味の奥深さ、重さ、そんなものが、アタリメと同じように、噛めば噛むほどにじわじわと染み出してくるような味わいがある、と思うのだ。自分は、松山巖の文章のファンである。
「くるーりくるくる」という不思議な本を読んだ時(ああ、不思議といっても本自体としては変わったところがある訳ではありません。読むと気持ちよく酔っぱらいたくなるような本なのです)、頭のてっぺんを金槌で叩かれたように感じたのが始まりだ。松山さんの文章は、誤解を恐れずに言えば、雑文と言ってしまいたくなるような文章だった。敷居は、一見したところ物凄く、低い。しかし、ふらふらとその「間合い」に入ってゆくと、パンっと面を一本取られる。雑文は、雑多なことが書かれているようでいて、その実、筋が通っており、幅広い知識が知恵となって裏打ちした言葉のコラージュであったことを、ガツンと喰らってから気付く。
以来、その鮮やかに負かされたような気持ちの良さを味わいたくて、松山さんの本を読む。でも、本人も言うように、松山さんの本は中々出ない。いやいや待てよ、実はこの位のペースで出版されるからこそ、安心して読むことができるのじゃないか、とも思う。ああ、猫風船も面白かったなあ、と「ま」の棚あたりをぶらぶらしている時に、ひょっこりと新しい本に出会い、おおっ、と気持ちが昂じるのが良いのかも知れない。
ああ本は片付けたんですね、松山さん。路地は消えつつあるんですか、松山さん。と勝手に相槌を打ちながら読む。不思議だと思う。一度もその本に埋もれた室内を覗いてみた訳でもないのに、その狭い路地に足を運んだことがある訳でもないのに。松山さんの語る風景は何故かいつも思い当たる風景だ。それはやっぱり、松山さんの文章の味わいのせいなのだろうと思う。
一見、簡単に噛み砕いて消化することができそうでいて、やっぱりアタリメのように何度も何度も噛みしめてゆっくり柔らかくしないとならない、その味わいのせいだ。そうしている内に、松山さんの描く日常の景色が、頭の中の銀塩式フィルムに写し取られる。フィルムを現像して、きちんと写っていることを確認していると、モノクロのネガを読み解く言葉が耳の奥で囁く。何を言ったのか聞こえない位に遠慮がちな声で。
そして後から思い出そうとしても、やっぱり何を言われたのか思い出せないのだけれど、そのネガはいつの間にか裏返しのポジのイメージとなって蘇る。松山さんの時代に対する視点が、はっきりと解る構図となって。
『 なんだよ お前/まだまだ呑めるぜ/けっこうけっこう
もういっぱい/のんで忘れるウサもある
のんだくれても/もういっぱい/けっこうけっこう
またいっぱい/なにいいやがる なにぬねのーだ 』
-『無防備の快楽』 -
20100509朝日新聞書評