CHINA AND THE WEST 中国はリベラルな国際秩序に対する脅威か?

  • 楽工社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784903063928

作品紹介・あらすじ

米中を代表する論客が公開ディベートの場で大激論!
世界的に知られる公開討論イベント「ムンク・ディベート」での舌戦の模様を収録。生の議論を通じて、問題の核心がわかる。
さらに巻末に、30ページ超の長文解説を収載。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い会議録。

  •  2019年のディベートの書籍化。副題の問に対し、マクマスターとピルズベリーはイエス、マブバニと王はノーとの立場。ただ前2者も、求めているのは中国との戦いというより会話。読んでいて、4者それぞれに頷ける点、反論したくなる点があった。
     本書の価値を倍増させているのが佐橋による解説だ。米中関係の過去と現状や米国内の対中政策の変化を解説し、4者の議論を整理してくれる。佐橋は、狭いサークルの中で決められてきた対中関与政策が、基本的には10年ほど前から新規参入組が増えたことで変化していると解説する。ピルズベリーが2015年に本を出版した時は異端視されていたが、ワシントン全体の右傾化により中心に来たという。
     また副題の「リベラルな国際秩序」について。マクマスターとピルズベリーは「リベラルな国内政治」と意図的に混同し、米の無謬性を疑っていないと佐橋は述べる。ディベートからもそれは感じ取れる。他方マブバニは、リベラルな国際秩序は「主権とルール」だとし、中国がこのルールに従って行動している点を挙げる。問題設定にあたり、この整理は必要だと感じた。
     なお、何度も出て来る「象が戦う時も、象が愛し合う時も草は苦しむ」という諺。草の例はシンガポールやカナダだが、日本もある意味この草ではないか、と頭をかすめた。

  • 東2法経図・6F開架:319.2A/Ma22c//K

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