ゴーストワールド日本語版

著者 : ダニエル・クロウズ 山田祐史 PRESSPOP LAB

• PRESSPOP INC (2011年12月15日発売)

感想・レビュー・書評

[daiyuuki24さんの感想 · 2022年12月18日]

ダメに生きる イニードとレベッカは幼なじみで親友｡高校を卒業したものの､進路も決めずに好きなことをして楽しんでいる｡
そんなある日､二人はモテないレコード・マニアの中年男､シーモアと出会う｡ダサいけど独特な世界を持つシーモアにイニードは興味を持ち､二人の間には奇妙な友情が芽生える｡
一方､レベッカは独立を目指してカフェで働き始め､イニードとレベッカはお互いに距離を感じ始める｡
イニードは、ブルース・マニアのシーモアと出逢い自分の才能を発揮出来る分野を探し求めるが、可能性の扉はどんどん閉じられていく。
もし自分が特別だと思っていて何の得意分野も持たず平凡な人間だったら、どうする？
思春期にありがちな周りの人間を馬鹿にして、ありのままの自分から目を背けて自分が特別だと思い込んでいる主人公２人に、自分の思春期の頃を重ねて身につまされます。
美術の補習授業のシーンの中で、自分の才能を思い知らされるところやオタクのパーティーのシーンや来るはずのないバスを待っている老人などの味のあるキャラクターなど、癖になる面白さです。
ラストで、イニードが現実を打破するためにした決断した行動とは？現実に腐っている文系女子に、勇気を与えてくれるグラフィックノベル。