王の祭り

著者 :
  • ゴブリン書房
3.61
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本棚登録 : 126
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784902257397

作品紹介・あらすじ

妖精をつかまえるために森にでかけたあの夜が、すべてのはじまりだった──。

女王陛下の革手袋をつくるため、父親といっしょにケニルワース城へ向かった少年ウィル。そこで女王暗殺の計画に巻きこまれたウィルは、妖精の力を借りて女王を助けようとするが、思いがけず、時空の歪みに投げだされ……。

16世紀のイングランドと日本を舞台に、〈時〉と〈処〉を超えて繰りひろげられる、壮大な歴史ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 読了。話としては面白いんだけど、急ぎすぎというか、せっかく異文化交流の話なのにそこがあっさりしすぎでもったいないなと思った。自分なら言葉の壁をどう乗り越えるかみたいなところを描きたくなるけど、筆者が書きたかったのはそういうことじゃないんだろうな、と思った。

  • 織田信長とエリザベス女王とシェイクスピアが、出てくる。あの時代の日本とイングランドがいっぺんに出てくるなんてすごい。どうなっちゃうのかなと思って、ハラハラした。
    信長と女王が王らしくて、すごかった。特に信長がイケイケの戦う勢いだけの人じゃなくて、迫力があって、よく考える人で、かっこよくて、よかった。
    ようせいのパックが、いたずらっぽくてかわいい。
    パックがシェイクスピアのおしばいに出てくるというのと、おくにが出雲の阿国だというのを、後でお母さんに聞いて、ますます驚いた。すごいお話!(小6)

  • エリザベス女王と信長がつながる! というのが愉快。 奇想天外な話だが、しっかり歴史をふまえているし、妖精の存在や彼らの将来も違和感はない。

  • 家族が買っていたので冒険。ゴブリン書房とはこれが初めまして。小学校高学年向けくらい(?)の歴史ファンタジー。他のラインナップを見るとちょっと異色かもしれない。

    エリザベス一世、織田信長、と、未来に名を成す少年少女が織りなす歴史ファンタジー。あらすじで触れられているように、イングランドから日本への時空旅行という奇天烈な筋立てなのだけど、行き届いた描写で背景を整えながら、妖精達の跳梁が助ける形で舵を切って加速し離陸してしまう手並みが鮮やかで、実に気持ちよく惹きこまれた。劇中劇『ピラマスとシスビー』から、物語の枠を意識させて、さらにその奥へ奥へと入り込んでいく快感。女王を観客席から舞台に上げる演出や、主役たるウィルとハムネットの関係が舞台上と日本に行き着いてからとで大きく変わるあたり、とても巧みで面白かった。少年のウィルにとっては特に、「行きて帰りし物語」であるところもポイント。
    16世紀イングランド・日本の異文化交流的なところは控えめだった印象。逆に信長がイングランドを訪れるということはなく、しかも本能寺の変間近という時期だから仕方ないのか。でも小姓の少年をイングランドに送ろうとしているあたりに夢がある。いかにもやりそう。
    妖精パックと五条狐に加え、歌と踊りの魔法もよく効いて魅力的。このためのお国でもあったのかも。五条狐が見せた夢の中、怒りの舞に楽の音が重なる描写がとても好き。鎮魂の陽気な踊りに女王が顔を出す場面なんかも、天岩戸さながらでありつつ帰還の鍵へと繋げている。なるほど納得。
    ハムネットだけ「夢」の住人となるところも、メタ視点からはむしろこれしかないという気がしてくる。

  • 中学生におすすめされた一冊。
    織田信長とエリザベスが出会っていたら?
    シェイクスピアもお国もいるよ!!

    設定は面白いのに、視点や話が飛びまくり、
    文章読むのにも目が滑ってしまって、
    わたしにはあまり入り込めなかった。無念。

  • 2023.11.14

  • 文章が好き
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった
    また読みたい
    その他 〇

    そうか、この3人って同時代の人なのか。


    昔みた映画、『恋に落ちたシェイクスピア』を思い出した。懐かしい。

  • 最初は登場人物の複雑さに読めない!と思いましたが、最初から読んでみるとすぐに登場人物たちの時代にタイムスリップしてどんどん話に引き込まれました。

    本当に、エリザベス女王と織田信長が会えていたら、と思わずにはいられません。
    また、大河の「麒麟が来る」で光秀の苦悩、秀吉との確執を見ていたので、そのあたりも違和感なく読めました。

    このぐらい手応えのある物語が読めるような子どもに出会いたい…

  • 1575年イングランドに住む革職人のウィルは、森の中で妖精パックと出会い、[ケニルワースの町へ行きたい」という願いをかなえてもらう。町ではエリザベス女王を迎えてお祭り騒ぎになっていた。そんな中、女王の命を狙う計画が進行していた。偶然そのことを知ったウィルは、女王を助けようとして殺されかけたが、妖精パックのおかげでその場から遠くへ飛ばされる。ところが、飛ばされた先は、なんと織田信長がいる日本の戦国時代だった。
    同時代のエリザベス女王、織田信長、シェイクスピアが活躍するファンタジー。複雑な設定を巧みに操り、わくわくさせる物語。

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著者プロフィール

1950年、新潟県糸魚川市生まれ。神奈川県相模原市在住。「世界一おいしい……」でカネボウ・ミセス童話大賞優秀賞、「ピアニャン」で講談社児童文学新人賞、「くらひめさま」で児童文学ファンタジー大賞奨励賞などを受賞。著書に『あけちゃダメ!』『山ばあばと影オオカミ』(新日本出版社)『ピアニャン』(講談社)などがある。日本児童文学者協会会員。ファンタジー研究会会員。「天気輪」同人。糸魚川の町屋文化を守り伝える会代表。

「2020年 『王の祭り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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